表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『40歳OLと高校生、世間では“母子”、本当は恋人――バレたら即終了の年の差ラブコメ、始まります。』  作者: AQUARIUM【RIKUYA】
シーズン5《社会人5年目&家族拡大 第二子妊娠・出産に家族の試練と再生編》
75/83

第2話「社内バレ、再燃」




「……春日井課長、最近ちょっと、様子変じゃない?」


昼休み、女性社員たちが集まるカフェスペースに、ひそひそ声が落ちていた。

さりげない視線が、ひとりの女性――春日井真希に向けられている。


彼女は今、ルクシア社・営業企画部の課長職。45歳。

的確で冷静、上層部からの信頼も厚く、部下にも尊敬される女性上司。

……だが、今朝からずっと、どこか体調が優れなさそうだった。

顔色は白く、トイレに立つ回数も多く、やたらとお腹を気にするような仕草――


「……もしかして、妊娠……とか?」


囁かれたそのひとことに、数人の社員がぴしりと反応した。


「え? でも春日井課長って、もうお子さんいるんじゃ……」


「結婚してるって噂もあったよね、相手が誰かは知らないけど……」


──だが、その中に、ひとりだけ微妙な顔をした女性がいた。

進藤あかり。入社5年目の若手社員であり、真希の部下。

実は彼女は、春日井課長が結婚していることも、子どもがいることも、そしてその夫が“同じ会社の若手営業マン”であることも――知っている。


(……でも、まさか。今、また妊娠なんて……)


正直、思いも寄らなかった。

だって悠真はまだ社会人3年目。ようやく仕事を任されるようになってきた頃で、

プライベートと両立させていくには、並大抵の努力じゃ済まないはずだ。


あかりはふと、今日の朝のことを思い出した。

エントランスで、真希がふと立ち止まり、壁に手をついて顔をしかめた瞬間。

声をかけようとしたとき、彼女は微笑んで言った。


「大丈夫よ。ちょっと……、少し疲れてるだけ」


でも、あれはどう見ても“疲労”の顔じゃなかった。

むしろ――どこか懐かしい不安と期待の混じった、あの表情は……。


「……ねえ、春日井さんって、もし妊娠してたら産休どうなるの?」


「課長職の後任どうするんだろうね。うちのチーム、今けっこう大事な案件抱えてるのに……」


「それに……まさかだけど、相手、まさか社内の誰かじゃないよね……?」


(……バレてる……?)


そう思ったのは、別の場所で聞き耳を立てていた悠真だった。

社内に漂う噂は、もう彼の耳にも届き始めていた。


コピー機の陰からちらと女性陣の会話を見やり、悠真は内心ひやりとする。


(真希さん、やっぱり隠しきれなくなってきてる……? でも……双子なんて、今の段階じゃ絶対に言えない)


彼女は高齢妊娠だ。しかも双子。

リスクも、仕事への影響も、社内の空気も、あまりに大きすぎる。

だからこそ、いまは営業本部長・柳瀬にだけ報告を済ませた。

それ以外には、まだ知らせていない。


──ただ、それでも。


「……そろそろ、覚悟決めなきゃかもな」


自分が“夫”であるということも。

そして、ふたりで守るべき命が、もうふたつに増えたということも。


昼休みが終わるチャイムが鳴る。

社員たちが席を立ち、ざわめきが引いていく中、

真希は自席で、お腹にそっと手を添えた。


彼女の胸の内では、いままさに、選択の天秤が揺れている。


このまま隠し通すのか。

それとも――もう一度、社内に向き合う覚悟を決めるのか。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ