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クリスマスデート 初芽の場合 ①



クリスマス当日。湊は初芽の指定した場所へと向かっていた



幸い雪も降らずに雲一つない晴天。真冬だが、まだ暖かい部類だ



そして樹里は今日もいない。特別な日だし、()()()に行くことは分かってたけど



「湊さーん!こっちです!」



湊に手を振る初芽。いつもオシャレに気を遣う妹だが、今日は一段と気合が入っているのが分かる。その理由は……



「待たせてごめん」


「いえいえ。10分前に来てるじゃないですか。遅刻じゃないんで謝らないでくださいよ。それよりも……どう思いますか?」



クルッと一回転する初芽。おそらくヘアスタイルと服装について意見を聞きたいのだろう



いつもはくくりもしない髪を後ろで束ねてポニーテールに。手袋にマフラー。上も暖かそうな服だが、真冬なのに生脚でミニスカートを履いている



「似合ってるし、いつもと違って新鮮味があるよ」


「そ、そうですか?あ、ありがとうございます……」


「ただ寒くない?脚冷えないか?」


「大丈夫です!オシャレに我慢は付き物と言いますが、今日は比較的暖かいお陰で、そもそもそんなに我慢するほど寒くないので!」


「……ならいいんだけどさ」



比較的暖かいとはいえ、それでも生脚は寒いはず。あれは相当我慢しているはずだ



「時間も惜しいので早速入りましょう!」



湊達はそのまま目の前の動物園へと入っていった



「あれ?クリスマスだからもっと人だかりが出来てると思いました」



人だかりで進むのもやっと……ってぐらいを想像していた私でさえ、この量の人しか来ていないことには驚いた



「寒いから外出たくない人とか、冬場はあんまり動物が動いたりしなさそうってイメージのせいで、あんまり人が来ないんだって」


「へー!そうなんですね!」


「でも結構活発に動く動物はいて、アシカとかアザラシ。イタチにたぬきにオオカミ……あと熊とかも動いてるよ」


「熊って冬眠するんじゃ……」


「寒いから冬眠してるわけじゃなくて、食べ物がなくなるから冬眠するらしい。動物園みたいに餌が出てくる場所ならわざわざ冬眠しないんだってさ」


「そうなんだ……熊は無条件で冬眠するものだとばかり思ってました」



どこでそんな知識を得たか聞きたいぐらいの博識。湊の知識量は伊達じゃない



「とりあえずどこから見る?」


「そうですねー……左からぐるーっと回りましょうか」


「オッケー」



最初に2人を出迎えてくれたのはニホンザル。何故だか何十匹と同じ場所に固まって過ごしている



「皆んなで集まってて可愛いー‼︎でもなんで集まってるんだろう?」


「お互いの身体を温めて、寒さを凌いでるんだとさ。団子みたいな様子だから「猿団子」って呼ばれてるらしい」


「ほぇー……本当になんでも知ってますね」


「まあ今調べたからな」



携帯の画面を見せる湊



「ああなるほど……ってさっきの知識ももしかして調べてました?」


「うん。せっかく来るならちょっとは知識付けておいた方が初芽ちゃんも楽しんでくれると思ってな」



わざわざ前日に知識を頭に入れてきたようだ



「……なら今日は色々教えてもらっちゃおうかな」


「付け焼き刃だから多くは教えられないぞ?」


「わからなかったら2人で調べればいいんで。文明の利器がポケットに入ってますし」


「出た。すぐにスマホに頼る現代人の悪い癖」


「湊さんもさっき頼ってましたよね?」


「確かに……」


「ぷっ……はははっ!」



楽しそうに笑う初芽。いつもなら邪魔するところだけど、こんな特別な日にまで水を差すほど、私は妹に厳しくない



今日は初芽に限らず、誰にもちょっかいをかけずに見守るつもりだ



「あっ!さっき話題に出てた熊ですよ!」


「デカっ……しかも起きてるな」


「湊さんの言ってたとおりですね!他に何か熊の豆知識的なものはないんですか?」


「そうだな……熊は知能が高い。あと記憶力もある。あとは意外と泳ぎと木登りが得意ってことぐらいか」


「あの図体で泳ぎが得意なの⁉︎しかも木登りって……木が折れそう」


「成獣は200㎏あるらしいし、細かったらバッキバキに折れるだろうな」



熊が木登りをする姿……確かに想像出来ない



「あっ!ウサギですよ!毛が真っ白で可愛いぃ……」


「突然ですが問題です」


「本当に突然ですね⁉︎」


「あのウサギは今は真っ白ですが、温かい時期は何色の毛になるでしょう?」


「時期によって色が変わるんですか⁉︎」


「おう。しかもガッツリ変わるぞ」


「……緑とか?」


「そんなウサギ見たことあるか?正解は茶色だ」


「本当にガッツリ変わりますね……」



その後も動物の豆知識を覚えながら先に進む2人。そしてこの動物園の名物であるペンギンを見に……行くまでに一度屋内施設のカフェで休憩を取ることにした



「これ美味しそう……」


「名物の動物パンケーキか。確かに美味しそうだな」


「ダメですよ!由布子さんと食事する前に食べちゃ!」



時間は10時40分頃。あと1時間と少しすれば、由布子さんと交代になる。そして由布子さんの最初の予定はお昼ご飯。その前にお腹を膨らませるわけにはいかない



「初芽ちゃんが食べたいんだろ?」


「でも湊さんが何も食べてないのに1人で食べるのはちょっと……」



1人美味しいものを目の前で食べることに罪悪感を抱くのだろう



「別に大丈夫だよ。俺はコーヒー飲むし」


「でも……」


「ならちょっと分けてくれ。個人的に興味があるし。ちょっとならお昼も余裕だろうしな」


「……そういうことなら」



初芽は特製の動物パンケーキと紅茶を。湊はブラックコーヒーを頼んだ

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