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【番外編①】春日井真希の日常「これは恋人? それとも母親? ――40歳独身OL、今日も秘密の家庭で生きる」



朝――。

いつも通り、私は6時に目を覚ました。

横には――当然、いない。

彼はまだ高校生、部屋は別、生活リズムも違う。

私は「母親」として、彼の朝食を作り、「彼女」として、一緒に食べる朝のひと時を待つ。


**


◆ 朝の準備


台所でお味噌汁の味見をしながら、私はふと思う。


(40歳で高校生の息子持ち――いや、彼氏って、やっぱり人生狂ってるわよね……)


でも、この朝食の時間が、

たった15分でも“ふたりだけの穏やかな朝”になることも、私は知っている。


「……悠真、起きてる?」


「うーん、あと5分……」


「はい、5分後にまた来るからね。“母親”だから、学校は遅刻させないわよ」


“母親”――

この役割を、いつまで演じるんだろう。

それとも、演じることが、私の幸せなのか。


**


◆ 仕事の日常


会社に着くと、私はただの「春日井真希」。

総務部の課長代理、頼りにされる独身キャリアウーマン。


「春日井さん、今日の会議、議事録お願いしていいですか?」

「はい、やります」


淡々と、日常をこなす。

でも、昼休みにスマホを見ると――


《今日も帰ったらギュッてしていい?》

《疲れてるから、おんぶしてもらお》


そんな子供みたいなLINEが来て、

私は、ふっと笑ってしまう。


……この子にだけ、私は「素直」でいられるんだな。


**


◆ 帰宅後のふたり


夜。

仕事から帰ると、彼が先に帰ってゲームをしている。


「ただいま。夕飯、カレーでいい?」


「やった、真希のカレー最強」


「お母さんのカレー、でしょ?」


「いや、彼女のカレーだろ」


こんな会話。

世間が聞いたらドン引きするだろう。

でも、ふたりだけの世界では、これが普通。


**


◆ ふと、不安になる夜


ベッドの中。

ひとりになった時、私は考える。


(このままじゃ、いけないんじゃないか)

(彼の人生を狭めてしまうんじゃないか)

(私だけが、幸せになろうとしてないか)


けれど、明日また彼に会えば、

そんな不安は吹き飛んでしまう。


「真希、おやすみ。……好きだよ」


この言葉に、

何度でも救われる私は、

きっと、まだ弱い大人なんだ。


**


◆ それでも


私は、彼の「母親」でも

彼の「保護者」でもない。


ただ、彼の「恋人」でありたい。


それだけが、私の本音――




最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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