表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校2年生
44/138

38,後輩

陽斗達はついに高校2年生になった。ということは、新一年生が来たということである。


そう、後輩が出来たのだ。


中学の時は忙しすぎて後輩との関わりが薄かったので、高校は仲良くなりたいのだ。


今日は午前中入学式があり、午後は部活見学や体験である。ここ一週間は新入生が部活を決めるための期間である。


入学式で入場してくる高1は1個しか違わないが初々しい。中学から上がりたてだし、あどけなさが残る。


入学式では再び校長先生の長話が開催される。新入生は期待とワクワクした表情をみせる生徒が多いが、在校生は寝ている人が多い。


白石は屋上で寝るらしい。


隣に座る市原は激しくヘドバンをしていた。


入学式が終わった後、市原は首を痛めていた。


***


午後、バスケ部が活動する体育館には多くの見学者が集まっていた。数えて19人である。


2、3年生合わせて20人に対し、1年生19人。この1週間で増減はまだあるだろうけど、今年は結構多い。


それは、自己紹介を聞けば分かった。


「去年のウィンターカップを見て、憧れました!」

「試合の生中継を見て感動しました!」

「今宮先輩と一緒にプレーしたかったからです!」


後輩達がキラッキラとした目で見てくる。特に陽斗をである。


去年のウィンターカップは初出場にしてベスト8だった。スポーツ雑誌やテレビでは割と大きく取り上げられた。


ウィンターカップの余波がここまであるとは。


皆素直で可愛らしいなぁ。


陽斗は嬉しそうな顔で後輩達を見る。


「それじゃあ、大丈夫なやつは早速体験しよう! ウェアとかは貸すから。靴は俺達の体育館シューズとか前のでよければ」


キャプテンが入部希望者にキビキビと指示をする。さすが出来る人である。


1年生は半分以上が体験することになった。残りは端で見学である。帰りは自由である。


「「「「よろしくお願いします!」」」」


元気な1年生の挨拶と共に練習が始まった。


最初は簡単なストレッチやウォーミングアップから始まり、その後トレーニングをする。ジャンプ力を高めるものだったり、持久力を鍛えるものだったり、体幹系だったり、その日で変わる。


それが終わればドリブル練習。


初心者の人も2、3人いるようで、教えながら進めた。もちろん後輩と仲良くなりたい陽斗が率先して。


あまりのドリブルの技量は初心者から見ても明らかだ。1年生は驚き、尊敬する。


経験者は教えて貰っている初心者を羨ましそうに見る。


成宮高校の練習に、2、3年生は真面目に取り組む。誰も手を抜いてダラダラしている人はいない。


これも陽斗の熱心ぶりに感化されたり、ウィンターカップで全国のレベルを間近に感じたからである。


先輩達の練習の熱入りっぷりに、1年生も影響される。


「じゃあ、10分後速攻練習に入るからなー!」


川田が大声で指示する。

皆はマネージャーが用意してくれたドリンクを飲む。


1年生は成美の美貌に見惚れているものが多かったような。


休憩にも関わらず、1年生は陽斗にドリブルやシュートなどの教えを請う。


皆は星野レベルのエースである陽斗に直接関わり、習いたいのである。


陽斗は喜んで嬉しそうにしながら丁寧に教える。


バスケ部の面々は後輩が出来たのが嬉しいんだなと察し、暖かい目を向ける。


皆良い人達である。


「じゃあ、速攻練習すっぞー」


1年生を交えて再び練習が始まる。


白石のヤンキーな見た目に何人かはビビっていたが、それなりに上手いのと、段々悪い人でないと認識すると、挙動不審も無くなった。


バスケ初めてまだ2、3ヶ月なんだけどなぁ。


そして、陽斗は早速華麗なドリブルやシュートを魅せまくる。


次の試合形式の練習でも陽斗は1年生達を抜き去る。圧倒的なプレーに1年生達は羨望の目を向ける。


1年生が誰もついていけない中で1人、実力が飛び抜けている存在がいた。


身長は175くらいとそこまで高くはないものの、シュート率が半端ないし、ドリブルもキレッキレですばしっこい。


かなりの逸材が入って来た。


彼は乾 勇輝(いぬい ゆうき)

聞いたところによると、わざわざ他県から来たらしい。


なぜかと言うと、陽斗に憧れたから。

生でウィンターカップ本戦を見ていて感動したらしい。


陽斗が乾にアドバイスをすると、凄く嬉しそうに一言ももらさまいと聞いてくれる。


練習態度も人一倍真面目、熱心である。


犬のような可愛らしい子である。



練習が終わり、1年生は帰る。

2、3年生は自主練をしたり、ダラダラと話したり様々だ。


初心者であった1年生は、成宮高校の思ったよりも高いレベルに不安そうである。きっと、ついていけるのか心配しているのであろう。


「おい、1年」


陽斗が何かしら言おうとする前に白石が声をかける。


1年生は見た目が怖い先輩に声をかけられ、ビクッと肩を揺らす。なにかされるんじゃないかと青ざめている人もいる。


「俺はバスケ初めてまだ2ヶ月だ。成宮は効率がいいし、人もいいから心配しなくていい」


そんな白石の言葉に驚く。全く練習で目立たず、むしろ上手な方に入る人がまだバスケ歴数ヶ月だと!?と言いたげな顔だ。


初心者の1年生達はキラキラとした目で白石を見る。


これで1年生は大丈夫そうだ。


陽斗はほっとする。


しかし、白石くんがそんな事を言ってくれるなんて!と陽斗は嬉しくなった。


お陰様で1年生を勇気づけることが出来たし、白石を良く思ってくれる後輩もできた。


そんな白石を嬉しく思う他に、これからの後輩達との練習を楽しみに思うのだった。

読んで下さり、ありがとうございます(❃•ᗜ•)


ちなみに私はテニス部だったよ!

焼けすぎてめっちゃ黒かったな笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ