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普通の公立高校をラノベのような高校に変えてみる  作者: 北神 柳椰
現実世界に幽霊はいるのかな
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現実世界に幽霊はいるのかな?(1)

「それでラノベと公立高校の違いだけど……」

 またかと二人は思い始める。南森のラノベと公立の比較は現実的にムチャがあるようなものばかりだ。

 ただ、その無茶を言うのならまだまし。だけど南森はそれを超えて、なんとかその無茶を叶えようとするのだ。

「それで次はどんな素晴らしい発見をしたのかしら」

 長柄は机に頬をつけて南森が次に口を開けるのを待機する。

「ちょっと、なんでそんな興味なさそうなんだよ」

「だって、どうせくだらないことでしょ?」

 大淀は机にノートを広げ宿題をしていた。生徒会は仕事がない。だからすることと言えばトランプに大喜利みたいな遊びくらいだ。

「……くだらなくない。これは素晴らしいことだよ」

「そうね。新しい女子を生徒会に呼び込んでハーレム王を目指せば完全にラノベね」

「おい、生徒会の○存じゃねぇか。ま、それでもいいけど」

「だけどよく考えたらそこまでイケメンじゃない……」

「間違っているわ。大淀さん。よく考えなくてもイケメンじゃないわ」

「……確かにそうね」

「おい、そこ。僕はイケメンだからな」

 最近、このようにワイワイと騒ぐことも多くなってきた。

「そうじゃなくて……僕はこの学校に何が足りないかを思いついた」

「はいはい。どうせ予算ね。南森君は諦めなさい」

「それもある。だけど今はそれを横に置いておこう」

 とうとう長柄は机の上に寝伏してしまった。

「それで、一体何なのよ。何が足りないのよ。はやく言いなさい」

「あぁ、まず県立中崎西高校という名詞。これは一体何を意味しているのか知っている」

「はい」

 大淀が手をあげる。

「①、中崎市にある高校。実際は中崎の北の方にある。②、平和なこと、何も起こらないことの例え、③、慣用句で亀に棒、中崎西に挑発。亀に棒を突っついても何も起こらないように中崎西高校を挑発しても何も起こらない」

「そんなことが言われているんだ。最後の一つは完全に知らなかったな……」

 思わず感心してしまう。そしてこの市内の人にいつか『亀に棒、中崎西に挑発』という慣用句を使ってみたいと感じた。

「まぁ、大体あっている。その通りだ。つまり中崎西には何もない」

「なにもないがあるでしょ」

「確かに。だけどそこでパロディーをされると話が前に進まない」

「それじゃ平和がある」

「うん、平和はいいよね。やっぱり平和が一番。だけど少し話を前に進ませてくれないかい」

 ゴホンと咳払いをする。

「そう、中崎西高校には何もない。勿論政府……いや生徒会を倒そうとする裏組織もない」

「えぇ、あってもおかしくないのにね」

「僕はみんなから信頼されているからね」

「信頼……されている?」

 大淀は大きく首を横に傾げた。

「信頼されているさ。多分。いや、絶対に。でもこの世界に支持率100%の政権がないのは知っている?」

「そうね。極端に人口が少ない土地とかはまた別だけど基本的には支持率100%の政権なんてない。あったら大変なことだわ」

「……どうしてですか? みんな政権に意見を賛同しているということでしょ。それなら」

「カリスマ的支配が云々かんぬんの話は高校生には難しいから今回は置いておいて」

「いや、お前も高校生だろ」

「支持率100%というのは反対派がいない。つまり全員賛同している。ある意味反対派思考停止状態なの。この世界が上手く成り立つには少なくとも賛成派と反対派がいないとならない。学問を見ればわかりやすいでしょ。例えば経済学に置いて全員ある意見に賛成したらもうそこで議論は行われない。つまりこれ以上の発展はないということになるわね。だから一番いいのは賛成派、反対派がお互いに刺激しあっている状態。100%賛成というのはそれは一つの思考に支配されているということなのだから」

 人数が少ない国や王政による国など勿論例外はある。

「つまりこの学校でも数人ぐらい反対派は……多分いるだろうわね」

「あぁ、長柄の言う通り。そしてそれは別に悪いことではない」

「それで……その反対派をどうしたの?」

 頭に?マークを浮かべた大淀が聞いてくる。どうやらさっきの話を理解しきれていないらしい。

「うん。僕としてはその反対派の集まりとして裏組織みたいなものがあったらいいなと考えているんだ」

「裏組織?」

 思わず大淀は外に響くぐらい大声で叫んでしまった。

 机に伏していた長柄も笑いを抑えきれずに何かを吹きだしている。

「それなら私がなってあげましょうか?」

 長柄は笑い肩を揺らしながらそう言ってみる。

「それなら私も」

「おい、やめろ。僕を一人にするんじゃねぇ」

 大淀はまたくだらないことをと思いながら南森を見ている。

「とにかく裏組織があってそこは僕の命を狙っている」

「そして殺される南森君」

「おい、おれを殺すな。そうしたらこの小説が終わってしまうだろ」

「その時は私と大淀さんの二人でサイド……一層のこと本編でもいいじゃないかしら」

「それ、いいですね」

「ダメだ。それだとストーリーが成り立たない」

「安心しなさい。今でもストーリーが成り立っていないわ」

「とにかく……そうだな。裏組織があったらいいな」

「あっても執行部の私は何もしないよ」

「なんのための執行部なのさ!?」

「いや、だって面倒くさいし」

 と、扉がガタンと開く。この教室には既に生徒会である三人はそろっている。バドミントン部部長や野球部、中津先生は何か用がある時はキチンとノックして入って来る礼儀正しい子。

 だからこの人達ではないことは分かっていた。

「なんだと」

 思わず南森は声をあげてしまう。その人の髪が異常だった。いや、外に出ればよくある髪だ。しかし……

「どうしてお前は金髪なんだ!」

 扉を強引にあけて入ってきた人はなんと金髪少女だった。

 この学校は髪染め禁止されているのでこれは異常なことだ。


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