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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
22/138

19,ウィンターカップ予選③

熱戦のウィンターカップ予選、決勝、第2クォーターは42対41で未だ東高校のリード。


体育館は異様な盛り上がりを見せていた。こんな熱い試合を誰が予想していただろうか。


ついに試合は後半戦、第3クォーターが始まる。


楽しい! なんて最高の試合なんだ! 青春だ!


陽斗は疲れを一切見せず、楽しんでプレーしていた。


東高にまた点を入れられ、陽斗がボールを持つ。ここで、剛力と対面する。


「ここは通さねえ!」


剛力が鋭いギラギラとした目付きで陽斗を見る。少しでも隙を見せたら終わりである。


凄いプレッシャーが陽斗を襲う。しかし、陽斗はこんな状況でも笑顔であった。こんなにも気持ちが高ぶるなんて、久しぶりである。最高だ。


実は、陽斗は今まで無意識に本来の7割の力しか出していなかった。それは、今まで十分それでやっていけたからである。しかし、今目の前にいる敵はそれだと勝てない。


もっと速く! もっと視界を広く! もっと!


陽斗は今まで以上に集中する。


そして、剛力の方へ、ゴールの方へ動く。


「さ、させねえ!」


剛力がボールを奪おうとするが、ギアを上げた陽斗についていくのが精一杯である。そして、華麗な素早いドリブルで剛力をかわす。


「なっ······!」


そして、そのままの勢いでジャンプしてゴールへと突っ込む。


ありえないほど高いジャンプ。彼の背中には翼がついているのだろうか。長い滞空時間。誰もが時が止まったかのように感じる。


陽斗は豪快にダンクを決める。


体育館は大歓声に包まれる。



そして、試合が終わる笛がなる。


72対88で成宮高校の勝利。


皆が陽斗に駆け寄る。


「お前、凄すぎんだろ!」

「天才か!」


皆が陽斗の髪をぐしゃぐしゃにしたり、背中をバンバン叩いたり、もみくちゃにする。


解放された時は陽斗の髪はぐしゃぐしゃであった。


もう······。でもまあ、勝った! 全国だ!


陽斗も勝利の喜びに浸る。こんなの、学生ありきだな! 青春だ!


「今宮くん、凄かったよ!」


マネージャーである成美も満面の笑みで喜ぶ。


「そう? ありがとう! 林さんも応援やサポートしてくれてありがとうね!」


陽斗も大きな笑顔を返す。



そして、表彰式へと移る。沢山のフラッシュが成宮高校を襲う。特に陽斗をである。圧倒的なエースを擁する東高が負けたのである。その立役者は突如現れた謎の男子。マスコミは盛り上がり、こぞって陽斗を取り上げる。


マスコミにやっと解放されは陽斗はトイレをすます。ずっと我慢していたのである。行こうにも囲まれて行けなかった。芸能人のような気分だった。


しかし、久しぶりの試合、楽しかったな!


陽斗はルンルンの足取りで歩く。


すると陽斗が向かう先に真顔の剛力が壁に寄っかかって立っていた。


わ、剛力君だ。ちょっと気まずいなあと思うが、このまま声掛けないで通り過ぎるのもなあと思い、声を掛ける。


「お、おつかれ」


すれ違いざまに、遠慮がちに小さく笑って言う陽斗。そして、このままさっと通り過ぎようとした時だった。


「お前、"青羽 瞬"だろ」


············え?


読んで下さり、ありがとうございます(*^▽^*)


これからもよろしくお願いします!

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