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第16話:モデル撮影③

「いいよぉ! その調子その調子!!」


フラッシュに照らされ撮られた、真白の真っ赤な顔とうっすら赤くなった俺の顔が画面に映し出される。


真白の頬に触れそうな位の位置に口を寄せ顎を持ち上げる。


どこかのTLコミックの表紙を思わせる角度だ。


「うきゅぅ~……はっ!? 朱燐しゅりん様!?」


しかもさっきから真白が気絶と覚醒を繰り返してる。


「真白~気絶ばっかりしてると憧れのシチュエーションが出来ないよ~」


と、檸檬が真白を冷やかす。


「れれれ、檸檬ちゃん!?」


「憧れ? どんなのだ?」


「えっとね~」


檸檬が近くに来てスマホの画面を見せる。


俗に言うスチルというシーンの映像を見せられる。


「へぇ……これ位なら」


「そうね……そう言えば、倉庫に似たような衣装あったわね……」


横から覗いてきた紗耶香さんが答える。


「良いじゃん! 真白! 着替えに行こうか!」


「ふぇ!? 檸檬ちゃん!?」


そう言って檸檬と紗耶香さんが真白を引っ張っていった。


「じゃあ、翔君はその間に写真撮りましょうね」


ゲームのキャラである朱燐のモーションから合いそうな部分を切り出したスクショを見ながら姿勢や恰好を合わせて撮る。服の靡き方とかは違うが現実の洋服なのでこんなもんだ。


「いやぁ……いい感じね、コスプレ撮影とかしてたの?」


「い、いやぁ~そんな事は無いですよ?」


脳裏に一瞬厨二時代に部屋でカッコ良いポーズを研究してた事やアクションシーンの真似事をしてたのがよぎって行った。


「そーなんだ、何かこなれてるから驚いちゃったよ~」


「あは……あはは……」


(うん……あの事なら墓まで持って行こう……由愛にもバレてもない筈だ……)


「それじゃもうひと頑張り、今日はこれが終わったら翔君は終わりだからね~」


「はい、よろしくお願いします」



◇◆◇◆◇◆◇◆

そして俺の撮影が終わった頃、真白が戻って来た。


先程の冬の装いから一転して純白のドレスを纏っている。


「ましっ、真白!?」


「うっ……出来ればあまり見ないでいただけると……うん」


「いやぁ~真白ちゃんが可愛いから気合入れちゃた!」


紗耶香さんが額を拭うふりをしてサムズアップをする。


「というか、なんでウェディングドレスなんて?」


「いやぁ~前にエミリーの結婚式用にドレスを何種類か作ったのよ~それはその内の1着」


母さんがスタジオの入り口からお弁当を持って入って来た、そういえばお昼がまだだったな。


「終わったらみんなで食べて頂戴。それとエミリー、データは?」


「OKデース社長!! 見て下さい! この三人最高ですよ!」


そう言って母さんにノートパソコンを見せる、画像を見ていく母さんの顔色がニヤケ顔に変わっていく。


「いや~良いわねぇ~三人とも」


「ですよね! ですよね! もう撮ってて楽しいですよ!」


「わかったわかった! それで檸檬ちゃんは?」


「えっと……檸檬ちゃんなら……」


「ちょ!? 紗耶香さん!?」


「ほらほら~もう着ちゃったんだし、観念しなさいよ~」


紗耶香さんに引っ張られ檸檬が出て来る。真白と同じ様にウェディングドレスを着ている。


「わぁ! やっぱり檸檬ちゃん綺麗!」


「うん、似合ってるぞ」


真白が檸檬の周りをぐるぐると見回ってる。ヒールなのによくあんな素早く動けるな……。


「それじゃあ始めましょう!」



◇◆◇◆◇◆◇◆

まず先に檸檬からで檸檬は特になくてエミリーさんが提案したのはお姫様抱っこだったので安心だ……。


(と思った時期が俺にもありました)


「えっと……もっと顔寄せないと!」


「「こ、これ以上ですか!?」」


檸檬は俺の首に手を回し顔にかなり近い位置で見つめ合う。


「そうよ! もっと寄せないとカップル感出ないじゃない!」


「寄せるって!?」


「もう顔ひっつきそうだよ!?」


「良いわね! ほっぺた位くっつけましょう!」


「「!?!?!?!?」」


「ほら、ぐいっと」


そう言われ顔をひっつけられた。


「ぷひゅ~」


そうして顔をひっつけられた瞬間檸檬が変な声を上げて気絶してしまった。


「なんだ……つまらないわね……」


エミリーさんが若干不満そうに舌打ちしながら離れる。その隙に檸檬を抱え直す。


「とりあえず、椅子に座らせてっと……」


手近にあったブランケットをかけて戻る。


「それじゃあ次は真白ちゃんの番だね♪」


エミリーさんがニタニタと笑う。


「そ、それじゃ翔君! お、お願いします!」


そう言って真白が見せて来たタブレットには1枚のスチルが写されていた。


「えっと……これ大変じゃないか?」


「う、うん……でも知らない人じゃお願い出来ないから……」


「わかった。がんばるわ」


「お願いします!」


そう言って体重をかけて来る真白。スチルはクライマックスなのかヒロインの胸に短剣が刺さり朱燐の腕の中で息絶えてるシーンだ。


「真白、一旦寝かしてから持ち上げるから力を抜いてくれ」


「う、うん……」


持ち上げると余計真白の大きいものが目に入る。


「もう少し持ち上げるな」


そう言って持ち上げた瞬間、『——パチン』と音が鳴った。


その瞬間理解した。そういえばゲームのヒロインは胸が薄かった。


咄嗟に目を閉じるが何度目かの真白の生乳が目に焼き付いた。


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!


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