8,テスト前
「皆、知ってると思うけど、今日からテスト一週間前になりましたー。部活動禁止な~」
「ええええー」
「だるーー」
「部活してぇー」
担任の葉山 修の言葉にクラス中でため息がつきまくる。
「そんな言うなよ。勉強は大事だぞ!」
担任が熱のこもった声で語る。
「じゃあ、先生はちゃんと勉強してたんですかー?」
クラスのムードメーカーである高柳が先生に問う。
「そうだなー、この時期は赤点ばっかだった気がするなー」
「えーーー!?」
「そんな先生に勉強大事とか言われたくありません!」
「赤点せんせー、部活許可してー!」
クラスは担任にブーブーと非難する。
「黙れー! 俺は、最終的に立派な先生になったんだからいいんだよ!」
どこがですか!?という疑わしげな目線が担任に集まる。
「まあ、それはそうとしてな、高柳! 三浦! お前らは放課後補習あるからな。帰んなよ」
「えーーーーー!?」
「せんせー! それはあんまりっすよー!」
二人が絶叫する。
「お前らは前回赤点だったろ。あー、それと今宮、お前もな。途中から入ってきたから、習ってない事多いからな」
担任がそう言うと、皆が陽斗を可哀想な目で見る。しかし、陽斗は違った。
「え!? 俺も補習でていいんですか!?」
陽斗はなぜかきらきらとした顔をする。
「何でそんな嬉しそうなのかは知らんが、でていいぞー」
よっしゃ! と陽斗は心の中でガッツポーズをする。補習って、あまり良くない事だけど、居残りとか青春っぽいよね!
補習を嫌がる二人に対して、喜ぶ陽斗であった。
昼休み、陽斗は市原、高柳、西島の三人と昼食をとる。陽斗はすっかりこのメンバーに馴染んでいた。
「はあーーーー、補習とか最悪······」
高柳が大きなため息をつく。
「赤点なんて取るからだろ」
「前回、勉強せずに遊んでたからだよ」
市原と西島が励ましもせずに非難する。
「まあ、そうだけどよぉー。今宮も嫌だよな?」
「え!? 補習してくれるのありがたいよ! むしろ感謝だよ!」
陽斗は嫌そうな素振りを全く見せず、逆に嬉しそうであった。
「え、何でお前そんな嬉しそうなんだよ!?」
高柳が陽斗の予想外の反応に戸惑う。
「今宮って、ちょっとズレてるよな」
「うん、なんか、考えがちょっと俺らとは違う」
高柳と西島はあまり驚きもせずにも納得する。
「え!? ズレてないし、普通だよ!」
陽斗は全力で否定する。俺は青春を楽しんでいる、普通の高校生だ!
「いや、だいぶ······」
「なあ! 今宮! 俺に英語を教えてくれ! 俺、英語苦手なんだよ!」
高柳が土下座をして、陽斗に頼み込む。
「いいよ! 英語だけしか教えられないけど」
「それで十分でございます! 帰国子女様!」
高柳は陽斗に向かって手を合わせて拝む。
「あ、そんならさ、勉強会しようぜ! 俺も今宮に英語習いたいし」
市原が二人の会話を聞いて、そう提案してきた。
べ······勉強会だって!? やりたいやりたい! 青春じゃないか!!
「やろう!」
陽斗は目を輝かせる。
「じゃあ、土曜日にどっかで集まってやるか!」
「ねえ! それ私も参加したいんだけど!」
横から女子の声が割り込んできた。そっちを見ると、先程、補習宣言されたもう一人の生徒、三浦 紗良が立っていた。性格は明るく、見た目は少し派手な女性である。
「私も英語教えて貰いたい! 今宮君、いいかな!?」
三浦が陽斗をキラキラとした目で見る。
「いいよ」
「やったー! これで私も英語、赤点回避だー!」
三浦が手を上げてジャンプしながら喜ぶ。
「じゃあさ、男四人だし、もう一人か二人、女子誘ってくんない?」
「分かった! 成美ー! 土曜日勉強会しよー!」
三浦が近くに座っていた成美に声をかける。
「え、あ、いいよ。二人で?」
「いいや、ここにいる男子四人と!」
「え!? あ、うん、いいよ」
成美は少し戸惑っていたが、了承してくれたようだ。
「お! 成美ちゃんが来てくれるなら、心強い!」
高柳が嬉しそうにする。
実際、成美は成績はトップの方であった。全科目特に苦手分野はなく、オールラウンダーである。
「あ、でも英語は今宮君の方に聞いてね。あ、でも、私も、英語、わからない所あったら、質問しても、い、いいかな?」
成美が少し恥ずかしそうにしながら陽斗に聞いてきた。
「もちろん! でも、英語以外は俺も聞くから!」
「うふふ、分かった」
陽斗と成美は笑い合う。
「なんかここ、桃色空間出来てますよー」
「い、今宮! お前はまた······」
なんて声が聞こえたような気がしたが、陽斗はそれよりも勉強会をすることになった事を大いに喜ぶ。
青春だー! 楽しみだー!
陽斗はワクワクが止まらなかった。
読んで下さり、本当にありがとうございます!
拙い文章ですが······。これからも読んでくれると嬉しいです!
皆様のおかげで、今のところ、継続的に更新できています!見てくださっている方、本当にありがとうございます!今後とも、よろしくお願いします!ヽ(*´∀`)ノ




