第5話「“誰にも言えない”サプライズと、誕生日の夜に溺れる」
◆ 【真希の誕生日が近づいて】
10月の中旬。
オフィスの空気も少しずつ冷えてきて、
ふたりの距離だけが、密かに熱を増していく。
「真希って、誕生日いつだったっけ?」
休憩中、桐谷がふと口にする。
「10月……末の方。確か28日だったと思うよ」
悠真は何気ない顔で答えつつ、
心の中では(やば、けっこうバレてる)と焦っていた。
(完全サプライズで祝いたいのに……!)
◆ 【こっそり進む、社内サプライズ作戦】
「おまえ、昼休みに買い物行くって……何してんの?」
同期の新田に訊かれながらも、悠真は笑ってごまかす。
(真希がずっと欲しがってたあのピアス、今こっそりオーダーしてる。
週末に届けば、誕生日当日の夜に……)
冷蔵庫のケーキも、プレートも、
会社の冷凍室に預けてある。
誰にも気づかれずに――
“妻の誕生日”を、心から祝いたい。
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◆ 【お弁当から滲み出る“妻の愛”】
「なあ、今日の弁当……何この手の込みよう」
桐谷が横目で悠真のランチを見ながらつぶやく。
・三色そぼろごはん
・ハート型の卵焼き
・花びらの形のウインナー
・そして「がんばれ♥︎」のピック
「おまえ、彼女……いや奥さんか? なんか、すげー愛されてるよな?」
「えっ!? な、なんで奥さんって言った?」
「いや、“これは妻が作った弁当です”って顔してたから」
(……気づかれるのも時間の問題かもしれない)
そんなドキドキを胸に、
でもサプライズは着々と進んでいく。
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◆ 【誕生日の夜、甘い始まり】
10月28日。
夜――仕事から帰ると、部屋はうっすらと灯りだけ。
「ただいま……」
「――おかえり、誕生日の女神さま」
そう言って現れた悠真の手には、
小さなケーキと、リボンのかかった紙袋。
「えっ、まさか……?」
「サプライズ、成功……かな?」
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◆ 【濃厚なキス、バスルームの誘惑】
「……嬉しい、けど……お風呂、先に入ってくる」
「待って。一緒に入ろ?」
「えっ」
「誕生日だし。……俺の隣、空いてるし」
バスルーム。
湯気に包まれた空間で、
ふたりの肌が重なる。
「……真希の肌、冷えてる」
「……あなたが、あったかいからよ」
背中を預けると、
後ろから腕がすっとまわる。
「今日くらい、いっぱい甘えてほしい。
……だって、真希が生まれてくれた日なんだから」
その言葉に、
胸の奥がぎゅっとなった。
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◆ 【ベッドルームで、もう一度】
お風呂あがり。
タオルを巻いたままの真希が、そっとベッドに腰を下ろす。
「……今日は、私がリードしていい?」
「うん。ぜんぶ、任せる」
濃密なキス。
ゆっくりと触れ合う手。
抱きしめるたび、心と身体が溶けていく。
好き。
愛してる。
この人の妻になれて、ほんとうによかった――
そう思える夜だった。
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◆ 【そして、夜が明ける】
「……悠真、ありがとね」
「……こっちこそ、生まれてきてくれてありがとう」
優しく頬をなでながら、
もう一度、ゆっくりとキスを重ねた。
【第5話・完】
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