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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校2年生
43/138

37,進級

最近毎日投稿できてなくてごめんなさい(、._.)、


陽斗が高校生になって6ヶ月。ついに4月となる。新たな出会いの季節である。


陽斗は顔を引き攣らせながら学校へと向かっていた。


なぜなら、今日は"クラス替え"があるからだ。


陽斗にとっては初めてのようなものである。中学の時はその日に来れることは無く、気づけばクラスが変わっているのである。


クラスが書かれてある紙を見て、皆でワーワーキャーキャーなんてした事がない。


ドキドキである。


「今宮くん、おはよう!」


陽斗がカチコチで校門をくぐる所に、成美が声を掛ける。


「あ、は、林さん、おはよ」


「なんでそんなに固いの~」


陽斗のロボットのような硬い動きに成美がくすりと笑う。


「だって、今日はクラス替えがあるじゃん! ドキドキする」


新しい友達が出来るが、陽斗はせっかく皆と仲良くなったのに別れたくないのだ。


中学の時は忙しすぎてそういうのはあまり頭になかった。しかし、今は高校生活を満喫して楽しんでおり、クラスにかなり思い入れがある。


直接クラス替えの表を見るのは怖い。


「緊張しすぎだよ! クラス別れても会えるじゃない」


「そうなんだけどね~、怖いなぁ~」


新たなクラス表は生徒玄関の近くに貼られていた。既にそこは生徒でいっぱいになっていて、皆はワーワーキャーキャー言って騒いでいる。


陽斗と成美の2人はそこへ行く。


ちなみに一学年7クラスずつだ。


皆と同じクラスには慣れないのは悲しいが、覚悟を決めて陽斗は表を見る。


ドキドキとなる心臓の音がうるさい。


「あ! 私4組だ!」


成美が4組に書かれてある自分の名前を指さす。


「そうなんだ······あ! 俺も4組! 市原くんもだ!」


陽斗はテンションが上がる。

成美とも市原とも一緒である。仲いい友達と同じクラスで嬉しくなる。


クラス替えはこんな感じなのか~。楽しくなってきたな!と思う陽斗であった。


「他は誰が一緒かな~って、白石くんも同じだ!」


「紗良ちゃんもだ!」


「え!? 三浦さんも!?」


割と4組に集まっているみたいだ。陽斗はひとまず深く安堵した。


「西島くんと高柳くんは5組だ」


成美が隣のクラス表を指さす。そこには2人の名前が書かれてあった。2人だけ別のクラスらしい。それでも皆バラバラよりはマシだ。


「ほんとだー、寂しいな~」



陽斗と成美の2人が靴を履き替え、新しい教室へ向かっていると、前方に金髪の派手な生徒が目に映る。


「白石くん! おはよ! 同じクラスだね!」


1人で歩いていた白石に陽斗は声をかける。

前は別のクラスだったので一緒になれて嬉しかった。


「おお、よろしく」


「私も一緒だよ、よろしくね」


成美はニコッと笑いかける。


「おお」


白石はぶっきらぼうに答える。だが、どこか顔がいつもより緩んでるのは気のせいでは無いはずだ。


「おお、今宮に林に白石じゃないか」


元担任の葉山が来る。後ろには知らない男の先生もいた。


「おっはよー! 新任の平川 太陽(ひらかわ たいよう)です!」


茶髪の短髪でジャージを着た、いかにも体育系の若い先生が満面の笑顔で挨拶をする。名前の通り明るそうだ。


「俺を見て体育担当だと思ったろ!? 違うんだなー、数学なんだな!」


大きく口を開けて豪快に笑う平川。皆は誰もそんな事聞いてないんだけどと言う目で平川を見る。


「というか、ヤンキーに真面目くんに美少女って変な組み合わせだな。まあ、色んな人と仲良くできるのはいい事だけどな!」


再び大きく口を開けて豪快に笑う平川。1人会話を続ける平川にただただ苦笑する面々。


「そういえば、この学校は金髪いいんです?」


平川が白石の髪を見て葉山に聞く。


「駄目なんだけど、コイツは何言っても聞かないから半分諦め」


葉山は苦笑する。今まで何回も注意してきたが、一向になおさない。何故かこれだけは頑なだった。


「個性は大事だけど、ほどほどにしろよー?」


「嫌です」


平川の発言に真顔で即答に拒否する白石。

陽斗は白石が金髪にした経緯を知っているので、その光景を苦笑して見る。


それに、髪型くらい自由でもいいんじゃないなかと陽斗は思っている。



始業式が始まる。恒例の校長先生の長話。生徒達はぼーとしたりウトウトしたりでちゃんと聞いている人はいない。ただ1人を除いて。


陽斗はビシッと背筋を伸ばしてキラキラとした目で壇上にいる校長を見る。


これから始まる新しいクラスでの1年に1人ワクワクしていた。


目の前に座る市原は頭が激しく左右に揺れている。倒れそうで見ている側が怖くなってくる。


「んんー! 寝た寝たー!」


始業式が終わり、市原は思いっきり背伸びをしながら廊下を歩く。結局最後まで寝通していた。


「めっちゃヘドバンしてたね」


「そうなんだよ、授業でバレるから直したいんだけどなー」


市原は真剣に悩みながら新しい教室へと入る。この人は本当に揺れまくるので、授業中よく先生に注意されているのだ。

だが、それよりも寝るのを治した方がいいのではと思う陽斗。


「あ! 白石! 入学式サボったな!」


教室で既に1人だけ机に座っている白石を指差す市原。ずるいといわんばかりだ。


入学式は正装のため、金髪の白石はサボっていたのだ。それに単につまらないという理由もある。


「どこにいたの?」


陽斗は白石の前の席にストンと座る。


「屋上」


「え!? 屋上があるの!?」


陽斗はキラキラとした目で白石を見る。

屋上だなんて、青春の一部じゃないか! 行ってみたい!


「なら、今度屋上でご飯食べるか?」


「いいね! 最高! そうしよう!」


市原の提案に満面の笑みで即答する陽斗。


「はーーい、皆さん、席ついてー」


どうやら担任が来たらしい。皆は席にぞろぞろと座る。


「どうも! 4組の担任となりました、平川 太陽です! これから1年よろしく! あ、体育担当じゃないよ、数学だよ」


担任はまさかの平川であった。また同じことを言って豪快に笑っている。


何人かの女子がかっこいいと騒いでいる。若いし、賛否両論だろうけど普通にかっこいいとは思う。ちょと、いや、かなり難アリだが。


陽斗は教室を見渡す。新しい教室、新しい担任、新しい同級生達。


高校2年生になったことを再び実感する。

これからこのクラスで1年過ごすのが楽しみでならない。


あと高校生活は2年しかない。毎日を無駄にしないように大切に生きようと心に誓った。


読んで下さり、ありがとうございますʕ ·ᴥ·ʔ


不定期ですがよろしくお願いします。

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