表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/92

ドキッとしてるんだけどさ



「……あっれ……私いつの間に寝て……」



1人目が起きた。朝日が部屋に差し込む。時間は朝の7時。チェックアウトまではまだまだ余裕がある



起きたのは湊から1番近い位置で寝る権利を得た千夏さんだ



だが残念なことに、昨日は全員酔い潰れたせいでおそらく記憶がない



湊はなんとか自分の布団で就寝。由布子さんは元々初芽が寝るはずだった場所で就寝。蘭さんもその隣で何故か由布子さんに抱きつく形で就寝。初芽に至っては机でチューハイを片手に眠っていた



そして千夏さんはというと……



「そろそろ全員起こさ……ナイト?」



確かに同じ布団で、ナイト(湊)が寝ている



「な……ななななんで湊さんがここに⁉︎」



慌てふためく千夏さん。同じ布団で寝ていて、なおかつお互いちょっと服がはだけている。酔っている内に事を起こした可能性があるのだから



「お、落ち着け私……思い出せ……記憶を呼び戻せ!」



地面に頭を叩きつける千夏さん。その行為は逆に物事を忘れてしまうのでは……?



「……全然思い出せない」



頭を抱える千夏さん。記憶を飛ばす程の量を飲んだのかと思われるかもしれないが、実際に飲んだのは3%を1缶と半分しか飲んでいない



それで記憶が飛ぶくらい酔うのだから、相当アルコールに弱いことがわかる



だが……これでも千夏さんは2番目に強い方。それより弱い人達が2人居た



まずは由布子さん。4%の缶一本で撃沈。記憶が飛んでいるかはまだわからないが、「頭……痛いです」って言いながら布団に入っていた



そしてそれより弱いのが蘭さん。0.5%のお酒を一口飲んだ瞬間に卒倒。これには4人ともちょっと引いていた



対して初芽は7%のお酒を5缶。飲み残した蘭さんの0.5%の1缶。千夏さんの残した3%の残り。大体6.5缶分飲んでいた。こちらも記憶が飛んでいるかは定かではないが、机で寝ているからおそらく酔ってはいたはずだ



湊も普段飲まないが、それでも5%を3缶飲み干した。酔った様子はなく、全員が寝てから眠りについた。ちなみに初芽に毛布をかけていた



いざとなったら私の能力の1つ。対象を酔わせるで誰か酔わせようと思ったが、湊以外全員しっかり酔い潰れたので使う機会はなかった



「思い出せって私!」



また地面に頭を叩きつける千夏さん。そして近くから殴打音が聞こえてきたせいか、湊が目を覚ました



「……何してんだ?」


「……これすると目がぱっちりするんです」


「そりゃパッチリするだろうな。まあもっと良い方法があると思うが。てか血出てるぞ!大丈夫か⁉︎」


「あ、大丈夫です。拭けば止まるんで」



千夏さんは近くにあったティッシュで一拭きすると、止血+痣さえも消えた



「そ、そうか……ギャグ漫画のキャラみたいな治癒力だな……それより……」


「言わないでください!」



千夏さんは湊の口元にバッテン印で指を近づけた



「私も混乱しているんです。なぜこんな状況になっているのか……そして()()()()()()のか……何も思い出せません‼︎」



残念ながら事は起こしてない。一晩中見ていた私が断言する。そしてなぜ千夏さんが湊の布団に潜り込んでいるのか……これは私のせいだ



私の能力。身体の乗っ取りを使ってベッドに入り込んだからだ



私の能力は、寝ている人間を寝ている状態で運ぶことが可能だ



身体を乗っ取って操作する……という言葉が正しいのかは分からないが、とりあえず寝ていようが身体は動かせる。ただし起立した状態で身体から出ると、骨格のない人形のように力なく倒れるし、座って背筋を伸ばした状態で抜けると、頭が前転する勢いでガクンッと落ちる



それを利用して潜り込んだというわけだ。ちなみに最初は抱きつかせていたのだが、千夏さんの寝相のせいで結局離れてしまった



「と、とりあえず落ち着こう。な?」


「……湊さんは逆に落ち着きすぎです!はだけた私の姿を見ても……ドキッとしませんか?」



胸のサイズはともかくとして、身体はスレンダー。お尻も良い肉付きをしている。顔は言わずもがな良き。巨乳以外の人を女として見ていないような人間でなければ、誰もがドキッとする場面だろう



「あーいやその……ドキッとしてるんだけどさ」


「ドキッとしてるんですか⁉︎意識してくれてるんですか⁉︎湊さんもやっぱり乙女の柔肌に興味がお有りなんですね⁉︎」


「肌……ってかさ……あの……見えてる」


「何がですか?肩ぐらいなら全然ーー」


「……先が」


「先?先って何のさーー」



千夏さんは自身の目線を下に向けた。そして先の意味を理解した



浴衣の隙間から見えてしまっていた



「見たのは謝る……すまん……」



千夏さんはゆらり立ち上がり、机の方へと向かった。そしてそのまま開けていなかった10%のお酒を一気に飲み干し、そのままの勢いで寝てしまった



「……酔い止め買ってくるか」



千夏さんは勝負で得たアドバンテージを生かすことは……一応?出来たのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ