【シナリオ:文字の無い図書館】4
【選択肢B】ロビーの隅にある「案内掲示板」に目が留まる。なぜかそこにある『館内マップ』だけは、文字が消えずにハッキリと残っていることに気づき、そこへ飛び込む。
「……あそこだけ文字が残ってる!?」
迫り来る怪異たちから視線を外し、ロビーの隅へ目を走らせた拓真は、ゲームの「イベントオブジェクト」を見つけるかのような直感で、その不自然さに気づきました。
すべての本、すべての看板の文字が消え失せたこの空間で、その『館内マップ』だけは、まるで強固な意志を持っているかのように、鮮やかなインクの文字と図面を保ち続けています。
「モジ……モジを……!」
背後から伸びる、インクで汚れた紙のような手を紙一重でスライディングするようにかわし、拓真は案内掲示板へと飛び込みました。
間近で見る館内マップ。そこには、普段の市立図書館には存在しないはずの場所が、黒々とした文字で書き加えられていました。
【地下2階:特別収蔵庫(禁書区域)】
その文字を見た瞬間、拓真の頭の中に、直接おぞましい「知識」が流れ込んできます。
――この図書館は、ただの図書館ではない。
世界のあらゆる『概念』や『歴史』を文字として喰らう、名もなき神性への供物殿。
今、この空間の『文字(現実)』が喰われ、白紙(混沌)へと還ろうとしている――
世界の裏側の狂気にほんの一瞬だけ触れてしまった拓真は、激しい頭痛に襲われます。
【SANチェック】
ダイス結果:成功
文学部の学生として、どこか「物語の核心」に近づいた高揚感が恐怖を上回りました!
SAN値減少:0 (正気度を完全に保っています!)
頭痛が引いた瞬間、館内マップの「地下2階」の文字が怪しく明滅し、かずまの足元の床が、まるで古い本がページをめくるようにパサリ……と音を立てて「反転」しました。
「うわっ!?」
重力を失い、真っ白な空間へと真っ逆さまに落ちていく拓真。
ロビーに残された怪異たちの「あぁ……文字が……行ってしまう……」という怨嗟の声が、遠ざかっていきます。
◇◇◇
ドンッ! と、硬い床に尻餅をついた衝撃で目が覚めました。
そこは、ひんやりとした静寂が支配する、石造りの地下室。
周囲を見渡すと、そこには上階の「白紙の世界」とは対照的に、禍々しいほどの文字、それも**人間には読めないような歪んだ発音の文字列(ルーンや未知の古代文字)**がびっしりと書かれた、巨大な黒い本が、部屋の中央の祭壇に鎮座していました。
その本の前に、一人の人物が立っています。
それは、白紙の怪異ではなく、ちゃんと「顔」のある、この図書館の老館長でした。しかし、その瞳はハイライトを失い、うつろに黒い本を見つめています。
「おお……新しい『記述者』が落ちてきたか。この本に、君のこれまでの人生、記憶、そして『名前』を書き込みなさい。さすれば、君は永遠の知識の一部となれる……」
老館長はそう言って、禍々しい装飾が施された一本の**「羽ペン」**を差し出してきました。どうやら彼も、この本に意識を乗っ取られているようです。
この黒い本こそが、図書館を異界に変えた元凶。
ゲームで言えば、ここが**「ラストステージの最深部」**です。
あなたの行動を選択してください
【選択肢A】 「記憶も名前も渡してたまるか!」と叫び、老館長の手から「羽ペン」を奪い取って、目の前の【黒い本】のページをズタズタに引き裂き、インクをぶちまける!(力技の破壊)
【選択肢B】 ゲームのギミック攻略のノウハウを応用する。自分の「スマホ」を取り出し、カメラのフラッシュ機能、または液晶の強い光を【黒い本】に直接浴びせて、闇の魔導書を拒絶してみる!(現代のテクノロジーで対抗)
【選択肢C】 文学部の知識を試す時。差し出された羽ペンを受け取り、本に自分の名前ではなく、**「怪異たちを消滅させるような即興の創作物語(あるいは、神話を否定する論理的な文章)」**をその場で猛烈に書き連ねて、本の因果を上書きする!(文字によるカウンター)
物語はクライマックス。拓真の決断は!?




