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第18話:やらかした……。

蕾を拾って家に帰ると妹の由愛ゆめがお風呂から出た来たタイミングだった様で脱衣所から出るところだった。


「えっと、お兄ぃ……人攫いは犯罪だよ?」


「攫っとらんわ! 蕾だよ! よく見ろ!!」


「やほ~、ゆめちゃ~ん」


のんきに手を上げる蕾


「わー蕾先輩だーお兄ぃにお持ち帰りされたの?」


「そ~なんだよぉ~、しょーったらごういんにい~」


「違うよ!? なんで蕾そんなにノリノリなの!? いやノリは良いか」


「3徹目だからねぇ~」


だからいつもより眠そうなのか……というか3徹とか流石高校生……。


「さて、蕾先輩はどうして来たの? ホントにお持ち帰りされた?」


「いや~今日はねぇ~、しょーのお母さんにぃ~用事があってねぇ~ふぁぁ~」


「お母さんに? まだ帰って来てないよ?」


「あれ? 今日早いんじゃなかったっけ?」


予想外に母さんはまだ帰って来ていなかった様だ。


「私がお風呂入る前に連絡あって、今日は少し遅くなるんだって。お父さんは今日出張だし。夜ご飯は私かお兄ぃで作ってだって」


「そっか、それじゃあ蕾どうする……って蕾?」


視線を落とすとうつらうつらしている蕾が居た。


「うーん、帰ろうかなぁ~明日くればいいしぃ~」


「いやいや、眠そうだろ……って由愛、そんな人でなしを見る目をするな!」


もう既に眠りに落ちかけてる蕾を支えていると由愛が生ゴミを見る様な目をしている。


「お兄ぃサイアク~ その状態の蕾先輩を外にほっぽり出すとか~」


「いや、そんな事はしないぞ!? でもどうするか……」


「Zzz……」


完全に寝落ちた蕾を見つつ、リビングだと起こしそうでどうしたもんかと考える、我が家は一軒家だけど客間なんて無いからなぁ……。


「いや、お兄ぃの部屋で寝かせとけば良いじゃん。お兄は最悪リビングのソファーで良いでしょ?」


しれっと言う由愛、いやいや俺のベッドとか蕾も嫌だろ。


「多分お兄ぃの考えてる事は杞憂だと思うなぁ……(ボソッ」


「ん? 何か言ったか?」


「いーえ、何でもないよ~大丈夫大丈夫。お父さんと違って臭くないから♪」


父さんが聞いたら、消臭剤のプール身投げしそうなこと言うなよ……。


「由愛、それ父さんには言うなよ……多分ショック死するから」


「まぁ、お兄ぃなら最近気を使ってるからか良い匂いだから大丈夫だよ~それにほら、早く休ませてあげないと」


「それもそうだな……、よっと」


お姫様抱っこで持ち上げるとかなり軽い、筋肉質な檸檬や肉付きの良い真白と違って軽すぎる。


「わーお……流石お兄ぃ手馴れてるぅ~」


「茶化すなよ、それと制服のままじゃ辛いだろうから。楽にしてくれ、頼んだぞ」


「はーい、じゃあ私もついてく方が良いか~」


めんどくさそうだけど着いて来てくれる由愛。蕾をベッドに寝かせていたら由愛が服を持ってきた。


「いやその服は?」


「楽にしてくれって言ってたけど、そのまま寝るとスカートが皺だらけになっちゃうから着替えさせるのよ」


「そういえばそうか、って脱がし始めるな!」


「はいはーい、お兄ぃは早く出て行って~」


由愛に追い出され、廊下に出る


「はぁ……風呂でも入るか……」


夕食を作るにしても砂と汗で汚れてるから一度綺麗にしないとな。




◇◆◇◆◇◆◇◆

たっぷり30分程風呂に浸かる、少し焼けた肌に冷感の入浴剤が心地いい。


「ふぅ……後1週間ちょいか~大会の後続けるかそろそろ考えないとなぁ……」


データを集めたり、皆のサポートをしてるのが意外と楽しいのだ。かといってこのまま夏休み明けまでやってると絶対に成績が落ちるんだよなぁ……。


「現に、今夏休みの宿題も全然進んで無いし……流石に学校の勉強に余裕が出来るまではだめかなぁ……」


もしやるならもう少し基礎的な勉強を頑張らないとな。


「ともかく、大会後は一旦毎日の手伝いはやめさせてもらって。勉強だな……」


夏休み最後の1週間は藍那あいなにお呼ばれしたバイトの件もあるし、今の内に前期復習と夏休みの宿題を終わらせないとな。


そんな事を考えて風呂から上がり気が付いた。


「やらかした……」


急いで出て来たので服を忘れていた、どうしよう……。


「由愛に持ってきてもらうか? とりあえずスマホで……」


 ⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤<由愛>⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤

『なぁ、妹様よ、頼みがある』


                『何? お兄ぃ? 気持ち悪い……』


『服忘れた……』


                             『は?』


『風呂入ったんだけど、部屋に服忘れた……』


           『え~無理、お兄ぃパンツとか触りたく無いし』


『そこを何とか!!』


           『まぁ、今コンビニだから無理なんだけどね!』


『マジか……』


                    『なので諦めるがよろし!』

  『それに、私が着替えさせた時、蕾先輩爆睡してたし大丈夫だよ!』


『わかった、その言葉を信じる』


          『あ、そうそう。お母さんまだ帰って来てないよ』

       『つまりその家、今。お兄ぃと蕾先輩の二人きりだから』

                          『健闘を祈る』


『祈るなぁ!!!』

 ⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤⏤

親指を立てたスタンプが連呼され、俺はスマホを投げた。


「ともかく、蕾は寝てるみたいだし、今の内に取って来るか」


腰にバスタオルを巻いて部屋へ戻ると、由愛の言っていた通り蕾は寝息を立てていた。


「よし、今なら……」


クローゼットの引き出しから服と下着を取り出した瞬間……。


――――♪♬♩♫。


蕾のスマホが大きな着信音を鳴らした。


「んぁ~寝ちゃってたぁ? しめきりがあるのにぃ~」


そしてばっちりと俺と蕾の視線が嚙み合った。


作者です。

ストックが無いので、週2か週3更新になります、すみません……カクヨムのコンテストに向けて新作も書かないといけないので……。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!

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