表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/83

第7話「大人の休日デート――誰の目もない世界で、あなたと手を繋ぐ」


◆ 【土曜の朝、ふたりの“日常”が始まる】


「ねぇ悠真、今日は久しぶりにデート、行かない?」


朝食のコーヒーを口にしながら、真希がそう言った。


悠真は、一瞬きょとんとして、

それから、ゆっくりと笑顔を浮かべる。


「……真希のほうから誘ってくれるなんて、珍しい」


「たまには、“年上彼女”としてリードしようかと思って」


「じゃあ、俺は“年下彼氏”として甘え倒すわ」


笑い合うふたり。

どこにでもある恋人同士の会話――

……のはずなのに、

ふたりにとっては、それが「奇跡」だった。


社会の壁を越え、

年齢の差を越えて、

ようやく手に入れた“普通の一日”。


今日は、特別な記念日でもない。

でも、「ふたりが、恋人として街を歩ける日」だった。


◆ 【代官山・静かな街並みを歩く】


人混みを避けて、少し落ち着いた代官山へ。

休日のブランチは、カフェのテラス席で。


真希はナチュラルなワンピースに薄いカーディガン、

悠真はシャツとチノパンに、眼鏡をかけて“知的風”演出。


どこから見ても――

「ちょっと歳の離れたカップル」。


いつも職場では“先輩と後輩”、

家では“恋人だけど秘密”。


でも今日だけは、

誰の目も気にせず、

手を繋いで歩いていい。


◆ 【すれ違う視線、微妙な空気】


だが、道ですれ違うカップルが

ちらりとふたりを見て、何かを囁き合う。


「……歳の差、すごくない?」

「親子かと思った……」


真希の足が止まる。

手を引いていた指先が、すっと緩んだ。


「……ごめん。やっぱり、私たち、

こうして歩くの……目立つよね」


悠真は、立ち止まった彼女の手を

ぎゅっと握り直した。


「俺は、真希と歩きたいよ。

たとえ、誰にどう見られたって」


「……でも……」


「真希が気にするなら、俺が堂々とする。

だから、ちゃんと手、繋いでて」


彼の声は静かで、でも力強かった。


真希は、

その手を握り返した。


「……ありがとう。

じゃあ、甘えさせてもらうわ。彼氏くん」


◆ 【夕暮れ、誰もいない展望台】


日が傾き始めた頃、

ふたりは静かな展望スペースに立ち寄った。


眼下に広がる街、遠くに沈む太陽。


「……こうして景色見るとさ、

真希って“俺の人生の景色”の一部なんだなって思う」


「……急に、詩人みたいなこと言うじゃない」


「だって、本当なんだよ」


悠真は横顔を向けて、

真希の頬にそっと手を添える。


そして、

ゆっくりと唇を重ねた。


人目のない、静かな時間。

風の音、遠くの車の音、

世界がふたりのために静かになった気がした。


◆ 【帰り道と、甘い囁き】


駅に向かう途中、

真希がふと呟いた。


「……もし、あと10歳若かったら。

もっと堂々と、恋人って言えたかな」


悠真は笑って首を振る。


「俺は、今の真希がいい。

10歳若くなくていい。

“今のあなた”に恋してるから」


その言葉に、

真希は心の奥がじんわりと熱くなるのを感じた。


◆ 【夜、ふたりきりの家で】


玄関を閉める音とともに、

“現実の顔”はもう必要ない。


ソファに並んで座るふたり。

言葉はもういらなかった。


悠真がそっとキスをして、

真希も、何も言わずに応える。


手が触れ、指が絡まり、

唇が何度も重なる。


「……今日は、ありがとう。

“普通の恋人”になれて、嬉しかった」


「普通じゃないから、好きなんだけどな」


ふたりは笑い、

そして、もう一度、

深く、長く、甘いキスを交わした。


夜が更けても、

愛は終わらなかった。


【つづく】


最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ