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No.61【ショートショート】デイ・ドリーム・ビリーバー

作者: 鉄生 裕
掲載日:2023/07/30

目に留めていただきありがとうございます。

最後までお付き合いいただけたら幸いです。

最初の2日間は特に異常は無かった。

3日目あたりから上の空になることが増え、ストレスのピークは5日目だったと思う。

6日目には目を覚ましているのにまるで夢を見ているような、いわゆる白昼夢を何度も体験した。

さらにそこから4日が経ったから、最後に睡眠を取ったのはちょうど10日前ということになる。


「おい、飯はまだか?」

夫は私が10日間も眠れていないことを知らない。

「すいません、今から作ります」

「なんだ、準備すらしてなかったのか。しっかりしてくれよ、こっちは仕事で疲れてるんだから」

夫とは大学生の時に知り合い、4年間の交際を経て半年前に結婚した。

結婚する前はとても優しい人だったのに、結婚して一緒に住み始めた途端に彼はまるで人が変わったかのように横柄で乱暴な人になった。

友人と食事に行きたいと言うと、俺が必死に働いて得た金をそんなつまらないことに使う気かと言われ殴られた。

両親と長電話をしていたら、電話を切った瞬間に殴られた。

風邪をひいて寝込んでいると、夕飯の準備が出来ていないことに激昂して殴られた。

そんな日々が半年も続き、最近は眠る事すら怖くなった。

「すいません、今すぐ準備します」

そう言ってフライパンを火にかけると、急に立ち上がった夫が大きな足音を立てながらこちらに近付いてきて私をおもいっきり殴った。

夫が言うには、私が一瞬だけ反抗的な目をしたのが気に食わなかったそうだ。

そんなつもりは無かったのだが、彼が言うのだからそうなのだろう。

私は何度も謝りながら、ふと思った。


私は夢を見ているのではないだろうか。


あんなに優しかった彼が、果たして私のことを何度も殴ったりするだろうか。

きっと悪い夢を見ているんだ。

そうだ、私は夢を見ているんだ。

そう思い目を開けると、そこに夫の姿は無かった。


やっぱり、全部夢だった。

目を覚ませば、あの頃の優しかった彼が待っているはずだ。

私は寝室へ行き、ベッドに横になって目を閉じた。




「・・・やっぱり、夢だったのね」

ベッドの上で目を覚ました私はリビングへと向かった。

そしてリビングの床に転がっている腐りかけの大きな肉の塊を片付けるために、ゴミ袋に入る大きさまで肉の塊を細かく切り分けることにした。

「早く綺麗にしないと、あの人が帰ってきちゃう」



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