6/15
勇者の横道
さしゃはゆうしゃをまじまじとみている
「ところでよお。武器もなにもなくてどうやって敵と戦ってきたんだ?」
「俺は俺の敵としか戦わない」
「意味わかんねえよ」
「必要のない戦いは避ける。だから武器はめったに使わない」
「ふうん」
「そしてなにより俺は素手でも強いのだ」
「なら俺と手合わせしてくれよっ」
さしゃはめをかがやかせている
「言ったばかりだろう」
「なにが」
「俺は俺の敵としか戦わん」
ゆうしゃはにげだした
ありすはためいきをつきひとりつぶやいた
「それらしいことを言ってはぐらかしているだけじゃあないですか」