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一夜明けて

「香梨菜〜遅刻するわよ〜」


ん〜っ


軽い伸びをして目覚まし時計を手に取る。

いつもだったら、朝食を食べている時間だった。

あんなことがあって誰が寝れるというのだ。

全くといっていいほど寝付けなかった私。

いつのまにか寝ていたけれど……


また思い出しちゃったらドキドキが再発してしまった。

かなりの重傷だ。


ふと携帯をみると着信ランプの点滅が!

片手で胸を押さえ携帯を手に取る。

開いてみるとそこには

今野陽人

の文字が。

メールの着信だった。

時間は今から30分前で


「おはよう!これから朝練だー。昨日の試合で負けたからみんな気合入って大変だよ」


と書いてあった。

私は着替えるのも忘れ携帯と睨めっこ。

はて、何を書こう。

暫し考えたのだけど結局


「おはよう!部活頑張ってね。ファイト!」

とだけ送ってみた。


昨日の晩、麻耶たちにはメールを送っておいた。

直ぐにみんなから返信がきてそれがまた恥ずかしいのなんのって。

改めて余韻に浸ってしまった。


「香梨菜〜」

下からお母さんの声が段々近づいてくる。

トントンと2回ノックした後にお母さんが顔を出した。


「あら、まだ寝ているかと思ったわよ。本当に遅刻するわよ、早く着替えて食べちゃいなさい。」


「はーい」

私の返事を確認した後、忙しそうに階段をパタパタと下りていった。

顔が赤いのばれてなかったかな?

ちょっと心配したけれど、そんなことを言っている場合じゃない、着替え着替っと。

顔を洗いキッチンへと急ぐ。

キッチンのテーブルの上には食べやすそうなおにぎりが一つ置いてあった。

「時間がなくてもそれだけは食べちゃいなさいよ。」

お母さんの声に頷き、いただきますと言うと同時におにぎりにかぶりついた。

テレビを横目で見ながら、お茶と共におにぎりをたいらげた。

歯磨きをして、いざ出発!


きっと質問攻めにあうんだろうな。

バスに揺られながら、そのことを想像して身震いしてしまった。


行きたくないかななんて思ったりもしたのだけど、この前のずる休みもあるしな。

そうこう考えていたら下駄箱の前だった。

いつもより2本遅いバスだったのでいつもの光景とは違うものだった。

丁度朝練を終えた運動部の面々が靴を履き替えているところだったのだ。


そこにはサッカー部もいたわけでして。

学校が違うのだからいるわけがないのに、この集団の中から現れる今野の姿を想像してしう自分。

相当重傷だ。


「浅田さんおはよう。」


声をかけられ振り向くと、そこには爽やかな笑顔の先輩がいた。


「お・おはようございます。」

突然の神田先輩の登場にあたふたしてしまった。

とりあえず声がでたのは良かったのだけれども。

目の前にはにこやかに微笑む先輩。


???どうして私の名前を知っているんだ?


私の顔を見ていただろう先輩は

「うん、陽人の言ってるのが解る気がするよ。」

となにやら納得した様子で。


陽人って。

今更ながらに従兄弟だったことを思い出す。

それにしても今野は私の事なんていったんだろう?

そっちのほうが気になった。

そのまま固まっていた私に先輩は


「そんなところに立っていると遅刻するぞ!」

と一声掛けてサッカー部の人達に紛れていった。


いけない!私も急がなくちゃ。

チャイムと同時に席に着いた。

あちらこちらから視線を感じるのは気のせいじゃないだろう。

恐る恐る愛のほうを見ると案の定軽い笑みを浮かべこちらをみていた。

きっと、麻耶たちもだろうね。


また今野のサッカーしている姿みたいな

などと浮かれていて授業なんて上の空。

チャイムが鳴ったことさえ気がつかなかったくらいだ。


「なーに?もう幸せボケですか?」

麻耶に頭を小突かれる。


「そんなんじゃ……」

当たっているかもと思いつつそんな返事を返してみたり。


「ほらほら、そんないじめないでよ。」

そう言ってくれるのはやっぱり愛だったりするんだよね。

なのに今日の会いは一味違った


「それで、私も実は興味あるんだよね。昨日のその後に。」

愛ってば、今日は味方じゃないのね。


「それでそれで!」

そんなことをいわれ思わず思い出してしまった今野の腕の中。

顔が沸騰してしまった。

きっと頭の先から湯気でも出ているんじゃないかって程。


「なに、思い出してるのよ。何だかエッチだね香梨菜って。」

だの

「早く聞かせて」

だの

一度深呼吸して呼吸を整えると、より一層3人の顔が近づいてきた。

一瞬のけぞってしまった私。

だって凄く恐いんだもん……。


「あのね、えーっと……」

何から話せばいいのだか詰まってしまったその時に


「浅田ーっ。お前神田先輩と知り合いだったのか?」

教室中に響き渡るその声。

サッカー部の山城だった。


山城の声にクラスの面々が反応して興味津々の目が私に集中してしまった。

「な、なんで?」

私の方が聞いてしまった。


「いや〜、今日の朝練の後にお前の事聞いてきたからさ。あの神田先輩に話し掛けられて緊張しちゃったよ。」

彼には何の悪気もないのだろうが、さっきから周りの女の子の視線の痛いことったらない。


「知り合いの親戚だったみたくて、それでかな?」

あえて彼氏とは言わなかったけれど、私の答えに山城も周りの女の子も少しは納得してくれたみたいで、山城は

「そうなんだ。」

といって何処かに行ってしまった。


ふっと一息入れると、目の前にはまだ難関が。


「聞いてないんだけれど。」

少し低い声で麻耶に突っ込まれる。


「だから、それをさっき言おうとしてたんだけどね。」

ごまかし半分舌を出しおどけてみせた。


それから少しの間、無言のプレッシャーが続いていまして。


「今野って神田先輩の従兄弟だったんだよ。それが解ったのは昨日の事で実をいうと私もまだ信じられない状況です」


「へーそれはまた随分と世間は狭いもんだね。」

感心したように3人は頷きあっていた。


本当だね、私が一番そう思ってます。

山城の乱入があったせいで休み時間はあっという間に過ぎてしまって話の続きはまた後でとみんな席に戻っていった。


何でこんなに緊張しなくちゃいけないのだろう〜

憂鬱だ。









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