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普通の公立高校をラノベのような高校に変えてみる  作者: 北神 柳椰
このイベントは私が頑張ります
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このイベントは私が頑張ります(4)

「一体何? 私に因縁をつけるつもり?」

「まさか。そんなつもりはないわ」

「それじゃ……」

 ギュッと梅北はより一層大淀の手を強く掴む。

「警告してあげるのよ~あなたは生徒会をやめるべきと」

「へぇ。それは、私を生徒会から遠ざけるためなのかしら?」

「いや、そんなつもりはないさ。だけどあなたには生徒会の仕事は何も出来そうにないと思ってね」

「私には……生徒会の仕事が……できない?」

「そう。だからあなたは生徒会をやめるべき」

「……そうやって精神的に私を追いつめる作戦ね。よく漫画とかである」

 そう、精神攻撃は基本である。

「だけど……私はそのような手にのらないわ」

 自分の胸をポンッと叩く。

「へぇ。随分自身にあふれているのね~」

「当たり前でしょ」

「それじゃ、次の球技大会はあなたが何かをするのかしら?」

 大きく頷いて見せる。

「このイベントは私が頑張るから」

「へぇ~そういえばだけど……私、あなたの球技大会の日休みなの」

 えっ、と驚いた表情を見せる。何故なら中崎西高校の球技大会の日は平日だからだ。当然普通の学校ならどこもあるだろう。夏休みにはほど遠く、テストや試験の時期ではない。

「創立記念日というものね~」

「あっ、なるほど」

 と言っても恐らく中崎西高校の人は実感が湧かないだろう。中崎西高校の創立記念日に毎年オープンハイスクールの準備をする。一応休みではあるが、8割ぐらいの人がそれのため登校するのだ。まるで有給休暇といいつつも取らしてくれない社会に似ている。

「そこで私は球技大会に行って視察してあげる。そして……あなたたちの頑張りをみようかしら」

「つまり、そこで成功か失敗かを決めると」

「そう、基準は私たちの学校より盛り上がっているのか」

「ちなみにあなたの学校は?」

「月虹学園」

「月虹学園?」

 大淀はピンっと来ない。というのも月虹学園とは私学で市内ところが、隣の大阪府にある学校だからだ。ここから通うにしても電車で1時間はかかる。

「私の学校は偏差値的にそこまでだけど……いや、それだからかもしれないけど……こういうイベントには積極的なのね~」

「へぇ……そうなんだ」

「えぇ、詳しくは私たちの学校のHPを見ればいいと思うよ~」

「その必要はない。だってもう月虹学園より盛り上がることは決まっているし」

「へぇ、それなら楽しみね~」

 そして大淀は店を出た。その際、店員の仮面を被った梅北に『ありがとうございました』と深々と頭を下げられる。

「遅かったな。お前は梅北と何を話したの?」

「ちょっとね……この店のここについて」

 と大淀は嘘をついて見せる。なんとなく本当のことを言うのが気まずく感じていたのだ。どうして突然梅北が因縁をつけてきたのか。ほんの薄らと南森が関係しているように思えたから。

 その後、四人は来た道をまたバスで引き換えし学校へ向かった。既に時刻は21時を回っている。下手すれば夜に学校へ行ったあの時間より遅く帰宅するかもしれない。

「それで、今回の球技大会についてだけど」

 自然と大淀の口から洩れてしまう。

「おっ、球技大会についてか」

「うん。今回の球技大会でドッジボールに決まることは濃厚っぽい」

 こういう情報は生徒会より監視委員である大淀の方が早くキャッチする。今日も生徒会に行く前に大淀は監視委員長の資料をパラッと目を通したのだ。

「やっぱりか……ま、そうなるよな」

「うん。どうやらドッジボールになることは避けられない」

「そうね。これは問題ね」

 長柄は二人の前の椅子に堂山と共に座っていた。その彼女は首を後ろに回し二人の方を見る。

「そう……だね」

「僕の調査でもドッジボールはつまんないとかもしそれだったら休むとか言う人がたくさんいるな」

 決してドッジボールというスポーツ自体がつまらないというものではない。ただ、こういう球技大会でドッジボールは暇に感じる人がいるということだ。

 例えば、運動神経の悪い人がドッジボール大会に出場するとしよう。そうなったら速攻に当てられ外野に行くことになる。もしそうなったらもう中に入ることはほぼないのだ。それどころか、ボールすら触れることが出来なくなる。

「スポーツに平等というものがないけど……それでもやっぱりみんなに同じように楽しんでもらいたいよな」

 通勤ラッシュを終え、ほぼ人が入っていないバスの中でつぶやく。それは小声だが確実に運転手の耳にまで届いてしまっているだろう。

「そうね。だけどドッジボールにはそれは厳しい」

「うん……この競技で球技大会を大成功させることはかなり難しいだろうね」

 そうだ、今回の球技大会は成功確率が極端に低い。そこで予算も出ないのだからどうしようもない。いや、仮に予算が出たとしてもそれを一体どうすればいいのかという問題が発生するだろう。

「だから、ミスディレクションを利用するの」

 と声を張り上げ大淀は提案する。

 ミスディレクション。それは長柄がババ抜きの時にやったあの技。

「少し私達で手品師になってみようよ」

 と頬を釣り上げ笑みを作って見せる。

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