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芸能人、やめました。  作者: 風間いろは
高校1年生
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11,テスト

陽斗は少し緊張したような足取りで学校へ向かう。なぜなら、今日はテスト一日目だからだ。


今回のテストは二日にわたって行われる。一日目は古典・数学①・理科、二日目は現代文・数学②・社会・英語である。


今まで忙し過ぎて、まともにテストを受けれなかったため、これが陽斗にとって初めての本格的なテストである。


陽斗は電車の中、緊張した固い顔で教科書を見ていた。


「あ、今宮君おはよう! あはは、顔すごい強ばってるよ?」


成美が陽斗の顔を見て笑う。


「だ、だって、テストじゃん! ドキドキしすぎて死にそう」


「そんなに緊張してるの? 大丈夫だよ! 今宮君、すごい頑張ってたじゃん!」


成美が陽斗を励ます。


林さん、優しいなあ。でも、そうだよね。ここまでやれる事はしてきたんだから! 俺はやれる!


「そうだね! ありがとう、林さん! 元気出た!」


陽斗は大きく笑う。


「そう? それなら良かった」


成美もニコッと笑う。


二人はたわいもない話をしながら学校へ向かう。林 成美のおかげで陽斗の緊張はいい感じにほぐれた。



そして、テスト。陽斗は今まで勉強してきた分を惜しみなく発揮し、テスト一日目は良い手応えを掴んだ。どうやら、勉強会の面々もいい感じに解けたらしい。ただ一人を除いて。


「皆ありがとう! 今日の教科、赤点回避出来そう!」


赤点常連である三浦が眩しいくらいの笑顔で笑う。


「オ、オワタ······」


そんな三浦と対照的な高柳が机に伏せっていた。


「お前は勉強会でもお菓子食べてばっかりだったしな」


市原が高柳を非難する目で見る。


「そ、そんな事言うなよ~! これでも頑張ったんだからよ~!」


高柳は今にも泣きそうである。


「ま、まあ、明日で挽回しよう!」


陽斗が高柳を励ます。


実は、国語は古典と現代文を合わせて割る2、数学も2つあわせたものを割ったものである。なので、国語と数学はまだチャンスがあるのだ。


「しょうがねえな。高柳の為に皆で今から勉強会するか」


市原がため息をつきながら言う。表では冷たく扱っているが、市原は高柳をなんだかんだ放っておけないのである。


というわけで、前の勉強会と同じメンバーでファミレスで勉強する事になった。


うおー!! ファミレスで勉強か!! 青春!!


陽斗はとてもノリノリで勉強をする。高柳も皆にサポートされつつ、めげずに頑張っていた。


そして、テスト二日目。


陽斗は今日も成美と電車で会い、仲良く登校する。電車から降り、学校まで二人で歩いていると、前方に高柳の姿があった。何やら様子がおかしい。ふらふらと歩いている。酔っぱらいのようだ。


「高柳君? 大丈夫?」


陽斗と成美は高柳に追いついて声を掛ける。こちらを振り返った高柳の顔色は悪く、目の下には大きなくまがある。


「ど、どうしたの!?」


いつもの明るい姿とは異なる病人のように成り果てた高柳に二人は驚く。


「おお······、今宮に成美ちゃん、おはよ。徹夜してよ······」


どうやら、高柳は赤点に怯えて徹夜で勉強してしまったようだ。この後あるテスト、大丈夫なのか······? 心配になる陽斗と成美であった。


そして、二日目のテストが始まる。


今日も陽斗はいい手応えを掴む。最後のコマである数学②でも、集中を切らすことなく、残り三十分となった。


陽斗がノリノリでシャーペンを走らせていると、隣からスースーという寝息が聞こえる。


なんだ!? と思い、陽斗は寝息が聞こえる隣の席へ目だけを動かして見ると、そこにはぐっすりと寝ている高柳の姿があった。どうやら、最後の最後になって、力尽きてしまったようである。


え!? 高柳君!? 昨日数学やばいって言っていたのに!


陽斗は焦る。しかし、教卓の上では先生が目を光らせているため、どうにも出来ず、ついにチャイムが鳴る。


「私、今回は赤点回避出来たかも!!」


三浦 紗良は手応えがあるらしく、嬉しそうに笑っている。しかし、高柳は今にも死にそうな顔である。


「オワタ······、スウガク、アカテンダ······」


「徹夜なんてするからだろ」


「モウ、テツヤナンテ、シネエゾ······」


そんなこんなで、全日程のテストが終了した。



***



テスト結果発表の日が来た。上位五十位の名前が貼り出される。ちなみに、陽斗達の学年は300人である。陽斗は緊張していた。一位じゃなくていいから、せめて載っていてほしい!! 陽斗は後ろの順位から恐る恐る目を動かす。


「あ! 私の名前あった! 30位だ!」


成美が両手を上げて喜ぶ。


「あ、俺の名前ない······!」

「俺のもないな」


市原と西島が悔しそうにする。


ちなみに、三浦と高柳は絶対載っていないからと見に行かなかった。


そして、陽斗はというと、50位から10位の間にまだ名前がなかった。駄目だったかなと悲しくなりつつ、残りの一桁台を半ば諦めて見ると、


「あ!! あった!! 7位だ! やったー!」


陽斗が叫ぶ。


「え!?」

「はあ!? 今宮すご!」

「帰国子女なのに!!」


皆が驚く。


「ありがとう! 皆のおかげだよ!!」


陽斗は嬉しすぎて、胸がはちきれそうである。ここまで勉強頑張った甲斐があった! 皆とも一緒に楽しく勉強出来たし、やっぱり勉強って青春だなあ! 次も頑張ろうと思う陽斗だった。



ちなみに、三浦は全教科赤点回避、高柳は数学だけ赤点であった。


これから徹夜は絶対にしない! と誓う高柳であった。

読んで下さり、ありがとうございます!( *´﹀`* )


感想や評価やブクマして頂いたら嬉しいです!ヾ(*・ω・*)ノ


これからもお暇がありましたら読んでくださると嬉しいです!これからもよろしくお願いします!

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