表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
普通の公立高校をラノベのような高校に変えてみる  作者: 北神 柳椰
ラノベの出会いはいつも突然じゃないか!
3/46

ラノベの出会いはいつも突然じゃないか! (3)

 少女は急いでスカートを抑える。そして南森の方に振り向き目があってしまう。

 黒髪ツインテール。目は威圧的な釣り目。身長は高くすらりとしている。それでもどこか幼い。

その時、南森は心臓をドクンと鳴らす。

(こ、この人だ)

 脳内でこの少女に竹刀を持たせてみる。

(うん、どうみても執行部だ)

 この少女に対して運命というものを感じる。ついさっきまで求めていた人が脳内から外へ飛び出した。そのような感じだ。

(この人はなんとしてでも執行部に入れないと駄目だ)

 これ以上の出会いは恐らくない。これは神様の贈り物だと考える。

 少女は歩道橋の階段を一段、二段と降りてくる。そして歩道に足を着いた瞬間走り出し南森の方へ。そのままグーで握られた拳を南森の頬に当てた。

 コンクリートの塊がそのまま当たったかのようだ。南森は後ろへ吹き飛ばされる。そして地面に伏して思わず……笑みを作っていた。

(そうだよ。このパンチだよ。これも執行部にふさわしい)

「何、笑っているの?」

 低い声で尋ねる。

「いや、運命という言葉を知っている?」

「馬鹿にしているの? それぐらい知っているよ。形容詞で」

「あっ、名詞ね」

 ここでこんな間違いされるとは南森も思っていなかった。

「うるさい」

 今度は腹部に蹴りが入る。

「いいぞ。うん、これこれ」

 昼食が胃袋から飛び出しそうなくらい強い衝撃が襲う。

それでもこの蹴りは南森が求めていたものだから……白い歯を見せる。流石の少女も一歩後退する。

「なんなの? そんな趣味があるの?」

「あっ、いや別に僕はドMとかじゃないよ。ただ嬉しいだけ」

「やっぱりドMじゃん!!」

「いや、違う。気持ちいいとかそんなことを感じていないから」

「うるさい! もっと痛めつけるわよ!」

「おっ、いいぞ」

「何こいつ……気持ち悪いんだけど」

 周囲から見ればそうだろう。天から見てもそうだろう。遠くから見ても気持ち悪い。

「君だよ、君なんだよ!!」

「何が?」

「生徒会執行部にようこそ!!」

 南森が立ち上がると、少女は三歩ほど後ろへ後退する。

「ちょっと意味が分からないんだけど!」

 少女は手に拳を作っていた。そしてその拳から汗が流れ落ちる。

「大丈夫。初心者大歓迎。アットホームな職場だから」

「何? そのブラック企業の定型文」

 少女は肩を震わす。

「とにかく生徒会に入ってくれ!!」

「嫌よ!」

 南森が大きく一歩前に歩く。すると少女は磁石のように後ろへ一歩後退する。

「無理だから!」

 こんな変態のところにいたら何をされるのか分からない。少女からしてみればそう思ってしまう。

「これ以上近づくと警察呼ぶわよ」

「警察に捕まっても君を勧誘する」

「えっ、ちょっと。へぇぇぇ!?」

 警察という単語を出せば絶対に諦めてくれるだろう。そう思っていた少女にとってみれば誤算だ。学生生活どころか人生すらも終了した。そう覚悟した瞬間だ。

 少女は南森に背を向け走りだす。彼女はそこまで足は速くない。スタミナもない。しかし今日はいつもよりもかなり速く感じた。そして500メートル以上走っても息が途切れることがなかった。

 少女の頭からはホラーゲームのBGMが流れる。とにかくしばらくホラー系の物を見ないようにしよう。そう誓った少女だった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ