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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校2年生
53/138

47,心配

本当は1話にしようとしたところを長すぎたので分けました!

なので短めです!

「高柳が学校に来てない!?」


「LIME送っても電話しても反応がないんだよ」


運動場で体育祭の練習中に西島が慌てた様子で陽斗たちに話す。


たかが1日休んだだけだろうと思うが、高柳に関しては違う。病気なんて無縁な男だし、学校をサボるような人ではない。小学校から無遅刻無欠席なんだそう。


それに高柳がLIMEや電話を返さないなんてもってのほか。LIMEは10分以内には返ってくる。電話も絶対出る。


しかも、昨日あんな事があったばかり。


「俺達が昼休みあんな事を言ったからかなあ」


「それはない。あいつはそれでは休まない」


市原が陽斗の考えを即座に切り捨てる。


市原は高柳とは中学からの仲間。高柳の家の事情は1番把握している。高柳が学校に来ていない理由が他にあるのだと考えているようだ。


「家で何かあったのか」


「それはありえる。とりあえず皆で連絡してみよう!」


というわけで、昼休みや放課後にスタ爆したり電話をかけまくった。しかし全く音沙汰無し。


皆がそれぞれスマホを持ってうずうずしていた。そんな中、市原が勢いよく机から立ち上がる。


「高柳の家に行って来る!」


荷物を乱暴に取り、走って教室の出口へと向かう。


「部活は!?」


「休む!」


市原はそれだけを言い残していなくなってしまった。


「ど、どうしよう!」


「とりあえず今は市原に任せよう」

「俺らは部活が終わった後に市原と合流しよう」


白石と西島は部活に行くべきだと判断した。4人とも主力となる存在だ。休めば部活に迷惑をかけてしまう。ただでさえ部活随一のパワーを誇る市原がいないのだから。


というわけで3人はいつも通り部活をする。


「3人ともミスが多いな。今日はどうしたんだ?」


休憩中、キャプテンの川田か声を掛けてきた。


3人がいつもよりも集中出来ていない。動きにキレがなかった。

他の部員もそれに気づいていた。


「すみません、友達が心配で······」


3人は皆に謝る。高柳が無事か、市原はちゃんと高柳に会えたかとかそればかり考えていた。


「集中を欠いたやつはいらない」


川田は3人を体育館から追い出す。


「キャ、キャプテン!」


「友達が心配なら行ってこい! 休んだら迷惑かけるって思ったんだろ? 集中出来ないやつの方が迷惑だ、バカヤロー!」


川田はそう言って体育館のドアを勢いよく閉める。


3人はそれがキャプテンの優しさだとわかっていた。休む事を切り出せないのを後押ししてくれたのだ。


「「「ありがとうございます!」」」


陽斗達は閉まったドアに向かって大きな声で言う。

そして急いで着替え、走って学校を出る。


「市原くん! 見つかった!?」


陽斗が高柳家に向かいながら電話をかける。


「いや、家出したみたいだ!」


「ええ!? 家出!?」


市原が高柳家に行った時にはもういなかった。昨日の夜、家を飛び出して行ったらしい。何か家で一悶着あったようだ。


「ああ! 代わりにお母さんに会った!」


「何か話聞けた!?」


「ああ、それがな······」



***



その頃、高柳はマンガ喫茶にいた。机にはたくさんの漫画本がのっている。


暗い画面に電源を入れる。


「もう18時かー······って、何だ!? この通知の数!」


携帯には大量のLIMEや電話が来ていた。そのほとんどが母と市原と西島と陽斗と白石からだった。


「ごめん、今は1人にしてくれ······」


高柳は再び携帯の電源を落とす。

そして目をつぶり、昨日の出来事を回想し始めた────


読んで下さりありがとうございます∠( ᐛ 」∠)_

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