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AIと紡ぐTRPG冒険譚  作者: 黒緋クロア
大学生 相澤拓真の物語
17/38

【2周目シナリオ:新緑のゴースト・リゾート】1

全国規模で発生し始めた「世界の綻び(バグ)」。拓真と深海のバグハント・ロードムービー、**「第6話」**の幕が上がります。

ゴールデンウィーク直前の週末、拓真のスマホのアラートが激しく鳴り響きました。

示されたバグの発生源は、千葉県を飛び出し、なんと栃木県・日光の山奥。


プロローグ


「というわけで深海、今週末は日光へ遠征だ。……一応、サークル仲間には『温泉旅行に行ってくる』って伝えてあるけどな」

「わぁ、温泉ですか! 人間の文化でお留守番以外の旅行は初めてです。楽しみですね、拓真さん」

特急列車に揺られ、新緑が美しい日光へとやってきた二人。

しかし、観光地として賑わう駅前を離れ、アラートの羅針盤が指し示す「廃リゾートホテル」へと近づくにつれ、周囲の空気が目に見えて変質していきました。

そこは、バブル期に建設され、今は完全に放棄された巨大な廃ホテル。

敷地内に一歩足を踏み入れた瞬間、拓真の『創世のニューゲーム・クリスタル』が激しく脈打ち、深海の髪が警戒でふわリと浮き上がります。

「拓真さん、ここ、空間の結合エラーなんてレベルじゃありません。前世の『存在しなかったはずのデータ』が、この廃墟の記憶と混ざり合って、**独自のルール(ゲーム)**を作り出しています」

深海の言う通り、ホテルのエントランスを潜った瞬間、背後の自動ドアがバキィンと音を立てて消失し、完全な「壁」に変化しました。閉じ込められたのです。

さらに、ホテルのロビー全体のデザインが、まるで平成初期のチープな**「3Dホラー脱出ゲーム」のようなローポリゴン風の質感**へと、リアルタイムで書き換わっていきます。拓真たちの体すらも、輪郭が少しカクカクとしたゲームキャラクターのようになってしまいました。

ピロン♪ と、チープな電子音が響き、ロビーの壁に巨大なドット文字が出現します。


【ステージ:日光鬼怒川・廃リゾート】

【クリア条件:館内に隠された3つの『不具合データ(バグ・キー)』を回収し、最上階のスイートルームから脱出せよ】

【現在のエネミー:『粗いポリゴンの追跡者』が巡回中】


ドス、ドス、ドス……と、廊下の奥から、テクスチャが引き伸ばされたような、不気味で巨大な「歪んだ人型の怪物(ポリゴンが剥き出しの怪異)」が、不自然なカクカクとした動きでこちらに向かって歩いてくるのが見えました。

「チッ、今度はレトロホラーゲームの世界に閉じ込められたか。だが、仕様がハッキリしているなら攻略は容易い」

拓真はカクついた自分の右手を握り締め、不敵に笑いました。


あなたの行動を選択してください

【選択肢A】 ゲームの仕様(仕様穴)を突く。この手の古い仕様のホラーゲームなら、**「オブジェクトの隙間に挟まると、敵のAIが索敵を見失う(壁抜け・スタックバグ)」**というお約束があるはずだ。あえてロビーのカウンターの隅の狭い隙間に深海と共に滑り込み、追跡者をハメてやり過ごす!(ゲーマーの裏技・隠密)

【選択肢B】 深海のパワーを活用する。いくら世界がゲーム風に書き換えられていようが、深海の「水の力」は前世の本物だ。深海に「ロビーのスプリンクラーや排水管を破裂させて、フロア全体を水浸しにしてもらい」、敵の足元(物理演算)を狂わせて動きを完全に封じる!(環境破壊・戦闘)

【選択肢C】 記述者としての特権。スマホを開き、このホテルのテキストソースにアクセスする。**『このゲームには、最初から「すべての鍵を開けてクリア状態にする」という開発者用のデバッグコマンド(裏技)が存在する』**という一文を強引に書き加え、システム側からゲームを強制終了させようとする!(仕様書き換え・先制クリア)


2周目の初遠征、拓真はどの「攻略法」を選びますか?

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