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大胆



初芽が仕掛けたことにより、行動を起こした時の免罪符を手に入れた3人。談笑しながら食事を楽しんでいるものの、やはり4人の間に火花は飛び散ったままのように見える



そしてまたも1人、仕掛けようとしている人物がいた



「湊さん!私キノコ食べられないのであげます!」



千夏さんが鍋用に入れるキノコを湊にあげようとしていた



だがこのキノコ……千夏さんの唇に一度触れたキノコなのである



湊の好感度を左右させることは出来ないが、湊と間接キスをしたという事実は残る



「嬉しいけど、キノコ食べれなかったか?」


「ギクッ……た、食べられません!あの食感が苦手で!」


「なら私が食べてあげるよ」



ここで向かいに座る初芽が手を挙げた



「湊さんの位置遠いから渡しにくいでしょ?湊さんも私が貰ってもいいですよね?」


「うん。大丈夫だ」


「で、でも……」


「なんですか?どのみち自分が食べなくて済むんですから、そんな抵抗するようなことありませんよね?それとも……そのキノコに何か()()でもあるんです?」



ニヤリと笑みを浮かべる初芽。初芽はこのキノコにキスをしていた姿を目撃していた



「な、ないです……」



千夏さんは渋々、初芽にキノコを渡した



遠くに位置取る2人が仕掛け、近くに位置取る2人にまだ動きはない



もう湊の器に残る食材が少なくなってきている。チャンスは残りわずかだ



「……あ」



蘭さんは箸を落としてしまった



「そ、そっちに転がってしまったので、取ってくれます?」



ツンツンしてしまわなかった代わりに、頑張って作った笑顔が引き攣っていた。やはりまだ距離を詰めるのは難しいみたいだ



「……見当たらないけど」


「足元辺りにありませんか?」



湊は机の下を覗いて蘭さんの箸を探している



……だが、実は箸は蘭さんが持っている。転がったというのはウソだ



そして下を覗いている湊の隙をついて、自分の箸と湊の箸を素早く交換した



「「「なっ⁉︎」」」



あまりに素早い動きで、初芽達は蘭の妨害が出来なかった



「ないな」


「じ、じゃあ……私の方辺りとかに」



湊は蘭さんの方を向いた。そしてその視界には……蘭さんの膝上ぐらいの長さのスカートから下着が見えていた



「な、ないな!」



湊は素早く目線を逸らし、通常の体制に戻った



もちろん下着を見せたのは故意。この一つの行動で湊の箸を手に入れる。そして下着を偶然を装って見せつけることに成功した



代償として、顔を真っ赤に染めることになるわけだが



「あっ!こ、こんなところにあ、ありましたわ!お騒がせしましたわ」



そして偶然見つけたかのように、さっき交換した湊の箸を出し、あたかも自分の落とした箸のように湊に見せた



「よ、良かったね」


「え、ええ……」



そして湊もちょっと顔を赤くした状態でご飯を食べすすめた



湊がご飯を口に運ぶ度に蘭さんはドキドキし、初芽は爪をガリガリと噛んでいた



そして蘭さんも……湊の箸で食材を口に運ーー



ガブっ‼︎



ーーぶ前に、初芽が横取りをする形で蘭の箸にかぶりついた



「あー‼︎」


「刺身うまっ!」



結果的に湊の箸に最初に口をつけたのは、初芽となった



「初芽ー‼︎あなたよくも……‼︎」


「そんなに刺身が食べたかったのー?じゃあ私の刺身2枚あげるから許して?」


「……これは戦争案件ですわ。帰ったらあなたのタンスの左下に眠ってるしゃしーー」


「わ!わー‼︎なんでタンスの中身知ってんのよ⁉︎」


「ふふふ……あれを意地でもあなたの目の前で燃やして差し上げますわ‼︎」


「や、やめよ?ほらっ。代わりにアレ以外にもっと()()()()()()()()()があるからさ……それで手を打ってくれない?」


「……中身を見てから判断しますわ」



話の内容から察するに、おそらく湊のことを隠し撮りした写真があるのだろう



結果的に蘭さんは半分勝利。そして初芽は大勝となった



♢ ♢ ♢



残り仕掛けていない人は由布子さんのみとなった。だが他3人は楽観ムードだった



大人しい性格の由布子さんがみんなの前で……ましてや湊に対して大胆な行動を起こすはずがない



そして私もその1人だ



……だからこそ



「み、湊さん……あ、あーん……」



由布子さんは自分の箸を使って、湊にあーんをしていることに、私でさえも驚きを隠せないでいた



「ゆ、由布子さん?こ、これは……」


「い、嫌……ですか?」


「嫌というわけではないんだけど……」



他の3人は由布子さんの行動に驚きすぎて、固まってしまっていた。あの表情があんぐりというのだろう



「……た、食べなきゃダメか?」


「た、食べて頂けないと困ります……」


「そ、そう……じゃあ……」



湊は照れながらも口に運んだ



「……美味しい」


「そ、そそそそそれは……よよよかったです‼︎」



お互いに顔を赤くし、そしてお互いに目を逸らした



♢ ♢ ♢



そしてその後は特に何もないまま終了。結果的に最後に由布子さんにごっそり持っていかれた感じになった



「湊さん。私達温泉に入ってきますね」


「おう」


「あ!覗かないでくださいね?」


「いや、俺もう入ったし……」



蘭さん、千夏さん、初芽の3人は温泉に入る為、着替えなどが入った袋を出した



「由布子さん?早く準備しないと置いてくよ?」


「あ……わ、私は後で入りますから。先に3人でどうぞ……」



蘭さんと千夏さんは由布子さんの両腕をガシッと掴んだ



「由布子ー?湊さんと2人きりになろうったってそうはいきませんわよ?」


「ち、違っ!そんなつもりじゃなくて……」


「そうそう……さっきの行動の件に関しても色々聞かせてもらわないといけないし!」


「あ、あれは私だけじゃなーー」


「2人とも温泉まで引っ張ってって。私が由布子さんのカバンから着替え用品持ってくから」


「「了解ー」」


「ほ、本当に違くて!は、裸見られたくないんです!」


「はいはい。そういうことにしておくわ。ワガママボディさん」


「そ、その呼び方はやめてくださいー‼︎」



由布子さんは悲鳴をあげながら、無理矢理温泉へと連行された

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