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番外編③:ファミレスで鉢合わせ!?


日曜の昼下がり。

郊外のファミリーレストランには、週末を楽しむ家族連れが次々と訪れていた。


「結翔~、こっちの椅子に座ろうね~。お子さまランチ、あと少しで来るからね」


真希が赤ちゃん用チェアに座らせながら微笑みかける。

隣で悠真は、絵本とおもちゃを広げながら“周囲の目”にピリついていた。


「……なぁ、もうちょっと個室っぽい席にすればよかったんじゃないか?」


「週末は全部埋まってたの。仕方ないでしょ」


「うん、まぁ……でも、まさかあの2人が隣にいるなんて思わないって……!」


そう、隣のボックス席には――


「で、この“ナチュラルバリア・ミスト”を“子育て中の肌荒れ”と結びつけて……」


「育児あるあるを“共感マーケティング”に使う、と……よし、これ企画書に入れよう!」


進藤あかりと村瀬翼。

ルクシア広報部と商品企画部のコンビが、ファミレスで“会議風”に密談していた。


ただし、その実態は、


【裏テーマ:育児ママ向けコスメ企画のプレ調査会】


翼は育児コスメ部門の新規プロジェクト、あかりは販促PR戦略として仕掛けを練っていたのだ。


──しかも2人は、悠真と真希が“結婚して子どもがいる”という事実を知っている。


 



(よりによって……このファミレスで、バッタリ遭うとか……!)


悠真が焦るなか――


「あら……?」


ふいに聞こえてきたのは、透明感ある柔らかな声。


「……春日井さん、悠真くん。偶然ね」


立っていたのは、氷室結衣社長だった。

その隣には、陽翔と、3人の子どもたち──翔太しょうた廉翔れんとこずえも一緒だった。


「ひっ、社ちょっ……」


「言わないで。ここでは“結衣さん”って呼んで。休日モードよ」


結衣が微笑む横で、陽翔が軽く手を挙げる。

そして、幼い梢が結翔を覗き込みながら「ちっちゃい……」と声を漏らした。


「可愛いわね。結翔くん」


結衣が優しく微笑むと、真希はそっと頭を下げる。


「……ご無沙汰してます、結衣さん」


「このあとの“鉢合わせ地獄”、頑張ってね。私たちは奥の席行くから……ふふっ」


 



だが運命はそれでは終わらなかった。


さらに数分後──ファミレスの入り口からぞろぞろと、別グループが現れた。


「うわ、ここ混んでるな……あ、空いてるじゃん。あそこ座ろうぜ」


そこには、ルクシアの社員たち――


・営業部の三条陸さんじょう・りく

・商品開発の中園恵里なかぞの・えり

・法務部の小日向陽こひなた・あきら


さらには真希の同期組まで。


・総務部の榊涼さかき・りょう

・人事部の牧村貴弘まきむら・たかひろ

・広報部の篠原結しのはら・ゆい

・経理部の谷口彩乃たにぐち・あやの

・秘書課の三浦遥みうら・はるか


その全員が、たまたま同じファミレスで“合同ランチ”をしていたのだ。


(終わった……!この人数、絶対誰かに気づかれる……!)


真希は反射的に結翔を抱っこし、顔をうつむかせた。

悠真もそっと顔を反らしながら、翼とあかりに“助けてオーラ”を送る。


 



そのときだった。


「えーと……皆さん、少しお静かに。こっち、“会議中”なんで」


村瀬翼が、声を張って周囲にアピールする。

進藤あかりもタイミングよく、わざとらしい声で続けた。


「ええ、今“産後ケア市場とコスメの親和性”について議論してるの」


その言葉を聞いた三浦遥がピクリと反応した。


「へぇ~、そんなプロジェクトあるんだ。春日井課長が関わってたり……しない?」


一瞬、空気が止まる。


だがそこに陽翔がすっと割って入った。


「その件はまだ社外秘ですよ。ね?」


(……ナイスすぎる、陽翔)


思わず心の中でハイタッチする悠真。


 



──結局、ファミレスは無事(?)終了した。


「……はぁ。疲れた……ごはん食べただけなのに、社内調整級の緊張感だったわ」


真希がため息を漏らす。

悠真も苦笑しながら、結翔をチャイルドシートに乗せる。


その日、翼とあかりは新たな資料にこうメモを残した。


『【社外対応・危機回避編】:育児とキャリア、同時進行する家族社員への社内対応方針』


──一方で。


結衣はファミレス奥のソファ席で、こうつぶやいていた。


「……あの2人の子、いい名前ね。“結翔”……結び、翔ぶ。未来に向けて、ぴったりじゃない」


 



こうして――日常と偶然が重なっただけの“週末の昼ごはん”は、

社内秘密と人間模様が入り混じる、まさに“スリルと絆のファミレス劇場”となったのだった。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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