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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
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36,白石の直感力

遅くなりましたー( ꒪-꒪)


2019年4月17日、タイトル変えました。

太陽が出て来たばかりでまだ薄暗い朝、陽斗と白石の2人は自転車を漕いで学校へと向かっていた。


「うはー、気持ちー!」


陽斗は下り坂を下り、春の風を思う存分に浴びる。


ちなみに、白石の自転車は陽斗の母の物である。白石が陽斗の家に泊まった時は2人で自転車で行くのだ。最近はほぼ毎日泊まりに来ている。あまり使わないので、既に白石の自転車となりつつあった。


朝6時、2人は学校に着く。


自転車を学校の駐輪場に置き、早足で体育館に向かう。


体育館のドアを開けると、そこには薄暗いコートが広がる。


陽斗はこの瞬間が好きであった。いつもは賑やかで明るい体育館がこの時は誰もいなくて静かなのである。なんか、清々しいような気持ちになるのだ。


陽斗と白石は軽くストレッチをして、バスケの朝練を始める。



「······クソ」

「これで9対1だね!」


勝って嬉しそうな陽斗を白石は悔しそうに見る。


陽斗と白石の2人は1on1をしていた。皆は普段7時頃から来るので、それまで2人だけであった。


「今宮強すぎ」


既に2人は10回勝負を3回して、全部陽斗が勝っている。白石はバスケを初めてまだ1ヶ月である。元からの運動神経がいいとはいえ、陽斗には敵わない。


「白石こそめっちゃうまくなってるじゃん! 俺から1つ取るなんて!」


陽斗も悔しそうにする。


実際白石は1ヶ月にも関わらず、かなりの速度でバスケがうまくなっていた。


白石はその瞬間の判断と反応がとてつもなく優れていた。直感力というのだろうか、それが半端じゃない。


その上運動神経もいいため、入部1ヶ月にして既に応援組の部員達とほぼ対等に渡り合っていた。


レギュラーやベンチ組には劣るものの、これに技術がつけば恐ろしいとバスケ部の皆が話していたのは秘密である。


白石の今後が楽しみである。



この後も2人はシュートの練習をしたり、白石は陽斗にドリブルを教えてもらったりと、バスケを楽しんだ。


既に時刻は7時。そろそろ皆が来はじめる頃である。



2人は休憩をとる。


そこで思いもしないことが起こる。


やっぱり朝練は気持ちいな~と思いながら、陽斗がニコニコ顔でタオルで少し出てきた汗を拭いてリラックスしていた時だった。


白石が呟いた。



「今宮って、"青羽 瞬"だよな」



·········はい?


陽斗の動きが固まる。


今、白石くんはなんと言った!? "青羽 瞬"と言った!? 何故!?


陽斗の頭が真っ白になる。


「え、ち、違うよ······?」


「絶対そう」


陽斗はぎこちない笑みで誤魔化すが、白石は真っ直ぐ陽斗を見てハッキリと断言する。


これは、ちゃんとバレてるやつだ。何を言ってもごまかせない······。


「なんで分かったの?」


陽斗は諦めて白石に問う。見た目は全く違うのにどこでバレたのか不思議である。


「······直感?」


白石は少し首を傾げる。


「え!? なんじゃそりゃ! ちゃんと理由ないの!?」


「勘」


「えーっ!?」


陽斗は驚いて大きな声を出す。


バレた理由がただの勘ですと!? 白石くんの直感力半端ない!


「いつから分かってた?」


「······今?」


白石は再び首を少し傾げる。


「え!? 今!?」


「何となくパッと。それで芸能人とも仲良いし、ぽいと思った」


「えーっ!? 何となくでバレるの!?」


陽斗は白石の直感力が恐ろしく思えてきた。


というか、正体バレすぎじゃない!? 亮くんにも剛力くんにもだし。誰にも見つからない自信あったのに!


「白石くん、これ誰にも言わないで!」


陽斗は白石の肩に手を置いて懇願する。これで広まってしまえばせっかくの青春が終わってしまう。


「言わない」


白石は陽斗を真っ直ぐ見る。絶対という意志が目から伝わってくる。


白石はくんがいいひとで良かったと陽斗は安堵する。



「おはよー!」


その時、市原が思いっきり体育館のドアを開け、元気よく挨拶をする。


「白石くん、よろしく頼みます!」


陽斗は市原に聞こえないようぼそっと白石に呟く。白石はコクっと頷く。


そうして、再び朝練を始めるのであった。



それから陽斗はことある事に白石に色んな相談をするようになった。白石は陽斗の正体を知っているし、隠すこともなく気軽に話せるからである。


陽斗と白石はお互いの過去も言い合った。


2人は何でも話せる仲となった。

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