|幕間|皆の想い。
◇千夜子side◇
あんなことがあった花火大会が終わり、佐伯君と話していたらかなり心のもやもやが無くなった。
「ふふっ……まさか私が佐伯君と、食事に行くなんてなぁ~」
お手伝いに来ている時に使ってる部屋のベッドで、転がりながら天井を見る。
「でも……お食事に誘うなら、佐伯君じゃだめだよねぇ……」
確か名前は……。
「翔君……」
(!?!?!?)
なんだろう、今佐伯君の名前を呼んだら心臓がめっちゃドキドキしたんだけど!?
「う、うん! 佐伯君、佐伯君、佐伯君!」
名字は大丈夫!
「翔君」
ヤヴァイ……心臓が破裂しそう……。
「フーッ、フーッ……」
枕に顔を埋める、ちらりと枕元を見るとあの時貰ったお守りが目に入った。
「どうしよう、こんなんじゃ名前で呼ぶなんて無理だよぉ……」
わたしの悶々とする気持ちと比例して夜は更けていった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
◇真白side◇
翔くんのお風呂から上がった後、私は檸檬ちゃんとバトンタッチして部屋に戻っていた。
「くおおおおおお……」
見られた……。
以前はショッピングモールで下着姿は見られたけど。まさか、透けるから気をつけなさいと言われていたのにやらかすとは。
しかも自分が横着して転びかけたところを庇ってもらった訳だから余計に始末が悪い。
怒るに怒れないし、これで怒ったら理不尽とか怒られちゃうよなぁ……。
「というか、最初からTシャツ着れば良かったんじゃない!?」
それを認識するともう顔から火が出そうになる。
「何やってるんだ私ぃ!!」
幸いまだ檸檬ちゃんが帰って来てないから隠せるけど……。
「それにしても、翔君の身体凄かったな……」
お父さんとは違う、男の人の肉体。それにお父さんみたいにお腹が割れているんだもん。
「かといって、テレビで見るマッチョさんとは違うんだよね……」
ボコボコになった筋肉は気持ち悪いけど……すらっとしたしなやかさのある筋肉はカッコ良かった。
そこで自分のお腹をつまむ……ぶにっとしてる。
「まさか……ふとっ!?」
「ただいまぁ~」
「ふぉあああああ!?!?」
「なになに!? どうしたの!?」
「なんだ、檸檬ちゃんか……」
「何だとは失礼だなぁ~」
「ごめんごめん」
「全く……」
そう言って檸檬ちゃんはベッドに腰かけ何か悩み始めた。
◇檸檬side◇
「どうしよう……」
先程見た光景が忘れられない……。
(みちゃった……)
男の人の……いや翔のおち〇ちん。
思い出すと顔が赤くなる。
「ぬおおおおおおおお!?」
しかも昔見たお父さんと違って大きかった……。
「ふおおおおおおお!?」
(忘れなきゃ、忘れなきゃ忘れなきゃ……)
だけど忘れようと思えば思う程、悶々とした記憶が蘇って来る。
(そうだ、お母さんに連絡を入れなきゃ!)
スマホを取り出しお母さんに連絡をする、真白が先に言っててくれた様で真白から聞いた旨が伝えられた。
そうして連絡を終えた私はウェブアプリの検索欄に『お〇んちん 大きさ』と打ち込んでいた。
「いやいや、駄目でしょ!」
無意識で検索してたことにセルフツッコミっをして、思い出し悶絶していると同じ様に悶絶している真白と目が合った。
「えと……真白はどうしたの?」
「うぅ……みられたぁ……」
「下着?」
「(ふるふる)」
「マジか……」
あんにゃろう、真白のおっぱいをタダ見したのか。
「殴って来る?」
「ううん、私のやらかしだからいい……それと、直じゃ無いから……」
「直だったらぶん殴りに行ってるよ」
にこやかに言うと真白は焦り出す。
「そ、それはそうと檸檬ちゃんはどうしたの?」
「え?」
「さっき悶えてたじゃん」
「あ~あれは……」
どうする? 言うか? でもこのもやもやは共有したい……。
「見ちゃったの、翔の」
「みちゃったって? 何を?」
「お(自主規制)ん」
「!?!?!?!?」
途端に顔を真っ赤にする真白。そうだよね、そうなるよね。
「え? どの位だった?」
「どのくらいぃ!?」
気になるのか真白は……。
「わからないけど……割りばしくらいの長さ?」
「それは無いでしょ~だってあれ20センチくらいあるよ?」
「上から見ただけだし、よくわからなかったからね~」
「そっか……」
興味を無くしたのか、真白はおずおずと自分のベッドへ戻っていき布団にくるまった。
私も寝よう……。
布団に包まって、電気を消した。
◇◆◇◆◇◆◇◆
◇藍那side◇
「お嬢様、どうでしたか?」
翔さんからコーラを貰い部屋に戻ると、鳴海が湯上り姿で待っていた。
「えぇ、翔さんには存分に堪能していただけました~」
「それは良かったです」
「でも、エアーマットのマッサージの方は断られてしまいましたわ……」
「まさか本当に勧めるとは……(ボソッ」
何か鳴海が言ったが聞こえなかった。
「鳴海? どうしたんです?」
「いえ何でもないです! それよりまたコーラですか?」
「えぇ~ 好きですので~」
コップに移し替えて口を付ける。
「それよりお嬢様、夏になったらお見合いの件、忘れずに」
「わかってますよ~むぅ……鳴海はせっかちですね」
「ですが……」
「大丈夫です、先方も決して嫌な顔は致しませんので」
「それなら良いのですが……」
不服そうな鳴海との話を切り上げてコーラを流し込む。さて、いつお見合《お話》いを進めましょうかね……。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「よし、これでしゅーりょー」
私はノートパソコンを閉じて伸びをする、するとお姉ちゃんから着信がかかって来た。
「もしも~し」
『蕾!? 大丈夫なの!?』
「うん~大丈夫だよ~」
『良かったぁ……』
「それでぇ~さっき送った証拠、県警の方に送っておいてねぇ~」
『わかったわ、それにしてもこの量凄いわね……軽犯罪から麻薬の密売ルート迄、どうしたのよ?』
「いや~真白達が危害にあったからねぇ~少なくともその落とし前はつけないとぉ~」
『我が妹ながら敵に回したくないわ……それで愛しの彼は大丈夫なの?』
「いいいいいい愛しの彼って何の事ぉ~!?」
『いや。アンタ、クローゼットの中身散らしっぱなしだったでしょうか……お母さん達に見つからない様に片付けといたわよ……』
「ぅっ……それはありがとぉ~」
『それじゃあお土産よろしくねぇ~」
そう言ってお姉ちゃんとの通話は切れた。
「うぅ……アレを見られるとは……」
家に帰ったら隠し場所を考えなければ……。
そう思いながらベッドへ潜り込んだ。
作者です。
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