表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
17/138

15,騒ぎのあと

陽斗は冴木に全てを話した。


「······そうか」


冴木はそれだけ言って、陽斗の頭に手をポンとのせた。


「陽斗、なんで一人で抱えてたんだよ。俺に相談しろよ。親友だろ?」


冴木は心配そうに、でも少し恨めしげに言う。陽斗が何も言ってこなかったのがショックだったようだ。


「ごめんね、亮くんに迷惑かけたくなくて。だって、亮くんは優しいから、言ったら色々してくれるでしょ? 仕事も忙しいのに」


「はあ!? 親友の事何も知らないまま突然いなくなられた人の気持ち考えろよ。言ってくれた方が何倍もマシ!」


冴木が陽斗の肩をガシッと掴んで言う。


「う、うん、分かった。次はそうする」


冴木の迫力に少し押されつつ、陽斗は言う。


「絶対な。次何も言わないでいなくなったら、あの世まで追い回すから」


「えっ!? 怖っ!」


これは次何かあったら相談しないといけないと陽斗は思った。



「で、バスケは今楽しい?」


冴木が陽斗を気遣う優しい口調で言う。


「うん、楽しいよ! 皆ね、凄い楽しそうにバスケしてて、キラキラしてるんだ。俺もその中でやっててさ、皆で競って、笑って、心の底から純粋にバスケって楽しいんだなって思った。俺の、俺自身のバスケだって思えた」


陽斗は嬉しそうに笑って答える。


冴木は陽斗の髪を手でグシャグシャとする。


「わ、何!?」


「良かったよ、元気そうで安心した」


冴木は保護者のような優しい目で陽斗を見る。夕日に照らされた顔がより暖かさを感じさせる。


「うん。俺も亮くんが元気にしてて良かった!」


陽斗も子供のような笑顔でにこっと笑う。



「陽斗、連絡先交換しよ。また、会って話そう」


「そうだね!」


二人は連絡を交換し、たわいもない話をしながら公園を出て別れた。



陽斗は兄のように慕っていた友達と久しぶりに会え、嬉しそうに学校へ向かう。


自分の事をあんなに気遣ってくれる友達がいて幸せだな。自分を大切にしてくれる人をちゃんと大事にしよう。亮くんも、母も、学校の皆も。



陽斗は学校へと着いた。既に日が沈み始めている。少々長話をしすぎたようだ。


急いで学校へ入ると、校門付近にいた皆がばっと陽斗を見る。


え、な、なに?


陽斗は戸惑う。


「この人、さっき冴木 亮と仲良くしてた人だ!」

「冴木くんと友達なの!?」

「亮くんの連絡先知らない!?」


皆が陽斗を指差して言い、わっと詰め寄ってきた。


「え、ちょ!」



陽斗は何とか人混みを抜け出し、体育館へと走る。


やばい! 亮くんのせいで凄い目立ってる! どうしよう! 俺のまったり青春生活が崩れる!


陽斗は恐れた。


ていうか、その前に部活すっぽかした! 怒られる!


陽斗は体育館の扉を急いで開ける。


「部活すっぽかしてすみません!」


陽斗は大声で体育館の方へ、部活の皆へ謝る。


「今宮」


そう言われて陽斗が顔を上げると、皆が詰め寄ってきた。


「おい! 冴木 亮とどういう関係だよ!?」

「友達なのか!?」


再び質問を浴びせられる。身長が高いむさ苦しい男共に詰め寄られるのはちょっと恐怖であった。


「お、幼なじみというか······」


陽斗がバスケ部員に怖気ながら言う。


「はあ!?」

「お前の交友関係どうなってんだ!?」

「連絡先教えろ!!」


皆はさらに激しく詰め寄る。


も、もう、なんなんだよー!!



そして、次の日学校に行けば皆に詰め寄られ、質問を浴びせられ、ひそひそと噂される。


陽斗は"冴木 亮の友達"として学校中で有名になってしまった。


陽斗のまったり青春生活は終わりを告げた。

読んで下さり、ありがとうございます!


感想やもろもろ貰えたら嬉しいです!


これからもお暇があれば読んで下さい!٩(◜ᴗ◝ )۶

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ