これが本物のラノベ高校だ(3)
その後、たこ焼きを食べてついでに無料券でフランクフルトも購入。そして近くにあったベンチで座って食べた。
女子+フランクフルトと言えば何故か大半の人が嫌らしいことを想像するだろう。残念ながらこの作品はそのようなサービスシーンはない。もし作ってしまったら全年齢のタグを変えなければいけない。だからここはカットで。というか一体何の話をしているのだろうか。ま、少しだけ補足すると南森はキチンと蹴られたということだ。
そしてその後、二人は校舎内に入った。
「はぇぇぇ、凄い」
大淀の目に入る景色全てが感動的だった。校舎の入り口にはイタリアの高級レストランを想像させる絵画。何故かイタリアの高級レストランというと例の場所を思い浮かべてしまう。そう緑の看板のあれ。だけどあれは関係ない……ということにしといて。
「電灯が切れていないよ!!」
「……随分小さいことで喜びを感じるんだな」
それも無理はないだろう。中崎西高校は1階に1つは絶対に電灯が切れている。しかも電灯が切れたら当分放置されてしまう。大淀達はその暗さになれてしまう。
「凄いよ。エアコンがついている!! エアコンってあれだよね。夏でも冷たい空気を出せる」
「お前……どこかの田舎者になっているぞ」
「うわぁ!! 窓ガラスが割れていない。ひび入っていない! 廊下の隅にカナブンが湧いていない! 鳩が校舎内にウロチョロしていない!」
「……なんだか悲しくなってくるよ」
ちなみに中崎西高校は何故か窓ガラスにひびが入っているし、廊下の隅にはカナブンが湧いている。夏休みになるとカナブンの方が生徒数よりも多いのではないかと言われたりする。鳩は学校の中に入って来ることも普通にあることだ。しかもその鳩は人間慣れしており、近づいても逃げたりしない。最近では校舎内に雀の巣まで作られているのを発見した。
「ということはトイレも逆流しないのか」
「流石に逆流するのは僕たちの高校だけだと思うよ」
公立とか関係ないだろう。中崎西高校は便座型のトイレで水を流すとその周辺が揺れる。そしてゴォと大きい音をたてながら水に流されるのだが……汚い話稀に逆流するのだ。そのせいで、普段は大人しい彼らもトイレ掃除の時はサボりが続出する。これは生徒会長である南森もしょうがないことだよねと見逃している。その掃除場所の先生もサボっても何も言わない。あれなら刑務所のトイレを掃除した方がよっぽど健康的だろう。
「だけど……確かに凄いよね。この学校」
昇降口の開放的な広さはちょっとしたショッピングセンターかと思うぐらいだ。壁も真っ白で汚れが目立っていない。匂いも学校特有のものはしなかった。もしかしたらそこら辺の私立大学よりも綺麗かもしれない。
「それで……校舎内では一体何が行われているの?」
「えっと……ここでは各部活の紹介又は展示が行われているらしい」
谷町高校の入部期間は中崎西高校と同じく比較的に遅い。と言っても中崎西高校とは違い既に半数以上は本入部をしているらしいのだが。
「それで、本入部した人たちは部活の出し物を手伝うことによって交流を深めているらしい」
「へぇ。つまり部内の仲はいいんだ」
「うん」
「それで部活動も強いとかチートだね」
谷町高校は県内でもトップレベルの実力がある部活動が多い。中には全国大会に進む部もあるぐらいだ。
「そうだね」
階段を昇り二階に行く。そこにはそれぞれの部活が色々と宣伝をしていた。
「幽霊研究部にミステリーサークル、UFO探索部に財宝部どれも同じような部活じゃない」
それらの出し物も外からみたら違いがほとんど分からない。
「そうだね。つまりそれだけの少数部活が多いというわけだよ。ホラ」
招待状と同じ封筒に入っていたパンフレットを大淀に見せる。そこには谷町高校に存在するすべての部活動の名前が書いてあった。数にして50以上だ。
「本当に色々ある。運動部系文化部系も」
「僕たちの高校は文化部系の部活が少ないからね」
中崎西高校にある文化部系の部活と言えば、写真部、料理研究部、放送部、美術部、文芸部ぐらいだ。しかもどの部活も廃部寸前の人数しかいない。
「いいなぁ……私達もこれぐらい部活があればする人が増えるかもしれない」
「そうだね、確かに運動が苦手な人にとってみれば選択肢が少なすぎるよ」
大淀はパンフレットをじっくりと眺めていた。
「それでどこか行きたい場所はあったの?」
「ここ」
大淀が指を差した場所は、茶道部だ。彼女は目に星を浮かべていた。
そしてその茶道部の欄には抹茶試飲会をやっていますと書かれていた。
「抹茶が好きなのか」
これに対して激しく大淀は頷く。
「そうか。それならそこに行くか」
そして茶道部へ行くことになった。




