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チートな催眠術を貰ったけど、エロい事には使わず、慎ましく生きようと思います!! ~青春を楽しみたいんだから、使わないって言ってるだろ!!~  作者: ふぇありす
2章:夏休み

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第21話:大会へ出発

「さぁさぁ、やってきました北海道! ここから皆はバスに乗って移動するからね~」


快活な声の香澄先生によって俺達はバスへと乗る、大会は予備日含めての約1週間だ。


「とは言っても荷物もそんなに無いんだよな……」


香澄先生の用意周到な手配で殆どの荷物を事前に宿に送っている、なので持ち込みも殆ど無い。


「そ~だなぁ~先生を褒めるがいいさ」


「ありがとうございます、お陰で楽が出来ます」


という事で俺も早速バスに乗る。空いてる席を見つけ座ると、隣が弓場さんだった。


「あら、私の隣で良いのかしら?」


「まぁ、空いて無いから……」


「いえ……そうでなくて……まぁ、いいわ」


何か言おうとしたみたいだけど、弓場さんは止めてしまった。


「ほら~、皆座ったか~?」


「「「「「はーい!」」」」」


「酔いそうな、奴が居たら今の内に席を交換してもらえ~?」


「あ、あのぉ……私酔いそうなんで、席の交換をしてもらっても?」


1人の女子が手を挙げる、同じ一年の芦浦よしうらさんだ。


「あ~、佐伯君。そういう事だから、変わってあげて」


「はい、ごめんね前に座っちゃってて」


「い、いえっ! 私も急いで乗ってしまったので……頑張って下さい!」


謎の応援を受けつつ席を譲り、芦浦さんの座っていた所へ向かう。すると隣の席は檸檬だった。


「隣、失礼するな檸檬」


「う、うん……どうぞ……」


隣に腰を下ろすと、先生が再度、注意事項を話す。


「——という訳で、気持ち悪くなったとかトイレに行きたいという事があれば早めに言うように、運転手さんよろしくお願いします」


「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」


その掛け声と共にバスが出発した。



◇◆◇◆

「そういえば檸檬、調子はどうだ?」


不思議な沈黙が続いたので話を切り出す。


「あーうん……悪くないよ、むしろ調子がいい」


ニヤリと檸檬は不敵な笑みを浮かべる。


「しかし、1年生でインターハイ出場かぁ……檸檬って凄いんだな……」


「そーでも無いよ、団体とダブルスでの出場だし」


「そういえばダブルスやってる人、少なかったよね?」


2~3年生は人数が少ないのもあるけど、基本は皆シングルでの出場が多い。


「あーそれはね……去年卒業した先輩たちって凄いダブルスが強かった……らしい」


「へぇ……そうなんだ」


「うん、それでねどうしてもダブルス枠が今年は埋まらなくて、私とひとみんと2年生の人達で急遽組むことになったんだ」


「それでも、勝ち抜いて選抜メンバーに選ばれるのは凄いよ」


「えへへー意外とカチッと嵌まったんだよね」


少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに言う。


「そうだ、檸檬の試合は何日だっけ?」


「おいおい~マネージャー、把握しておいてよぉ~」


「いやいや、そうは言っても檸檬さんね、日程表がこれなんですよ」


そう言いながら香澄先生から送られて来た日程表を見せる、書かれているのは日程だけで詳しい試合日程は書かれてないんだよね。


「ほんとだ……それじゃあ困るだろうし、私が最新版の送っておくよー」


――ヴヴッ――ヴヴッ。


届いた中身を見ると詳細な内容が書かれていて、檸檬の出番は2日目の団体戦と5日目のダブルスである。


「へぇ……2日目って、皆間に合わないんじゃ……」


「あはは~団体は勝てれば3日目あるから……駄目だったらダブルスの方を見てもらうし……」


そう言って、頬を掻きながら言う檸檬だった。



◇◆◇◆

そして長いこと揺られ、到着したのは練習試合の会場である高校だ。


「さて、じゃあ俺はこれから荷物を降ろしたりするから、先に降りるね」


皆に断りを入れて先に降りる、バスのトランクからラケットバッグ等を受け取り手渡していく。


「ありがとーしょー君」

「ありがとう佐伯君」

「ありがとうございますわ、佐伯さん」

「いやー男子が居ると遠征も楽だね~」


と、次々荷物を受け取りながら、ねぎらいの言葉を掛けてくれる皆、その途中檸檬と先生の話が聞こえて来る。


「香澄せんせー! 翔に新しい日程表渡してなかったでしょー!」


「そうだったか?」


「そーですよー」


「そうかーじゃあ後で送っとくか~」


「いやいや、もう送りましたって……」


「そうかーすまんな~」


「しかし、君も大変だなぁ……」


その声に顔を上げると部長さんが居た。


「部長さん!」


部長のラケットバッグを探して手渡す、すると部長が顔を近づけて来た。


「ありがとう、佐伯君のお陰で皆がキチッとしてくれてるよ」


「へ? それって?」


「あぁ、ウチの部活は女子しか居なかったからね。どうしても同姓のみだと手を抜いたり、だらけたりする部分があるんだ」


気まずそうに苦笑いをする、そういえば前世の時に女性オンリーの部署は意外と汚いと聞いた事がある。


「あーなんとなくわかります……」


「おや、君はわかるのかい?」


怪訝そうな顔をする部長、これは不味い返しをしたかも……。


「えぇ、ウチに妹が居るのですが。俺と同室だった頃は綺麗に片付けてたのに。部屋が別れたら、服は脱ぎ散らかすわ、漫画は片付けないわ……と酷い有様だったので……」


すまん由愛……犠牲になってくれ……。


「あぁ、そういえば妹さんが居たんだね、そうか……見た目はカッチリしてたけどそうなんだね」


「あはは……言ったら片付けるんですけどね……」


「何、皆そうさ」


目線を逸らしながら言う、まさか?


「まさか、部長さんも?」


「はははーナンノコトカナー」


余計目を逸らし始めた……。


「つまり、この大会期間中、そういった事に大分出くわすと?」


「………………すまない……」


真面目そうな先輩なのに……。


「流石に、下着は放置しないで下さい……」


「うん、言い聞かせるよ……」


なんというか、前途多難な気がする合宿が幕を開けた……。

作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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