表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートな催眠術を貰ったけど、エロい事には使わず、慎ましく生きようと思います!! ~青春を楽しみたいんだから、使わないって言ってるだろ!!~  作者: ふぇありす
2章:夏休み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

78/78

第23話:ミジンコみたいな体力でした……

皆の健康状態の確認を終えた頃辺りで、もぞもぞと荷物の山が動き出した。


「んんっ~あれー? ろうして真っ暗なの?」


「檸檬なのか? あの山……」


「あー、佐伯君! 今すぐ出て行って! 早く!!」


棚橋さんに圧をかけられ押される、荷物もまとめて無いしいきなり出れる訳無い。


「わ、ちょ!? 棚橋さん押さないで!」


「んー……とりゃ!」


一気に荷物の山が崩れる、そして現れる半裸の檸檬。


「わぁぁぁぁぁ!! 佐伯君向こう向いて!」


――パアンッ!


「ひぎゅう!?」


破裂音と衝撃で視界がグルんと回る、あの天井の木目、凄い人の顔に見えるな……。


「ひゃう!? 何で私、下着なの!?」


「アホ檸檬! アンタが風呂から帰って来てから、そのまま爆睡してたからでしょ!!」


ぎゃあぎゃあと言い合う檸檬達、どうでも良いけど早くしてくれないかな……。


「ほら、早く服着ちゃいなさい! 佐伯君が居るんだから!!」


「へっ? 何で翔がここに!?」


「だからほら! 早く服着る!!」


「ひゃあぁぁぁあ!? 私の服どこぉ!?」


とりあえず、顔にタオル掛けておこう……。


顔にタオルをかけて両手を握り合う、これで何も疑われるような事無いだろう。


「あった! よし着た!! って翔が死んでる!?」


「あ、あれ? つい思い切り叩いちゃたけど……まさか打ち所悪かった?」


かなり打ち所は良かったぞ、もう脳ミソが震えたもん。


「いや、生きてるよ。それよりちゃんと着替えは終わったのか?」


「終わったよー」


そう言いつつ顔の上のタオルを取る檸檬。


「わかった、じゃあとりあえず、仕事しちゃうか……」


それからというものの健康状態を聞いたり、身体の調子で気になってる部分が無いか書き込んでいく。


「オッケー、これで大丈夫かな」


「了解! じゃあ私走って来るね!」


「いやいや、もう夜だし。危ないぞ?」


「大丈夫大丈夫! ほんの少しだし!」


「あっちょ! 檸檬!!」


部屋を出てしまった檸檬、どうしようこれから。


「あー佐伯君、後は私達でやっとくから、檸檬に付きあってあげて」


「良いのか?」


「うん、私達が行くより全然防犯になるだろうし。それとも佐伯君が行った方が危ないかな?」


ニヤニヤと笑う棚橋さん達、流石に狼じゃないわい。


「それは無いから……ともかく行ってくるよ」


立ち上がり、荷物を渡すそれから慌ててろうかに出る。


「はーい、行ってらっしゃーい」


「頑張ってね~」


「骨は拾ってあげるからね~」


皆に謎の応援され俺は檸檬を追いかけた。



◇◆◇◆

走り出して30分、これでも毎日ランニングを欠かして無いのに、合宿所の外に出てから檸檬の背中をずっと見ている。


「はぁ……ひぃ……れもぉーん……」


切れ切れのの息で呼ぶ、もうそろそろ限界だ……棚橋さん達、頑張れとはこういう事だったのか……これはかなりしんどいぞ。


「あれ? 翔は何でここに?」


「はぁ……はぁ……そりゃ……檸檬をがこんな夜に走るって言うから……」


息を整えつつ、理由を口に出す……体力お化けめ……内臓がひっくり返るかと思った。


「たはは~……でも、まだ9時半だよ?」


「あのなぁ……明日は試合が無いとはいえ、朝早くから開会式なんだから……」


「そうなんだけどね~さっき寝ちゃったから、多分眠れないんだ」


「だからって、こんな夜道を走ったら危ないんだけど……」


「えーでも、誰も居ないよ?」


それに補導される時間……だけど、檸檬の言う通り周囲には誰も居ない。


「いや、誰も居ないなら余計に女の子が独り歩きしちゃ駄目だろ……」


額から汗が流れ落ちつつ言う、心臓も未だに早く動いている。


「女の子……そ、そうだね! 私も可憐な乙女でしたわ!」


顔を赤くした檸檬が言う、それに俺は乙女とか言ってないぞ。


「いや、乙女とは言って無いし……まぁ良いかそろそろ戻ろう」


「はーい、じゃあ走ろうか!」


「いや、流石に死ぬ……」


こちとら、まだ足も笑ってるんだぞ!


「仕方ないなぁ……マネージャーやってるのにその体力の無さは駄目だぞー」


「いや、体力はあると思ったんだけど……」


「確かに?……それに、私の後走ってたって事はそれなりに体力あるのかな?」


「というより、檸檬のスピードが速すぎるんだよ……あー足が笑ってる……」


明らかにジョギングの俺じゃ追い付けないスピードだ。


「えー? 仕方ないなぁ……」


そう言いながら手を出してくる檸檬。


「いや、流石に少し待てば歩けるし……」


「でも、時間は良いの?」


「あ……」


固まる俺、今の時間が9時半だとすると後30分でアウトだ。そして今走って来たのが30分……。


「間に合わないね……」


「すまん……膝が……」


「ありゃりゃ~ほいっ」


「すまん……」


差し出された檸檬の手を取り立ち上がり、震える膝に気合を入れて歩き出す。


「あはは、私も時間に気をつけとけば良かったね」


「というか、そんなに走って大丈夫なのか?」


「うん、だいじょーぶ!」


力こぶを作る檸檬、そこは腕なのだが……まぁいいか。


「何にしても、先に先生へ連絡しないとな……」


「あーそれなら私がするよ。翔は私を追って来てくれたんだし、事情の説明は私がするよ。翔はそれでも飲んで体力回復してて」


途中のベンチに降ろされ、隣の自販機で買ったスポドリを手渡される。


「あぁ、すまない……」


檸檬が少し離れた所で飲み始める、何か先生と話しているが少し遠くて聞こえない。


「まぁいいか……それにしても、星が綺麗だな……」


見上げると満天の星空である、地元じゃ明るすぎるからこの風景は凄く貴重だ。


「ちょ!? 先生帰りますから!! それじゃあ!!」


星空を堪能していると檸檬の大きな声が聞こえた、どうやら何か言われたのかもしれない。


「どうした檸檬?」


「イヤ、ナンデモナイデス……」


頬を赤くした檸檬を見ると、恐らく先生にからかわれたのだろうなと予想して、残りを一気飲みをした。

作者です。

水曜日は更新できずすみませんでした!


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!

活力になるので!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ