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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
41/138

35,冴木の卒業

1日で2話投稿しようと思ったけど、間に合わなかった!!(╯‵□′)╯

今日は3月1日。別れの季節である。


成宮高校では卒業式が執り行われた。


壁には紅白色の布がかけられ、ステージには金屏風が飾られ、華やかしい雰囲気になっている。


卒業生にとっては最後の晴れ晴れしい舞台。在校生にとってはただ長くて眠い式。


最後に皆で校歌を歌い、卒業生が退場する。卒業生の顔は様々であった。


泣く者、晴れ晴れとした顔、覚悟を決めた顔、色々であった。


あと2年後には卒業すると思えば、青春なんてあっという間だ。


1日1日を無駄には出来ないと陽斗は思った。もっと毎日を楽しまねば!



卒業式が終わり、午後から陽斗達バスケ部はいつも通りの練習があった。


お昼を食べ終わり、学校内で外周をしていた。


校門に差し掛かった時、たくさんの生徒が集まっており、キャーキャー言っている。


前にも似たような状況があった。冴木が陽斗に会いに来た時と同じような光景である。


「これ、なんの騒ぎ?」


近くを走っていた市原が帰宅部の男子に聞く。


「それがさ! 冴木 亮がまたいるんだよ!」


「はあ!? また!?」


市原が驚く。陽斗はため息をつく。


また来ているのだ。学校には来るなと言ったのに! お騒がせ野郎!


このまま無視する訳にはいかないので、陽斗は人の合間を何とか通って制服姿の冴木の前まで行く。


「亮くん! なんでまた来てるの!?」


陽斗は怒っている。こいつのせいで俺のまったり青春生活は崩れ去ったのだ! なのにまた来て!


「お! しゅ······陽斗じゃん! 陽斗の方から来てくれるなんて!」


冴木は陽斗に抱きつく。周りの皆がキャーと騒ぐ。


「ちょっと! 今日はなんでこっちに来たの!」


陽斗は冴木を何とか引き剥がす。

というか、さっきまた"瞬"って言おうとしたよね!? 本当にこの人は······


陽斗は怒りを通り過ぎて呆れる。


「近くで撮影があるから寄ってきた。俺、制服姿最後だから、陽斗に会いに来たんだよ」


冴木は高3のため、今日で高校を卒業なのだ。今着ている制服も今日で最後である。


「卒業おめでとう!」


「ありがとう」


冴木がニコッと微笑む。その瞬間周りの人達が盛り上がる。


よく見ると、見事に冴木の制服のボタンは全てなかった。流石である。本当にこんな事あるんだーと思い、陽斗は感動する。


「せっかくだから写真撮ろう」


冴木は陽斗の肩を組み、片手でスマホを持って写真を撮る。


周りの人達がキャーと騒ぐ。


「わっ、ちょっと!?」


陽斗はいきなりの事に驚いて、全く顔を作れなかった。


「じゃ、またな」


冴木は陽斗や周りの人をとり残して、風のような速さでいなくなった。


困った人だと陽斗は呆れる。そして、体育館へと戻ろうとした。


「ねえ! 冴木くんの連絡先教えてよ!」

「亮くんと会う約束、取り付けてくれないかな!?」


皆がわんさか寄ってきた。


もう! 毎回騒ぎだけ残していってー! 俺のまったり青春生活がぁー!


陽斗は1人嘆くのであった。


***


「もう! 亮くんめ! 許せん!」


部活が終わり、剛力との1on1も終わり、すっかり日が沈んで暗い道を陽斗は白石と共に歩いていた。


「冴木 亮とは幼なじみ?」


「そんな感じ。くそぉー!」


陽斗は怒りが収まらないまま、自宅へと着く。


「ただいまぁー」

「お邪魔します」


陽斗は気だるげにリビングへと入る。


「おかえり、遅かったな」


そこには冴木の姿があった。なんと、くつろいで料理を食べていた。


「なんで亮くんがいるの!?」


陽斗は驚く。後ろにいる白石も驚いていた。目の前に超人気芸能人がいるのだから。


「20時くらいに来たのよ」


台所にいる陽斗の母、ちづるがニコッと微笑む。


今は21時過ぎ。1時間人の家に居座っているらしい。

まあ、幼い頃からの付き合いだから親同士も仲良いし、いいのかなぁ。


「ちょうど撮影終わって、寄らせて貰ったんだ。話したいし」


冴木はニコニコとしている。


「あ、後ろのやつ、友達?」


冴木が白石に気づく。


「あ、はい。白石 廉と言います」


「君、かっこいいな」


冴木は白石に全く恐れず、逆にキラキラとした目で見る。

似たもの同士はやはり集まる傾向にあるようだ。


「あ、ども」


白石は戸惑いつつも少しばかり照れる。いつもあまり感情を出さない白石でも、有名人に褒められるのは嬉しいらしい。



そして、陽斗と白石はリビングのダイニングテーブルの席に座り、4人で食卓を囲む。


冴木は既に食べ終わり、アイスを食べている。


「亮くんはこれから仕事1本?」


「そう、仕事に専念する」


「わあー、引っ張りだこだもんねー」


「ほんと、休みはほぼなくて忙しいんだよ。楽しいんだけど」


冴木は少し疲れたようにアイスを食べる。超人気芸能人は多忙である。


「撮影近いところだったらいつでも休みに来ていいわよ」


ちづるがニコッと微笑む。


「本当ですか!? じゃあ遠慮なく来ます」


冴木は嬉しそうに笑う。この男、いつでも突然来そうである。


「家が賑やかになって嬉しいわ」


ちづるは嬉しそうにする。白石が来るようになって張り切って料理を作っているが、もっと豪華になりそうである。


4人はその後も談笑を続ける。大いに盛り上がった。


冴木と白石は仲良くなった。冴木が質問を浴びせまくって白石が困っていたが。


最後に制服の記念写真を撮って解散する。


冴木は明日も早速仕事らしいので、もっといたいらしいが帰ることに。


しかし、白石が泊まると聞いて、「次は俺も泊まる!」と少し悔しそうにしながら帰って行った。



そして、これから白石だけでなく冴木もよく今宮家に来るようになった。たまに仲間もひきつれて。


今宮家は随分と賑やかになった。


読んで下さり、ありがとうございます!


小説書くのは楽しいっぴねー(ง ื▿ ื)ว

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