ダンベルマン
ダンベルマン。
そう呼ばれている人が、いるらしい。
ネットで調べてみた。
確かにいた。
出てきた写真では、すべてダンベルを持っていた。
道路で、両手にダンベルを持って、歯を出して笑っていた。
『ダンベル散歩の第一人者』
そう書いてあった。
出没エリアは、近くの河川敷だ。
行くしかない。
行った。
もう。すぐに見つけた。
「ダンベルマンさん、ですか?」
「はい。そうです」
「ずっと、ダンベルしながら、散歩しているんですか?」
「はい。ダンベルをしながら、散歩してますね。散歩というのは、本来は無駄を生んでる訳ですよ。歩くだけでは、足しか鍛えられない。それも、程度は小さいものですから。だから、空いている手で、アクションを起こしてみたんです・・・・・・」
―20分経過
「・・・・・・だけどですね。ダンベル散歩というのは、鍛えるだけに、とどまりませんよ。快楽物質が出て、健康になれるんですよ。まあ、個人的な意見ですけど。ああ、ダンベルについて、知りたいですよね。ダンベルの最適な重さ、カタチについて、語りましょうか・・・・・・」
話し掛けなければよかった。