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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
28/138

24,ウィンターカップ本選③

「えーと、今日の準々決勝は~と······え? 成宮高校? どこだ? 初めて聞くな」


体育館の外にはってあるトーナメント表を見て、帽子をかぶった記者の1人が不思議そうにする。


「そこな、あの剛力 新を破って来たらしいぞ」


「え!? 橋本さん、マジすか!? 剛力 新って世代別代表ですよね?」


「ああ、そうだ。なんでも、成宮高校には星野レベルのエースがいるらしい」


「そうなのか!? そりゃすげえ!」


記者はメモを取り出し、何かを書いている。


「これは、なんか起こりそうだ」


橋本と呼ばれたスーツを着た男性はぼそっと呟いた。



ウィンターカップ本選5日目、男子準々決勝。今日から4面あったコートは1面になる。



「いやー、まさか俺らがここに辿り着くなんてな」

「それな、思ってもみなかったわ」


皆は東京体育館の真ん中に設置してあるメインコートを見て、感動していた。


皆が憧れている舞台、そこに今日立つのである。


陽斗もそんな最高の環境で強い敵と戦えるなんてヤバい! と興奮していた。


成宮高校バスケ部は、ここで大1番、星野 桜雅を擁する第1シード校である狼北(ろうほく)高校と当たる。今年のインター杯王者である。


全国からたくさんの部員が集まり、選手層は厚い。星野以外にも年代別の代表は何人かいる。また、1人1人のレベルだけでなく、チーム力としても高い。


狼北高校の圧勝で優勝するものだと誰もが思っている程だ。




「そろそろ練習始まるから準備しとけよー」


キャプテンの川田が皆に呼びかける。


陽斗は尿意がきたため、急いでトイレへといく。そして、スッキリして軽快な走りで体育館へ戻る。


「ねえ、そこの地味男」


横から声がした。地味男? 誰だろうと思いながらも、もう練習が始まるため気にせず走る。


「おい、お前だよ!」


後ろからがしっと肩を掴まれる。


もう、なんだよ、この忙しい時にと思いつつ、後ろを振り返る。


「······え? 君は······」


陽斗が驚くのも無理ない。そこにいたのは、まさに今から戦う相手である星野 桜雅であったのだから。


なんでこんなアイドルみたいな人が俺に話しかけんだ? と陽斗は不思議に思う。


「お前、試合見たけど半端ねえ強さだったな。ま、俺様には劣るがな。もやしみたいヒョロヒョロしてんのに」


星野がふっと笑う。


······この人は褒めてくれてるのか? それとも貶してんのか?


というか、星野くん、女性といる時も全く雰囲気も話し方も違うんだけど! これが本性なのか?


陽斗はあまりの違いに驚く。


というかもやしっていったよね? 前にも言われたことあるけど、俺はそんなにヤワじゃないやい! いつか潰す!


陽斗はメラメラと闘争心を燃やす。


陽斗にもやしは禁句であるようだ。


「今から俺達と試合だな。正直、皆格下すぎてつまんなかったんだよ。せいぜいお前は俺を楽しませてくれよ?」


星野はそう言うと、陽斗に手をひらひらとさせて体育館の方へと歩いて行った。


······なんなんだ、あの男は! 失礼だな!


陽斗は少し腹を立てる。


でも、あんなの気にしてちゃダメだ。とりあえず、目の前にある試合の事だけ考えよう。


陽斗は邪念を棄てて、試合への集中を高める。



そして、ウィンターカップ本選、男子準々決勝が始まる。



読んで下さり、ありがとうございます!


ブックマーク500件、ありがとうございます(*´v`)正直、こんなに読んで貰えるとは思ってなかったです!

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