入学試験 -1
馬車に揺られて、十日。何も問題はなく、王都へと辿り着いた。あの街から王都へは、直通の馬車はない。あるのは、街と街を繋ぐ長距離の乗合馬車で、それを乗り継いで王都へと行くのだ。背中とお尻と太ももがとても痛い。出来れば二度とこんな長期間乗っていたくない。あたし、徒歩の旅の方があってるかもしれない。
王城は小高い丘の上にあり、王都へと辿り着く前から、その荘厳な姿を拝することが出来る。そして、王城が見えるあたりで、東西南北すべての方角に向かっている街道が交わるのだ。
王都は王城を中心に、北に教会、東に士官学校、南に魔法学院を配しているという。あたしはまだ王都に入ってないから、あくまでも学校でタノ先生から聞いた知識だけだけど。
丘の上に王城、丘の中腹に城に勤める貴族や騎士、内府に勤める官僚の館、裾野に王城を護るように大きな建物が三つ。城門の外からは教会の尖塔の先っぽと、魔法学園の塔が見えるだけだ。王城の向こう側にある士官学校は見えない。
着いたー! って気分になったころ、馬車はスピードを緩めた。街道が交わるということは、王都へ向かう人々も合流するということで、この辺りはいつも混雑していると御者さんが教えてくれた。これまでの道中の道幅も、決して狭くはない。人や荷物を載せた馬車が余裕ですれ違うことはできるし、その両端を人が歩いていても道から降りる必要はないくらいの幅はある。なのに、四つの街道が一つに交わるこの辺りは、それよりも更に広くなっていた。
城門前には長蛇の列があり、王都に入るには関所を抜けねばならない。乗合馬車の停留所は王都の関所の前にあり、あたしたちはそこで馬車を下り、個別に王都の関所を抜ける。分かる。大人数の乗合馬車がひと塊で関所に並んだら、手続き面倒だもの。
だからあたしたちは馬車を下りて、関所の列に並んだ。あ、馬車の運賃は前払いだから、今日の朝の時点で済んでいる。
「お嬢ちゃん、お勉強頑張ってね」
「立派な魔法使いになるんだぞ!」
「ありがとう。頑張る!」
街から一緒だった人達はもういなく、毎日のように「王都の魔法学院に行くの?」「あたしの師匠は灯火の魔導師なんです」という会話を繰り返し。みんな、馬車を下りる時にはあたしにエールをくれた。魔法使いは少ない。ともしびの魔法使いはさらに少ない。需要はとても多いのだけれどね。
関所を抜けた王都の西側は、城下町になっている。もちろんそれ以外の三方もそうと言えばそうなんだけれど、士官学校のある辺りには武器屋とか、防具屋とか、馬屋とか。ゾランさんが言うには、そういう、騎士が取り扱うもののお店が多いらしい。ゾランさんは戦士だから、王都に来るたびに顔を出すのだという。ただしお値段も騎士向けなので、顔を出すだけになってしまうそうだ。
教会の周辺も独特で、神学校こそ王都にはないものの、官僚になりたい子供たちの通う国立の学校とか、礼拝で使うものとか、なんかそういったものを取り扱うお店が多いそうだ。ちなみに、ゾランさんもハルトムートさんもその辺りには詳しくないそうで、説明が凄いあやふやだった。そうそう、王都の子供たち向けの学校は教会のある地区じゃなくて、西側の城下町にいくつか点在しているらしい。
魔法学院のある辺りは住宅街。魔法学校に勤める先生とかが住んでいるのだそうだ。魔法のアイテムを売る店はほとんどないという。魔法学院内で購入したほうが安いし質が良いからだそうだ。ちなみに、魔法使いが売る魔法のアイテムというものは、なおのこと取り扱いがないそうだ。あたしの師匠が売ってるランプなんて、この街では相当高価になるらしい。
「あれはほら、直産品だから」
ハルトムートさん、それはちょっと違うと思う。
けれどそう言われると、なんか少し納得はできる。あたしの服装もあるけれど、あたしが手に持ってる、あたしなりに必死に探した可愛いランプをちらちらと見る人が多いのだ。この中には、五年前のニベル村の大火事の残り火が入っている。とはいっても純粋なその時の炎ではなく、今はあたしの魔力と混ざり合ったものになっているけれど。
「魔法のランプは、ともしびの魔法使いの媒体として有名だからね」
「多分王都の人達は、そろそろ入学試験の季節か、って思ってるんじゃない?」
魔法学院の入学試験は、十二才の子供全てに門戸が開かれている。すなわち、魔力がなくとも、魔法が使えなくとも受けることが出来るのだ。ちなみに無料。そのため、近所の子供たちは、十二才になるともれなく見学に来るそうだ。魔法を見ることが出来るのは、これが最初で最後、という人も多いとか。
魔法を目にして、魔法に対する忌避感を減らそうというのが、最初の頃に試験日を解放したはじまりだったという。そもそも、受験生のあたしたちだって凄い魔法が使えるわけじゃない。凄い魔法は、これから習うのだから。
魔導師に弟子入りすることが出来る子供は限られている。あたしだって運よく誕生日の三日後にあの街で師匠に弟子入りできただけだ。後から知ったのだけれど、師匠は常に一人の弟子しかとっていなかったらしい。あの年はたまたまワイアットがもうすぐ魔法学院に入学するからと、すぐに引き取ってくれただけで。あたしの魔力が棚のランプに反応しなかったら、そもそも弟子入りは出来なかったんだけれど。
ちなみに、師匠が弟子を取る気がなくて、けれどランプの炎が反応した場合は、他の街にいる灯火の魔導師の元に弟子入りさせたらしい。そういう紹介制度もあるんだって。人数が少ないからこそ、ある制度だと思う。
ゾランさんとハルトムートさんと一緒に、王立魔法学院のある南の地区へと赴く。王都に入るには西側の関所を通らなければいけないが、王都から出る城門は他に七つある。正確には、西の関所を通るのは推奨されておらず、他の七つの門を通るようにと王都に入る時にそういえば、二人は言われていた。あたしは合格すればこれから三年間、よほどのことがない限り王都を出ることはないので、関所の衛兵さんたちからは合格祈願のエールを送られるだけだった。
南の地区にはこぢんまりとした平屋の家が多い。二階建ての個人宅はあまりなく、複数階の建物はいくつも扉の並んだアパートメント形式だ。そういう家のほとんどは、魔法学院の教員寮だったり、士官学校の職員寮だったりすると、歩きながらハルトムートさんが教えてくれた。
南の地区の、王城のある丘のふもとに近い一角に、その荘厳な建物はあった。ハルトムートさんが言うには、魔法学院は以前離宮だったという。皇太后さまが住んでいたんですって。それを偲ばせる黒い鉄製の門は優雅な曲線を描いていて、その向こう側に庭園があるのが見える。丁寧に丁寧に手を入れられているだろうその庭園は、秋だというのに色とりどりの花を咲かせていた。もしかしたら、何か魔法が使われているのかもしれない。
門の両側には衛兵さん達の詰所があって、近づいたら誰何された。
「おはようございます。入学試験に参加される方ですか」
「はい、そうです」
あたしの代わりに、ゾランさんが答えてくれた。堂々としていて、臆するところがない。この程度の誰何に臆していては、冒険者なんて勤まらないのだろう。最も、嘘をついていないからかもしれないけれど。だってあたし、受験者だし。
「受験票を拝見させていただいても」
「こちらになります」
十二才になる子供には、誰にでも受験の門戸は開かれているといっても、あたしたち魔導師の弟子は別だ。受験票という名の、あたしの使える魔法について書かれた手紙がある。多分、合格した暁にはあの手紙はあたしに魔法を教えてくれる先生に渡されるのだろう。だって、あたしがどの属性に愛されているのかわからなければ、教える難易度変わってくるって師匠言っていたし。
「……確認いたしました。入っていただいて、左の本館に大広間がございます。そこが試験会場となりますので、そちらで試験開始をお待ちください」
「ありがとうございます。行こうか、エリーナ」
「はい!」
手紙を開いて、中に入っているカードを確認して、衛兵さんは門を開けてくれた。門の中に入ると、右側に二つの三階建ての建物。一階は渡り廊下でつながっているが、二階と三階は繋がっていない。
「あの二つの建物は、学生寮だよ。男子寮と女子寮に分かれていて、一階にはどちらも怖い寮母さんがいる。寮母さん伝手に呼び出してもらうことはできるけれど、男子が女子に、女子が男子に入るのは無理だ」
「やったことあるかのような発言だな」
「ぼくはやってないけど、やった奴はいる」
「……やっぱりいるのか」
ハルトムートさんは視線をどこかへとさまよわせた。駄目と言われると、やってみたくなる奴っていうのは、どこにでもいるよね、とか呟いている。何があったの。聞かないけど。
「あ、いや、忍び込もうとさえしなければ問題ないよ。エリーナがワイアットに用事があったら、男子寮の寮母さんに呼び出してもらえばいい。兄弟弟子同士だと、よくあることだから、寮母さんたちも気にしないんだ」
師匠の家で一緒に暮らすこともあるし、それよりも学院に入ってしばらくは、分からないことだらけで兄弟子姉弟子に聞きに行くものが多いのだという。寮母さんたちはそれを把握しているので、最初の内は誰の兄弟弟子かと聞かれるが、それを覚えられてしまえばあっさりと呼び出してもらえるとのことだ。
「正面玄関を入ると、すぐに学院長室だ。いつも無人なんだけれどね。今の学院長も多分大賢者さまだと思うけど。あの人は大体、お城にいるよ。
で、右側のあれが図書館塔。地上三階、地下一階。ちなみに一階は本館から寮への通路なんだよ。階段があるだけだ。だから実際は地上二階なんだよね。学生が入ることが出来るのは、その地上部分だけで、導師以上になると地下の禁書庫にも入れるらしい」
なぜらしい、なのかと言えば、地下書庫の入口が分からないからだそうだ。師匠が導師になった時に教えられたのかと言えば、そうでもなかったらしい。入口の場所について教えてもらう気はなかったけれど、教えてもらえたのかだけは聞いたところ、教えてもらえなかったといっていたそうだ。
ヒントはもらえたそうだけれど、師匠は灯火の魔導師で、魔導師になってしまえば長く学院に残ることはできない。だから結局見つける前に、学院を辞してしまったという。
「興味があったなら、ハルトムートさんも導師になればよかったんじゃないですか? 実力的にはなれたんですよね?」
「うん、まあ、その気になればね」
だからハルトムートさんは、そこまで興味があったわけではない。噂の真相が知りたかった、程度なんだろう。師匠が入口を教えてもらえたといえば、それで彼の好奇心は満たされたに違いない。
「まあ、それはそれとして、残りが本館。エリーナのこれから先三年間の学び舎だ」
一階にあるのは、これから試験が行われる大広間。年に何度かある試験も、ここで行われるそうだ。一階には他に、学院長室の隣に購買がある。ノートにインク、ペン先なんかの必需品の他、一年生にはさっぱり訳の分からない魔法に使うあれこれが売っているとのこと。分からないなりに楽しそうなので、結構みんな見に来ているらしい。
二階と三階に、それぞれ学ぶこと別に教室が作られる。教室での座学は二年次までで、三年になるとほとんどの学生は就職先での実習がメインとなるそうだ。宮廷魔法師になるものは宮廷で、騎士団に入るものはそちらに。それぞれの領都に戻りそちらに仕える者は、一度王都にある領主の館に顔を出し、必要とあれば領都へと赴くらしい。
「ともしび、さざなみ、そよかぜ、おおつちの魔法使いについては、ぼくは詳しくないんだよね」
ヴィムの奴はいつも学院にいたような気がするけれどってハルトムートさんは首をひねっていた。まあ、その辺りについては後でワイアットに聞くから大丈夫、と伝えたら、それもそうだと言ってくれた。
兄弟子のワイアットは、あたしより二つ上で、もうすぐ三年生になる。そのワイアットがどうするのかを見れば、それだけで分かるはずだ。
「それじゃあ俺達は、そろそろ帰るよ」
「エリーナ、頑張りすぎるなよ。楽しむんだ。魔法は、頑張らなきゃ、と思い過ぎるということを聞かない。リラックスして、楽しむんだ。試験の時は、特にね」
「ゾランさん、ハルトムートさん。ここまでありがとう。次に会うときは、立派な魔法使いになってるかな!」
「どうかな」
「そうかもしれないし、その前に会うかもしれない。次の弟子の入学試験でね」
「ええ。でもまた。いつかどこかで」
また。いつかどこかで。
あたしの両親たちみたいな旅芸人や、冒険者たちの別れの挨拶だ。
次に会うことを祈るけれど、堅い約束はしない。旅芸人は決まったルートを流れないし、冒険者たちはいつ死ぬかわからないからだ。けれど、また会いたいと思う人とは、広い空の下、また会えると信じて約束を交わす。
あたしはこの挨拶が好きだ。
そうそう、あたしのパパとママは、元々違う一座にいたんだって。けれど、この挨拶をして、そしてまた出会って、結ばれたんだとか。そういう事もあるのだ。だから、あたしはこの挨拶が好き。
二人と別れて、あたしは大広間に向かった。正面玄関から入る必要があるのかな。あったら衛兵さんが教えてくれるよな、なんて考えながら庭園を歩いていたら、大広間のドアが開け放たれているのが見えた。
庭園から、直に大広間に入れるようだ。
大広間には、すでに人が集まりつつあった。
庭園から見て、大広間の左側にはきっと記念受験というか見学というか、王都の子供たちだろうと思われる子供たちが、思い思いにお喋りをしているようだった。それなりに人数もいるようだ。
そしてその奥、庭園の真正面の、大広間の長辺の壁に、なんか色々と置いてある。大きな壺に、旗だろうか。床に置かれた箱に、蝋燭もそれなりに。きっと、壺は水を満たすためにあって、旗は風の魔法がちゃんと起きているか見るためのものだろう。蝋燭は火をつけるためなのはわかるが。あの箱は何だろう。
「土の魔法のために使うのかな」
初級魔法で使うもののうち、それだけがない。だからきっと、あの箱の中には土が入っていると思うのだけれど。あたしは土の魔法が使えないので、どんな魔法があるのかを知らない。
そしておそらくは試験のためにあるのだろうと思われる、様々なものを挟んで反対側。大広間の中では、さっきハルトムートさんから聞いた学校内の話では、えーと、購買に近い側に、あたしと同じような服装の女の子と、学院に行く直前のワイアットみたいな格好の男の子たちがいた。おそらくあっちは、魔導師の弟子たちだろう。
女の子は、ダブルボタンのハーフマントに、師匠の紋章の入ったタイ。灰色か薄い茶色のプリーツスカート。男の子は女の子と同じように、ダブルボタンのハーフマントに、長ズボン。ハーフマントの色は、灯火が赤系、漣が青系、微風が緑系、大土が茶色系。四属性の魔導師に属さない魔導師の弟子は、黒と決まっている。
「こんにちは。あたしはエリーナ。灯火の魔導師ヴィムの三番弟子よ」
魔法の媒体であるランタンを掲げて、ハーフマントを羽織った一団に近づいていく。
おそらくまだ全員は来ていないのだろう。ざっと数えたところ、十人ちょっとしかいない。ハルトムートさんの年は五十人くらいいたというから、きっとこれからもっと受験者は来るのだろう。だといいな。
「あら、可愛い制服ね。羨ましいわ。
わたしは漣の魔導師ヴィオッツィの九番弟子、スーリエよ。よろしくね」
スーリエの着ている制服も、あたしとデザインはほとんど変わらない。けれどハーフマントはくすんだ紺色で、スカートも濃い灰色だった。ハーフマントがもう少し鮮やかだったら、きっと可愛かったのに。
「そうね、スーリエの制服は、もっと大人の人だったら似合う色かもしれないけれど、あたしたちの年齢だと可愛くない、で終わっちゃうね」
「でしょう、でしょう!
四番弟子のエレナお姉さまはとても清楚でこの色のローブが似合ってるの! あたしも早く、この色が似合う大人になりたいけど」
でもスーリエの制服の色合いが似合う頃には、あたしたちは魔法使いになって、ハーフマントではなくローブを着るようになっているはずだ。スーリエの姉弟子のように。
三年間、可愛くない色合いの制服を着ることになるのは、ちょっとだけ可哀想だ。まあ、師匠に弟子入りする時に、二年後に着る制服の色合いなんて気にして弟子入りはしないから、どうしようもないんだけれど。
そう思ってふと見回すと、今のところ灯火の魔導師の弟子はあたしだけのようだった。あとは漣と、微風の魔導師の弟子があわせて五人ばかり。それ以外のハーフマントは黒だ。
師匠が言うには、魔法の使い方が違うんだそうだ。彼等は己の魔力を練り上げて魔法を使い、あたしたちは世界に魔法を刻み、発生した事象を鎮める。その魔法の在り方は、そりゃ違うよね。
「しかし灯火の魔導師の制服は目立つね。
やあ、僕はバフィト。魔法騎士を目指してるんだ」
黒いハーフマントの少年が、そう言って声をかけてきた。
確かに、あたしのハーフマントは目立つかもしれない。見回しても、赤いのはあたし一人で、一番多いのはバフィト達の黒だ。
「素敵でしょう。師匠の髪の色なの」
「うちは目の色よ。鮮やかな碧でとても綺麗なの」
「うちの師匠は黒髪黒目で、仕方ないから師匠の師匠の髪の色をそのまま使ってるって言ってたよ」
スーリエ以外の弟子たちも、会話に入ってきた。
これから三年間一緒にやっていくのだ、仲良くしたほうがいいに越したことはない。
髪の色も、目の色も。魔導師になるような人は一番強い魔力の色が濃く出ると師匠に聞いたことがある。つまり彼の師匠は、複数の属性が同じくらい強い、ということになる、はず。
「えーじゃあ、複数属性持ちなの?」
「いや、違うみたい。師匠の親御さんのどっちか外国の方で、その人の血を強くひいちゃったんだって」
同じことを考えた他の子が、そう問いかけた。返事はちょっと想定外だったけれど、あくまでも、強い属性の色が出る、というだけらしい。
見渡してみれば、ここにはあたしも含めて魔導師になれそうな髪の色の子はいない。大土の魔導師は、茶色系が多いからそれにはなれそうだけれど。あたしの髪は師匠みたいな深いボルドーではないし、まあ少しオレンジがかっているけれど金髪だ。赤毛よりは、オレンジ色の強い金髪。おひさまの光が当たるとキラキラするから、そう評される。
さざなみとそよかぜは瞳の色になることが多い。といっても、うちの国は青目と緑目と茶目は普通なんだけれど。赤い目は、あたしは子供のころ色んなところにったことがあるけれど見たことがない。
「よかった、間に合ったか」
そんな風に、師匠の話、師匠の髪の色の話、目の色の話で盛り上がっていると、一人の男の子がやってきた。それを最後に大広間の戸はすべて閉められ、黒いローブを着た先生たちが大広間へと入ってくる。
バフィトが、同じように黒いハーフマントとタイ、それから黒い長ズボンの少年を手招きする。銀糸で刺されたタイの紋章を見れば、彼等が同門だということが分かる。巻物に羽ペン。素敵な紋章だ。
後から入ってきた少年は、とても綺麗な青みがかった銀髪をしていた。あの日、ママの踊りを美しいと言ってくれた、彼と同じ銀の髪。
ヒロインに色々教えてくれるおともだちキャラと、
騎士系キャラを出してみました
うん、めっちゃキャラ増える気しかしない
2019/03/24 カリーナの名前がシグリッドの姉のカロリーナはおろかヒロインのエリーナ友マルカブリのためスーリエに変更しました
気が付くの遅過ぎじゃろ
20190810 誤字修正しました。そしてルビも振りました。