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超絶美形

作者: 秋雨康一

 今日は、あこがれの入学式。

 私の大学は、超絶美形の教授が多いというので有名だ。それだけが楽しみで、ここを受験したんだから。合格の時の喜びといったらなかったわ。

 いよいよ教授陣の入場。しかし、先頭切って出てきたのは、禿げていて背も低い男。何かの間違いかと思ったのだけれど、後から出てくる教授はおろか助教授たちまで変な奴らばかり。一体、どこが美形なのかという顔立ちの人たちしかいない。

「以上が、当校の誇る教授陣です」

 無機質な声のアナウンスが流れた。

 それと同時に私は椅子から立ち上がり、

「詐欺だーーーーーーーーーっ!!!!!」

と、声を大にして叫んでいた。



そして3ヶ月後



 私は、学生生活を楽しんでいる。講義だってどれでも楽しい。

 入学式の時、私は教授陣の顔の酷さにひどく絶望した。しかし、真に絶望すべきだったのは、私の美的感覚だったのだ。

 今、私の目の前にいる英文科の教授。入学式の時、教授陣の先頭になって入場してきた人だ。一見すると、ただの禿げたちびデブだが、それは美的感覚のない人の見方。

 この丸い顔容と絶妙なバランスを誇る目、鼻、口そして額の出現率も実にきわどいラインで美しさを出している。全体的に脂肪がかった体だが、ポンと丸く出たお腹の愛らしさといったら、もう、何とも言えない。これこそ本当の美形だ。

 この教授に比べれば、ファッション雑誌を賑わす流行のスーパーモデルなんて、一体どこがいいのか全く理解できない。体が細くて、色男っぽい顔の持ち主を美形という時代はもう終わったんじゃない?

 やっぱり、全てが超絶美形じゃなくちゃね。

 私の大学生活は、バラ色です。




END

ま、「美しい」も「かわいい」も人それぞれだよね。

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