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短編類

マジックサイエンスの爆発

 私マッドはその道では有名な発明家と自負している。

 元は魔法使いの学校で魔法を覚えて成績も良かった。

 実際の現象の原理をイメージすると威力と魔力効率が上がる理論が発表されてから原理の理解にのめり込んだ。


 物は空気がなければ燃えない。今までの火の魔法なら空気の変わりもしていた訳だ。そこの空気を風の魔法で作ることで制御の難易度は上がるがより強い火力を出せるいった具合だ。


「マッド所長! 魔導溶融炉が吹き飛びました!」

 助手のジョッシュ君が慌てて研究所のドアを開けて報告に来た。

「なんだと! どいつの仕業だ!」

「サラマンダーの鱗の高温下による共鳴実験で……所長の指示です」

「ハッハッハッ! そうか、予測以上と言う訳だ。あの炉はオリハルコンを溶かせる温度に耐えられる耐高温結界術式『ドラゴンでも燃えない君』が機能しているはずだか?」

「はい、鱗1枚の燃焼エネルギーがドラゴンのブレス以上ということですね!」

「それで、死者は?」

「死者0、気絶者36、建物大破です!」

「何でゼロなんだ?」

「ダメージ魔力代替魔道具『守る君』のお陰で、魔力切れで1日うなされるだけで済みました! 流石所長の魔道具です!」

「あー、そうか」


 ダメージとは膨大な外的エネルギーに耐えられないと身体が受ける物だ。ならば魔力で相殺できればいいんじゃね? と作った代物がヒットした訳で、お偉いさんになった原因でもある。

 しかし、『守る君』には弱点もある。筋トレ中には使えない、精神攻撃には反応しない、継続ダメージだと魔力切れで倒れて死ぬ。


 でも少しでも生存確率が上がるなら欲しがる職業の人は多い。

 私も階段から落ちたが無傷だった。ドラゴンローブのお陰だろう。


 ドラゴンロープは背中にカラフルなドラゴンが描かれている怖い人にキョドってしまう魔法使い御用達の品である。



「高温維持してくれないかなと期待したけど、危険物だな」

「そんな温度まで普通は上げられないですけど」

「爆縮魔法で一瞬高温高圧にすれ「止めて下さい」……はい」


「それより、今やっている実験は何ですか?」

「うん、スライムの粘液の保水力で色々液体を吸わせてみたんだが、アルコールで固まった」

「ゼリーですね」

「ポーションは変化無し、化粧水は手が綺麗になった」

「スライム関係無いですね」

「そして、ニトログリセリンだ」

 ジョッシュ君が一歩下がった。

「アルコールも混ぜて固めたが手荒に扱っても爆発しない」

「火には?」

「爆発した」


「輸送には良さそうですね、スライムの確保がネックですが」



「もうひとつはスケルトンの骨だ」

「普通の骨と違うのですか?」

「普通の骨が分からない!」

「私もです」

「……溶融炉に入れてみるか」

「ただの火葬です」

「ならばスライムのコアを配置してみるか」

 うっ!動いた!

「骨のタコみたいで気持ち悪いですね」

「魔力で動かすことは同じなのか、コアの変わりを魔道具にしたらスケルトンゴーレムが作れるな!」



 そんな感じで作ったスケルトンは見た目で禁止され、スライム化粧水は大ヒットした。




しれっと言ってますが、実験室はニトロスライム爆発で粘液まみれです。

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