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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
26/138

22,ウィンターカップ本選①

バスケのお話みたいなのが続きます。

県内の強敵である東高校を破り、成宮高校バスケ部は東京に来ていた。ウィンターカップ本選の開催場所は皆の憧れ、東京体育館である。


「うはー! 東京体育館だー!」

「デケーー!」


皆は東京体育館を見てはしゃぐ。夢に見ていた場所で試合ができるため、皆は凄く嬉しそうだ。


「おい! お前ら! 何のために東京来たんだ!? 観光の為か? 違うだろ!」


キャプテンの川田が浮かれている部員達に怒鳴る。


「「「「すみません!」」」」


部員達は反省してキャプテンに頭を下げて謝る。


「気持ちは分かるけどな、そんな心持ちじゃすぐ負けるぞ。俺達がここに来た意味をちゃんと考えろ」


川田は真剣な顔でそう言うと、体育館の方へ歩いて行った。部員達は先程の緩い顔つきを引き締め、川田の後について行く。


キャプテンかっけー! と陽斗はキラキラとした目でキャプテンを見る。だが、勝つ為に来たんだ! 皆の為にも頑張るぞ! と気持ちを固める。



東京体育館へ入ると、天井から眩しいほどの光で照らされた4面のバスケットコートが広がっていた。やはり本選。規模が予選とは全く違う。


陽斗は体育館に見とれる。


ここで試合をするのか。最高の舞台だ。楽しみだ。


陽斗は喉をゴクリといわせ、ワクワクが止まらない。



「きゃーーーーー!!」


突然、どこからか女性の歓声のような声がする。


声が聞こえた方に目を向けると、1人の男性が多くの女性に囲まれていた。


男性をよく見ると、どこかの高校のバスケウェアを着いる。身長は優に190は超えているだろう。さらに顔はどんでもなくイケメンであった。少しチャラそうな雰囲気だが。


「星野くん! サインお願いします!」

「写真撮ってくれませんか?」


女性達はイケメン男子に詰め寄っている。


「特別だからね」


イケメン男子はパチッとウインクをすると、その瞬間女性達は歓声し、顔を赤らめる。


うわあ、すごい光景だなあ······。


男性陣はやや引き気味である。羨ましいのか、妬んだ顔で見る男性もいる。


「ねえ、市原くん、あの人誰?」


陽斗はイケメン男子を指さす。


「え!? 今宮知んねえの!? あいつは、星野 桜雅(ほしの おうが)っていって、2年生だけど、多分高校生の中で1番強い。ユースにも選ばれてるしな。有望な上にイケメンだから、雑誌にもたくさん載っててファンも多いんだよ」


市原は丁寧に教えてくれる。


「ほー、凄いなー」


陽斗は感心した目で星野を見る。高校生のトップクラスか。戦うのが楽しみだなとワクワクする。


だけど、剛力くんが言ってたような気がする。一個上にとんでもない化け物がいるって。この人の事かな。と陽斗は思った。


「だが、あんまり近づかない方がいい。あいつ、くそナルシストで性格あんまよくないから」


市原は嫌なものを見る目で星野を見る。よく見れば、男子達の多くは毛嫌いな目で彼を見ている。


男子にはあまり良く思われていないらしい。女子にはとんでもなくモテているが。



すると、星野がチラッとこちらを見て、何かを見つけたのか、周りの女子達をかき分けてこちらの方へ来る。


「ねえ、そこの子猫ちゃん。君可愛いね。連絡交換しない?」


星野が成美の手を握ってにこやかな笑顔を浮かべる。


「「「「「な!?」」」」」


成美の周りにいる成宮高校バスケ部の部員達が驚く。


成美はかなりの美少女である。成宮高校ではアイドル的存在だ。そんな彼女にチャラ男が声を掛けてきた。

皆は星野を鋭い目付きで睨み、近づくなという圧をかける。

が、星野はそんなのお構い無しで、成美を見つめる。


「え、ええと、ごめんなさい。そんな簡単に教えられないです······」


成美は戸惑いながら答える。


成宮高校の面々はよく言った! とばかりに成美を見る。


「俺のお誘いを断るなんて変な女もいたもんだよ。まあ、いい。諦めないから。じゃあ、またね」


星野はにこやかに成美に手を振って去っていく。


「成美ちゃん、大丈夫か!?」

「おい! 今すぐ消毒液持ってこい!」

「くそ! 星野め! 俺達が守ってやるから!」


皆が成美を心配する。


「だ、大丈夫です! 大袈裟すぎますよ!」


皆の反応に成美は困ったように笑う。


星野は諦めないと言っていたな。林さんを守らないとだな! と陽斗も心に誓うのだった。



そして、ウィンターカップ本選初日、ついに男子1回戦が始まる────



読んで下さり、ありがとうございます!


これからもお暇がありましたら読んでください~٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

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