迷える子羊に救いの手があらんことを
小説を書くのは、初めてというわけではありませんが、初めてに限りなく近い初心者です。
最初に断っておきますが、本作品は神を冒涜、または信者の方を卑下にするなどの意志は一切ございません。
全てはフィクションで想像上のものですのでご了承下さい。
軽い気持ちで読んでいただければと思います。
「迷える子羊に救いの手があらんことを」
町外れにひっそりと佇む古びた教会で、少女がひとり、神への祈りを捧げていた。
少女の容姿は特別見目麗しいというわけではないが、神の前で跪き、美しい声音で唄のように紡がれる祈りは、人を惹き付けるものがあった。
それは、
純白で。
純粋で。
純潔で。
純真で。
あるいは、とても人間的で。
愚かだ。
大昔の人間が現在の苦痛に耐えかねて見た未来(死後)の幻想。
天国などありはしないのに。
神など、居はしないのに。
「シスターさん。懺悔を聞いていただけますか?」
ゆっくりと、穏やかに、微かに声を震わせながら尋ねた。
「もちろんです。貴方がここまで辿り着いたのも、神のお導き。神は迷える子羊を必ずお救いになりますよ。」
「ありがとうございます。」
やっとみつけた。
俺の願いを叶える為の生贄。
この女の魂は一点の穢れもない。
聖母を思わせる輝きを放っている。
そして、俺の探し求めていたもの。
「では、懺悔室へ参りましょう。」
「はい。」
女の後ろをついて歩く。
つかず、離れず。
いつでも襲いかかれる距離で。
ウマそう
「えっ?!」
少女が驚愕に声を上げた時、空間が音をたてて歪んだ。
ピシィッ!
歪みから光が放たれ、思わず目を塞ぐ。
そして、再び目を開けた時には、そこには、見たこともないような美しい男がたっていた。
「チッ!!」
懺悔に来た男が顔を歪め、盛大に舌打ちをした。
そんな、いきなり態度の変化した男の様子など気にも止めず、少女は呟くように言った。
「天使さま?」
問いかけられた男は微笑みをたたえたままだった表情をさらに微笑ませ、恭しく一礼した。
「はい。私は、あなた方が“天使”と呼ぶ存在です。」
銀髪を腰の辺りまでのばし、その背には神秘的な輝きを放つ翼が生えていた。
とりあえず、続きます。
初心者ですので、お手やわらかにご意見、ご感想をいただければ幸いです。