表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
24/138

番外編 剛力 新

俺は剛力 新。高校1年で、県内のバスケ強豪校である東高校に通っている。


俺のトレードマークは坊主頭。俺はこの頭がお気に入りである。なぜなら、バスケをしている時に髪が全く邪魔にならないからだ。


俺はこの世の中で1番バスケが大好きだ。小さい時からNBAを見て育った。この人たちみたいに強くなりたい、人を魅了したい。俺は一途にバスケをした。するにつれて上手くなった。元の才能もあるのだろう、全国でも強いと言われるようになった。


俺は調子に乗った。正直、俺は周りの人間より圧倒的に上手だった。俺は強いんだと確信していた。俺の敵はいないと。



"青羽 瞬"と会うまでは────



小学校の時、俺のクラブチームは全国へと駒を進めた。優勝候補とも謳われていた。


俺達は順調に勝ち、ベスト8までになった。しかし、準々決勝で負けた。しかも、圧倒的な差で。


最初は信じられなかった。俺は負けるはずがないと思っていた。


"青羽 瞬"は別格だった。全く歯が立たなかった。全く予想が出来ない動き。俺は何度絶望を味わったことか。初めて味わう挫折。上には上がいると思った。


その後、あいつのチームは準決勝で負けた。あいつは芸能活動で出なかったらしい。まじで試合をすっぽ抜かすなんてありえねえ。こんなバスケを舐めてるやつに負けるなんてな。


俺はそれから自分を慢心せずにバスケを続けた。あいつに勝つために。


そして、勝負をするため地元を離れ、あいつが暮らす街へとやってきた。


しかし、あいつはいなかった。聞くところによると、芸能活動を優先するらしい。


なんじゃそりゃ!? 俺はなんの為にこっちに来たんだ!? あんなにうまいのになんでバスケ辞めたんだ!? しかも、小学校の時も中々有名だったが、国民的芸能人になりやがって! ほぼ毎日テレビや広告で目に入って目障りなんだよ!


じゃあ、俺がバスケもっと上手くなってお前より目立ってやる! と誓い、俺は今まで以上にバスケに打ち込んだ。


そして、高校1年になり、ウィンターカップ予選が始まった。俺は県内じゃ敵なしである。余裕だ。


しかし始まると、1人の男が噂になった。何でも、とてつもなく強いらしい。しかも、高校1年生。


そいつの試合を見に行ったが、もやしのようなヒョロヒョロとしたやつだった。しかし、プレーは噂通り強かった。これは期待できる。俺といい勝負が出来ると思った。対戦できるのが楽しみだった。


そして、ウィンターカップ予選決勝。前半、思った通り俺と同じくらい強いやつだった。県内にこんな奴がいるなんて。俺は最高に楽しんでいた。


互角に進んで後半。そいつの動きが前半と違う。スピードが上がり、予想ができない動きが増えた。俺は遂には抜かされた。試合も負けた。


久しぶりに味わう挫折。前と全く同じ感覚。


前と同じ······?


よく見れば、こいつの動き、小学校の時見た"青羽 瞬"とそっくりじゃないか。


顔を見るが、長い前髪と眼鏡で隠れていてよく分からない。


だが、俺は確信した。こいつは"青羽 瞬"だと。


なんでこんな所にいるのだろうか。


それはともかく、俺は"青羽 瞬"を倒すためにずっとやってきたのに、また負けた。


信じらんねえ。なんでまた! こんな半端なやつに! 今まで俺がやってきた努力は!? 意味ないって言うのか?


しかし、負けは負けだ。俺の今の力じゃこいつには叶わねえのか。こんな圧倒的センスの塊の前じゃ。


だが、こいつは本当に半端なやつか?


多分違う。試合をしていた時の"青羽 瞬"は心の底からバスケを楽しんでいた。キラキラと輝いていた。


そんな奴が半端なわけはねえ。


俺はお前のおかげで気づいた。俺は今までお前を倒すためだけにバスケをしてきた。しかし、それは間違ってた。俺はバスケをただの復讐の道具として使ってた。だから負けたのだろうか。


今から改めよう。俺はこれから初心に戻って純粋にバスケを楽しむ。そして、勝つ!


俺は絶対お前を超えてみせる!


読んで下さり、ありがとうございます(*`ω´*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ