ステータスにロリは記入されない
なんか駆け足すぎてちょっとおかしなことになってるな……
ゆっくり焦らず序盤は書いたほうがいいなぁ……
起きるとアルルがのしかかっていた。
「ふん!ふん!」
「んー」
もふもふしたアルルは起こすのには向いてないと思う。
アルルを抱いて布団をかぶるとアルルは無抵抗になり布団の中できもちよさそうに俺に体をこすりつけながら
「ふーん……ふんふー」
と鳴いている。寒いもんなぁ……。
この家のある場所――リア王国ヨルムト――は大陸の中でも寒い地方だからもう寒い。あと10日もすれば雪がちらほら降り始めるだろう。そのせいか秋でも寒い。いくら毛玉でも寒いものは寒いのだ。
ちなみに毛玉は『リリアブ』という種類の動物らしい。ちなみに俺が歩き出した頃に生まれたらしい。
「……ねよ」
アルルを抱きながら二度寝に陥る……寒いし出たくないわぁ。
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「アルルおそいなぁ」
アルルにシンを起こしに行ってもらったのに帰ってこない。リリケット先生に「シン君が起きたら一緒にステータスを見に行こう」言われたからアルルに頼んだのに!いくらなんでもおそすぎ!
「先生、シンを起こしてきていいですか?」
「シン君はねぼすけなのか?」
「この季節は寒いですしね。アルルを抱いて二度寝したのかも」
「私も布団から出たくなくてメイドに布団を剥がれる日々が続いてるよ……」
先生の意外な一面だ。いつもは凛々しくてかっこいいけど朝はだらしないんだ。かわいいなあ。
「早く行っておいで」
「はーい」
アルルにお仕置きしないと……。
先生は布団を剥がれると起きるって言ってたなぁ試してみよ。
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「おーきーなーさーいー!!!」
エコーねぇに布団剥がれた。
「アルルはお仕置き!」
アルルがしっぽを掴まれて吊られてる……かわいそうに。
「ふ……ふんん……ふん…………」
アルルが助けを求めてこっちを視るが無理だ。
俺はロリに逆らえない。
「ステータス見に行くってー」
「む」
「早く支度していこっ!」
「うん」
初のステータス確認か……てかどうやるんだろ。
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――王都リア――
「いつ来てもおっきいねシン!」
エコーねぇがテンション高めで話しかけてくる。
王都リアは繁華街だ。世界に五つある大迷宮近隣の都市故に商人たちの中継点として栄えている。
商人たちが多いからか露天が多くあり、あまり子供を連れてくることは少ないらしい。
だから俺もエコーねぇもあまりリアには来たことがない。
「ちゃんと手を繋がないと迷子になるわよ、特にシンは勝手にどっか行かないように」
釘を刺された。自由人として行き過ぎた弊害化なぁ。
「シンはどこでステータス視るか知ってる?」
「知らなーい」
「ここよ」
大きな建物の前についた。看板には『北ギルド リア支部』と書かれていた。なるほどな、ギルドで視るのか。
建物の中に入ると扉が6つあった。
「何この扉」
「階級によって部屋が違うのよ」
「階級?」
冒険者ランクみたいなもんか。
「冒険者にもランクがあって、ランクに応じた部屋に入れるのよ。大迷宮のギルドは全然違うけど地方のギルドはみんなこんなかんじでランクによって部屋が分かれてるわ。左からS級以上、A級B級、C級、D級、E級F級、一番右が外来よ。依頼したいときや冒険者じゃない人が冒険者になるときやステータスを確認したいときはランクかかわらず外来に行かないと行けないわ」
格差社会っぽいなぁ……
「じゃあ外来に?」
「S級以上は外来に行かなくて済むし同伴者もS級の部屋に入れるわよ」
じゃあS級に入れるのか……。
「えー先生いつもS級に入っちゃダメって言うのにシンだけ最初からとかずるーい」
俺だけ特別扱い?
「シンもエコーももう実力は十分だからS級を見せてもいいかなってね」
「シンはそんなに強いの?カストルにいっつも負けてるのに」
人が気にしてることを……!
「カストルの得意なとこに合わせてるから負けてるのよ」
「どういうことですか先生」
「ステータスを見ればわかるわ」
ステータスはそんなもんもわかるもんなのかな?
「さ、入るわよ」
扉を開けるとそこは前世で泊まった超高級ホテルのスイートルームを思い出させる空間だった。
「うわぁ……!すっごい!!」
「見とれてないでさっさといくわよ」
リリケット先生がエコーねぇを引っ張ってるけど身長差のせいかなんか注意されてる方が逆に見えるな……。
そんなことを思ってると岩みたいな大きな亜人がリリケットに手を上げて話しかけてきた。
「おー、リリケットじゃねぇか!宮廷筆頭魔術師様が弟子をとったとは聞いてたがこんなガキとは思わなかったぜ、お前より大きいやつだと思ってたわ」
まぁリリケット先生は厚底履いてるし身長差分かりづらいよね、家だとすぐわかるんだけど……。
「うっさいわねガイル。あんたはもうSSにでも上がったの?」
S級以上はSが増えていくのかな……?
「そんなに簡単になれたら苦労しねぇよ」
「そう」
「お前は結婚相手が見つかったのか?」
「この子よ」
俺は急に前に出された。あれ?もうルイ先生より強くなること確定?
「ガキじゃねぇか!大体『強い人』って条件はどうしたんだ!」
その声で場の全員がこっちに注目してくる。照れる……。
「この子は英雄病。しかも頭がいたいことに体術は達人級よ」
リリケット先生がドヤ顔で俺を見せびらかすもんだから視線がすごい集まってるのを感じる……。
ガルドとかいう岩も周りも「天才ってのはいるもんだな……」とか、そういうことを言ってるが聞こえる。
転生チートを嫌ったんだけど、体に染み付くものは抜けないし、仕方ない。だけど成長スピードは凡人レベルだ。本物の天才には抜かされる。慢心せずひたすら努力をすれば別だと思うが……。
「さ、ステータスステータス」
周りの目を嬉しそうに感じながらリリケット先生は謎の石の前に立った。
「冒険者登録ができるのがLv10から。ランクによってLv制限が設けられてるわ。Lvは実力以外でも功績で上がるわ。よくわからないけど、Lvが上がると強くなることも言っておかないとダメね。他にもステータスの見方について説明しないといけないけど、まぁ見ればわかるわ」
リリケット先生は謎の石に手をかざすと『チン!』と石から(?)音がして紙が出てきた。
予想通り紙にはステータスが書いてあった。
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リリケット・アルバーニュ
種族:エルフ
LV:43
ステータス
武術:D-
制御:S
敏捷:B+
体力:C-
魔力:SS
知能:S
加護
【精霊王】【風霊】【知恵の神】
スキル
【増幅】【召喚:ウインディーネ】
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「制御は魔法の上手さと解釈したほうがいいわね。それ以外はそのとおりよ加護は加護を与えた者の名前が書かれるわ。スキルはそのとおりよ。説明はめんどくさいからそのうちするわ」
なるほどなぁ。結構簡単にわかるんだな。
「次は私ね!」
エコーねぇが手をかざし『チン!』と音がして紙が出る。なんか嫌だなこれ。
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エコー・クライス
種族:人
LV:18
ステータス
武術:F
制御:A
敏捷:C-
体力:B
魔力:C
知能:D-
加護
【楽聖】
スキル
【呪歌】
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楽聖と呪歌はなんかセットみたいな感じがするな。歌って魔術みたいな感じか?ってあれ。
「あれ?先生よりステータスが高いとこがある」
「ステータスはそのレベルでどの程度かってものよ。大体全部がAとかになるとLVアップするわ。ちなみに魔力と知能はLV関係なく表示、CとBの間に大きな差があることは覚えておいたほうがいいかもしれないわね。ちなみに魔力は体が出来上がらないと全部使えないわ、注意しなさいよ?」
なるほどなぁ、だから天賦の才とかいわれながらすぐ意識失うのか。
「次、シン君」
あれ?いつの間に君付けになったんだろ、まぁいいや……。
『チン!』
俺だけ音が違うとかそういうことはないか……なんかがっかりだな。
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シン・クライス/???
種族:人/?
LV:24
ステータス
武術:SSSSS
制御:J
敏捷:B
体力:K
魔力:F-
知能:-
加護
【英雄神】【???】【武神】【幼神】
スキル
【練気】【超越】
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「これは……体術にぴっぱられ過ぎてとんでもないことになってるわね……やっぱ憑き物持ちね……それと、この加護はなんなのかしら……わからないわ……幼神はめずらしいわね」
こっちの世界の配慮かなんかか?あと幼神ってあいつか……?
『わしじゃよ!』
この世界の神は勝手に頭のなかに喋りかけてくるのですか?
『お気に入りだけじゃよ!』
そうか……ちょっと感動だ……。
「これは……!」
ガ……名前わかんねぇ……岩としよう。岩が勝手に見てきた。絶句してるしちょっと誇らしいな。
「すごいでしょ?」
「すげぇ、"B"以外初めて視るステータス表示だぜ……」
「低すぎると"J"になるのは知ってたけどその下もあって無さ過ぎると"-"になるのね……初めて知ったわ……」
「Lvアップしたときに最低は"L"になるってのは聞いたことあったけどまさかその下があるなんてな……憑き物だしSSSSSなんて項目あるしいろいろ規格外だぜこのボウズ……」
けなされしかしとらんのだけど……?
「さ、食べたら買えるわよ。ここはタダだし、たらふく食べなさい。ちなみに食べ物とかがタダになるのは地方のS級だけよ。大迷宮ではS級なんてゴロゴロしてるしそんなサービスはないわ」
このウマそうなもの全部タダなのか……!!S級冒険者目指すしかねぇ!!!
俺が驚いている隣でエコーねぇは獲物を狙う目をしていた。ここらへんは前の世界とかわらんなぁ……。
食べてる横でなんかすっげぇ話してたが食事は戦争だ。
たらふく食べたら眠くなった。あくびをする俺に見かねたリリケット先生におんぶされて俺は家に帰った。
し
あ
わ
せ
やっとステータスとかについて説明。
世界観はまだまだ。