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普通の公立高校をラノベのような高校に変えてみる  作者: 北神 柳椰
ラノベの出会いはいつも突然じゃないか!
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ラノベの出会いはいつも突然じゃないか! (5)

「でも、もし歩道橋で出会った人がここに入って来てくれるのなら嬉しいわ」

「確かに仕事は出来そうだし……」

「違うよ。そうじゃなくて。仲間が増えるというのはどんなことでも嬉しいでしょ」

「そっちか。確かにそうだな」

「ま、私は南森君を苛めるだけでも退屈しないけど」

「それはひどいだろ。いや、別にいいけど」

「南森君はドMだもんね」

「違う。僕はドMじゃない!」

「それなら私に殴られたら?」

「嬉しい」

「ほらやっぱり」

「ただ、出来れば控えめにして欲しい」

「分かっているわよ。あまりキツイお仕置きをすると『小説家になろう』で残酷描写有りにしないといけなくなるし」

「えっと? 一体何の話をしているんだ?」

 そういえば別サイトだが、日常系で何故か注意された作者がいるらしい。

「それにしてもお前のクッキーは美味しいな」

 あれから、南森は何枚かクッキーをつまんでいた。

「当たり前でしょ。料理部を舐めないで」

「そういやそうだった。ま、部員はお前しかいないけど。っていうかあの時俺が生徒会になった瞬間に料理部を潰さないでと土下座してきたのは今でも笑えるな」

 南森は過去のことをポンッと頭に思い浮かべてみる。

 それはまだ彼が生徒会長新人の時だった。当然、普段の南森は普通の学生として授業を受けるし、休み時間も過ごす。ごく普通に食堂で昼食をとっていたことだった。

 長柄は南森を食堂で見つけてその前で突然土下座をし始めたのだ。勿論周囲の人はざわつく。この騒動は後々学校中に広まり有名な事件となった。

 それを思い出した南森は家庭科室中に響く哄笑をあげる。

「知っていた? 実はもう一枚ワサビクッキーを作ったのよ」

「すみませんでした」

 プイッと南森から顔を反らす。

「確かにラノベだと生徒会とかが部活を潰すからな。だけど残念。俺には部活を潰す権限はない。それに潰せる権限があったとしても潰さないよ」

「流石にそれは嘘でしょ?」

「嘘なもんか。自分の命が大切なんだから」

「あぁ、そっちね」

 今の南森ならもしあの時、部活を潰していたら一体どんなことになっていたか知っている。恐らくポートアイランドの深くに沈められるのよりも、鳴門の渦の中に放置されるよりも恐ろしいお仕置きが永遠に続いていたことを。延々じゃない。永遠だ。

「それにこの学校は部員が一人いる間はつぶさないよ」

 一応校則には最低3人以上の部員を必要とする。と書かれている。しかしそれは表向きのことである。実際には3人以下の部活はいくつかある。例えば放送部だってそうだ。現在放送部は2人。もし彼らがいなくなったら昼の放送はどうするのかが最大の問題となっている。いや、そしたら次は放送委員会が作られるだけか。

「よく漫画とかでは予算削減を理由に部活を潰すだろ。だけど実際部員が少ないところってそこまで予算がかかっていないの」

「確かに予算を1円ももらっていないわね」

「つまりこのクッキーの材料も自腹なのか。なんか悪いな。お金払おうか?」

「いいわよ。あなたの触れたお金に触れると菌がうつる」

「ひでぇ。確かに小学校の頃そんな遊びがあったりするけど」

 因みに部員が少なくても予算がかかる部活もある。がそれでも1万円。借金が云十億ある中崎市にとってみれば1万円なんて小石程度のものだ。

「会計監査とかもしてみたいな。そして不正を暴く。この会計内容おかしいぞ。100回以上城崎温泉に行っているぞ。300万円不正しているぞ。高齢者問題はわが県のみならず……あなたには分からないでしょうね。的な」

 一人で監視委員とそれを追及される人を演じる。

「残念だけど全員きちんと領収書を提出して全てチェック済みという報告を受けたわ」

「だろうね。どうしてこの学校はいい子しかいないんだろう」

 二人はこの学校でイジメというものをみたことない。これはかなりいい事だ。

「イジメはないにしても閉鎖空間を生み出しそうな変人ぐらいは欲しい」

「もう転生でもしたら?『小説家になろう』の主人公たちは転生しているから多分南森君も死ねば行けるって」

「だから自殺示唆はやめろって」

 あっ、因みにこの主人公は転生しない。異世界? 何それ?

 と、そんなことを話したていたら第一家庭科室の扉がガラガラと開く。開けた人物はツインテールの少女。

「君は昨日の!!」

 そう、昨日南森の変態行為に迷惑を被った少女だ。

 その少女は南森をみるや、『ゲッ』と苦虫を噛み潰したような表情を見せた。

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