17,ウィンターカップ予選①
遅れましたー(⚭-⚭ს)
全国のバスケ部の高校生が盛り上がる、ウィンターカップが始まる。その予選がある日、陽斗はユニフォームを着て試合がある体育館にいた。
「あのー、キャプテン。俺、本当にメンバーですか?」
陽斗が成宮高校バスケ部キャプテン、川田 大地に恐る恐る聞く。
驚いたことに、陽斗は試合に出ることになったのだ。皆レベルが高いのに、どうして自分がメンバーなのか謎である。新参者でもあるのに。
「おう、もちろん! まあ、今宮はブランクあるから後半から出てくれるか?」
「は、はい」
陽斗は小さく返事をする。不安だけど、試合に出るなら惨めな姿は見せれない! 全力で頑張らないと!
「よし! やってやるぞー!」
「うお、今宮、お前めっちゃ張り切ってるな」
叫んだ陽斗に近くにいた市原が驚いて言う。心の声がつい出ていたようだ。しまった! と思い、陽斗は自分の口を抑える。
「う、うん、皆の足を引っ張る訳にもいかないし」
「いや、そんなわけないだろ。ああ、でも試合久しぶりなんだってな。まあ、ゴール下は俺に任せとけ!」
市原はどーんと胸を張って言う。
あ、そういえば、市原君はレギュラーだったなと思う陽斗。
「うん! パワープレイは頼んだ!」
「おうよ!」
「おい! お前ら! もうすぐ試合だぞ! 準備しろ!」
二人で話していると、キャプテンに声を掛けられた。もう試合らしい。
よし! 久しぶりの試合だ! ワクワクする!
陽斗は試合が楽しみになってきた。
***
成宮高校、第2回戦、前半23対49で終了。
成宮高校は第2シードのため、2回戦からである。
前半はダブルスコアで勝っている。さすがである。
「おい、今宮、後半頼んだぞ」
陽斗と変わる2年の先輩が声を掛けてきた。
「分かりました! 頑張ります!」
陽斗はそう言ってベンチから立ち、コートへ入る。
天井からの光で眩しいコート、皆からの声援に懐かしいと共に、わくわくが止まらなかった。部活の試合なんて青春だな!
陽斗は自分のポジションへとつく。
「今宮! ガンガン攻めてけよ!」
キャプテンが陽斗の背中をバンと叩きながら言う。
「了解です!」
陽斗は元気よく返事をする。気合十分! 全力でやってやる!
試合の笛がなる。ウィンターカップ予選、第2試合後半スタート────
陽斗は全力で夢中で何よりも楽しんでプレイした。
そして、気づけば終了の合図がなった。あっという間な夢のような時間だった。バスケはやっぱり楽しい。
「「「「ありがとうございました!!」」」」
第2回戦、42対121で成宮高校の勝利。これであと3回勝てば全国である。
後半、陽斗は一人で半分以上の点数を入れた。また、点数以外の面でも陽斗は活躍した。効果的なパスを出したり、パスカットしたり。この試合を見ていた人は、陽斗の圧倒的な存在に驚いた。それはチームメイトもであった。
「今宮! お前凄すぎ!」
「点数入れすぎだろ!」
「さすが今宮ー!」
皆が陽斗にわーと詰め寄る。
「わ、わあ、そ、そう?」
陽斗は驚いて戸惑いながら返事をする。まあ、全力で頑張ったから、皆認めてくれたのかな? 良かった!
「今宮! 次も頼んだぞ!」
「はい!」
そして、次の日の準々決勝、準決勝と共に陽斗は試合に出て、素晴らしい活躍をした。陽斗の速さには誰もついてこられなかった。ダンクを決めた時は、誰もが目を見張った。こいつはやばい、強すぎる、誰だと、2日間ですでに注目の的となった。
それに気づいていない陽斗は1人呑気に試合を楽しんでいた。
成宮高校は苦戦することなく、ついに決勝の舞台へと辿り着いた。
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