10,勉強会②
超豪邸である高柳家へと入る陽斗達。ドアを開けると、そこに広がるのは、ふんだんに大理石を使った広くてきらきらしている玄関。
「うわ、すご······」
「玄関が光っている······」
皆は呆気にとられる。
「そんじゃ、客室はこっちだぜ」
高柳は皆を案内する。皆は滅多に豪邸に入れないため、キョロキョロと目に焼き付けるように見ている。
客室もまた広い。高級そうなソファーにテーブル、ふわふわの絨毯、でかいテレビ。
「うわー、私の家とは大違いだわ」
「ほんと凄いよね」
そして、皆はふわふわの絨毯においそれと座る。
「んじゃ、始めますか!」
皆は教材を取り出して、テスト勉強を始める。
「なあ~、今宮、この英文わけわかめ。教えてくれ~」
「あ、私もそこ分かんなーい」
「いいよ。これはね~、」
高柳と三浦が質問をしてきて、陽斗はそれに答える。
各自で勉強をし、わからない所があればそれぞれの得意科目の人に聞いている。
国語は成美、英語は陽斗、社会は市原、数学・理科は西島である。高柳と三浦は聞く専である。
「市原君が社会得意なのは驚きだった」
陽斗が意外そうに市原を見る。
「まあ、社会なんて覚えるだけだろ」
市原がサラッと言う。
え!? 社会って、そんなすぐに覚えられなくない!? 結構複雑だし。市原君って記憶力が凄いのかな!?
陽斗は市原の天才が垣間見えたのだった。
そんなこんなで、あっという間に四時間が過ぎた。
「あー、もう、わっかんねえ!」
高柳が教材を放り出し、ソファに寝転がる。どうやら、もう限界のようだ。
「おい、御曹子、しっかりしろや」
市原が社会の資料集を見ながら言う。
「もう俺は無理だ!!」
そう言いながら、ポテチをバリバリとやけ食いする高柳。
「ちょ、高柳! お前、スナック何袋目だ! 一人で食べ過ぎだ!」
市原が慌てて高柳からポテチを取り上げる。
「あ! ちょ! 俺はお菓子がないとやっていけないんだけど!」
お菓子を取られ、怒る高柳。
「高柳君食べ過ぎ。俺、あまり食べれてないんだけど」
ジト目で陽斗が見る。
六つあったスナックのうち三つを高柳 健太は食べているのだ。しかも、陽斗の大好きなスナックを一人で食べていた。食べようとした時には既に空っぽ。陽斗は怒っていた。
「ご、ごめんって! 代わりのあげるから!」
そう言って、高柳は台所の方からケーキを持ってくる。そのケーキは分厚い生チョコがのっていて、凄く美味しそうだ。陽斗の喉がごくり鳴る。
「許す!」
陽斗は満足そうに無邪気な笑顔でそう言って、嬉しそうにケーキを食べるのだった。
「ねえ、林さん、ここ分かんない! 教えて!」
陽斗がそう言い、成美の隣にストンと座る。
「わ! 今宮君! いいよ、あ、この文はね~」
二人は仲良く、ふわふわとした雰囲気を漂わせながら話す。
「今宮ってさー、意外と女子慣れしてるよな。陰キャみたいな見た目だけど、明るいやつだし」
市原がその二人をじーと見る。
そりゃあ、今まで超人気芸能人だった陽斗である。美人な人に囲まれていた。一般男性よりは耐性はある。そこに至っては、陽斗は無自覚なのだが。
「それ分かる! もっと髪短くして、コンタクトにすればいいのに!」
成美がうんうんと頷いて同感し、惜しいというような顔で陽斗を見る。
「まあ、面倒臭いし、今はいいかな······」
言葉を濁す陽斗。そりゃあ、そんな事したら、一発で"青羽 瞬"だとバレてしまう。絶対に出来ない!
そして、日がほとんど沈み、街が薄暗くなる中、陽斗達は外にいた。
「高柳君、今日はありがとう!」
「結構捗ったよな!」
「皆、ありがとう! これで赤点回避出来そう!」
皆は今日はやり切ったという表情をしていた。ただ一人を除いて。
高柳は干からびていた。
「オオ、ツカレタ」
「じゃあ、また来るね!」
「じゃあな! 高柳! 明日もちゃんと勉強しろよ!」
そんな高柳を無視して行く陽斗達。
あー! 楽しかった!
皆と別れて、一人空を笑顔で仰ぐ陽斗。
皆と勉強会なんて初めてだった。今まではまともにテストさえ受けれなかったのだ。分からない所も解決したし、皆と楽しく勉強出来たし、今日はなんていい日なんだ! 本当に、本当に楽しかった! 青春って、こんなに楽しいんだなあ!
陽斗はとても満足そうに、ルンルンの足取りで帰るのだった。
読んで下さり、ありがとうございます!
ジャンル別日間ランキング二位に載りました!びっくりしました!こんなにたくさんの方に読んでもらって、嬉しいです!
これから色々とあるので、投稿遅くなると思います。
これからもよろしくお願いします!




