表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校2年生
60/138

54,インターハイ予選①

これからどんなお話を書こうかなと思って一通り紙に書いてみた。そしたらかなり沢山あって。最終的に200話行くかもしれない説。

5月下旬、ついにこの日がやってきた。


"インターハイ"だ。全国の運動部が燃え上がる一大行事である。



陽斗達は成宮高校にいた。

なんと、予選の開催地は我らの学校だったのだ。


最高の試合場所である。


成宮高校は第1シードの為、2回戦からのスタート。頂点に立った高校だけが全国へと駒を進めれる。


そういえば、前のウィンターカップ予選の時と比べて変わった事がある。


それは色んな高校や関係者から見られ噂されるのだ。成宮高校は全国で大いに活躍したのでその影響だろう。


この試合は3年生にとっては最後だ。負ける訳にはいかない。勝って皆で全国に行くんだ。


陽斗は試合が始まる前、トイレへと向かう。少し身構えながら警戒しつつもトイレを済ます。


今回は何も起きなかった事に安堵してトイレから出た瞬間、何か壁のようなものにぶつかる。


「ブフォッ」


顔を思いっきりぶつける。

顔を抑えながらよく見ると、それは壁ではなかった。人だった。


「うお! デカっ!」


思わず陽斗は驚く。高い方の陽斗よりも優にでかいのだ。こんなに人を見上げるのは初めてかもしれない。


去年は見た事ないのでおそらく1年生だろう。


「あ、ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」


巨人の男は慌てて謝る。

見た目に反して優しそうである。


本当にでかい。2メートルは超えてそうだ。


「え、ええと?」


「ああ、ごめん!」


思わず陽斗は男をジーと見てしまっていたようだ。


「あ、あの! 今宮さんですよね!?」


「あ、うん、そうだけど······」


巨人が迫ってきて思わず後ずさる。でかい人はそれだけで圧力がある。


「僕、ウィンターカップ見て凄く感動しました! ファンになりました!」


キラキラとした目で見られる。握手を求められる。


「あ、そうなの? ありがとう!」


何か芸能人の時のようだな~。この感じ懐かしい······。

陽斗は感慨にふけっていた。


「おーい、今宮ー! 試合そろそろだぞー!」


体育館の方から市原が呼ぶ。


「それじゃあ、またね!」


陽斗はそう言うと、走って体育館へと向かう。


ジャージを着ていたからどこかの高校だろう。闘うのが楽しみだ。陽斗は思わず顔を緩ませながら走る。



そしてついに第1試合が始まる。

なんと今回、白石がベンチ入りを果たす。試合には出ないものの、約4ヶ月ですごい伸びだ。


キャプテンを含めて3年生2人、2年は陽斗と市原の2人、そして1年生の乾が主な出場メンバー。

他に状況を見てチェンジする事もあるだろう。成宮高校は万全だった。


そうして成宮高校は最初の試合を圧勝で勝ち進む。

皆はウィンターカップの時より成長を感じる。


陽斗はインターハイまで主にスタミナをつけてきた。ウィンターカップでは体力がかなりものをいった。それを反省して、走り込みを多く取り入れた。


また、チーム内での攻撃もウィンターカップよりかなりレベルアップした。

皆で意見を言い合い、それぞれで考えてきた。時には言い合いや喧嘩にもなった。一人一人が強くなりたい一心だったのだ。


それで息も合うプレーが増えた。今はもう陽斗だけのワンマンチームではない。成宮高校はチームとして強くなった。


そうして次の3回戦も勝ち進む。


(だい)くん! シュートめっちゃ入ってたね!」


先輩のマネージャーである葵が自分の事のように嬉しそうにする。大くんとはキャプテンの川田大地の事だ。


その言葉の通り、今回のキャプテンは凄かった。元々得意だったスリーポイントシュートがさらにレベルアップしている。前の試合とは比べ物にならない。


「ま、まあ、こいつらの動きがいいから打ちやすいんだよ」


「そこで決めれるっていうのが凄いよ!」


周りの皆もうんうんと頷く。

シュート率はこのチームの中で1番だろう。この人ならシュートを決めてくれるという安心があった。それ程の存在なのだ。


「おおお、ありがとう!」


皆にそんな事を言われ感激している。今にも泣きそうである。


「先輩の鏡ー!」

「イケメン、かっくうぃ~」

「シュートマシンガン様ー!」


3年の先輩達も大袈裟に拍手をしながら称える。


「お前らそれ馬鹿にしてるだろ!」


そんな感じでいい雰囲気の成宮高校。



次はもう準決勝。


次の相手チームは堅実が取り柄。結構手強い。去年のインターハイ予選ではここに負けたらしい。


先輩達はリベンジに燃えていた。


両校は整列する。

その中で1人、頭が飛び抜けている人がいた。


それはトイレで会った巨人と同じ顔だった。


「デ、テケェ······」


皆は2メートルの人物を見上げて驚愕する。


どうやら1年らしい。1年でこのタッパは凄い。


名前は巨谷 伸夫(おおたに のびお)。名前からでかいのが分かる。

上野に聞いたところ、全国では見た事も聞いた事もないらしい。


県止まりだったのかな? 不思議に思いつつも試合がスタートする。


ジャンプボールは市原vs巨谷。

2人には10センチ以上の差がある。もちろん巨谷が圧倒的な差でボールを勝ち取る。


でかい。2メートルが飛んだらやばいな。


陽斗は思わず感心する。だがすぐに試合に引き戻される。相手チームが攻めてきたからだ。


相手がスリーポイントシュートを打つ。


しかしそれはリングにあたって外れる。


リバウンドをしようと多くの手がボールに伸びる。だが、1つの手がいち早くたどり着いた。巨谷だ。

そのままゴールへと持っていく。


高い······!


成宮高校はいきなり圧倒的な高さを見せつけられた。



読んで下さり、ありがとうございます( ˙ꈊ˙ )

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ