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第40話:うちの家族と浴衣選び。

それから俺は母さんに連絡すると二つ返事でOKが出た。


「とりあえず今週か来週の休みにスタジオと浴衣手配してくれるらしいから、一度合わせに来て欲しいって、それと皆の全身写真とを送ってくれだって」


「おぉ~」


「凄い……」


「びっくりだねぇ~」


「凄いわね……」


「えっと……翔さんのお母様って、もしかして【SAEKI】のデザイナーさんですか?」


藍那が首を傾げながら聞いてくる、そういや説明してなかったっけ。


「そうだよ、結構小さい事務所だから、知らないと思ったんだけどね」


母さんがデザイナー兼パンタナーをやっている事務所でほぼ趣味でやってるのだ、追加で偶にモデルもやっている。


「いやいやいや! 女の子で【SAEKI】を知らないとか無いから!」


「そうだよ! 正体不明のデザイナーがやってる和から洋までどのジャンルでも有名なんだから!」


「そーいえば~お姉ちゃんが好きだったねぇ~そのブランド」


「佐伯君まさか知らなったの?」


「いや、女子の服とかあんまり興味なかったし……」


前世だと母さんも普通の会社員だったんだよね……父さんの化粧品会社で働いてただけの普通の人だったし、そりゃ死ぬちょっと前に「最近服作りが趣味で~」とは言ってたけどさ。


「かぁ~もったいない!」


「もったいないよ!」


真白と檸檬が額に手を当てながらやれやれみたいなポーズしてる。


「でもぉ~なんで~全身写真なの~?」


蕾が不思議そうに聞いてくる。


「あぁ、それは。多分浴衣の色とか髪型とか小物みたいなものを合わせるのに使うんじゃないかな?」


「へぇ~、そーなんだぁ~」


「まぁ、俺もよくわかってないけどな。そうそう雨音、お前の分の写真も撮るぞ」


雨音に向き直り、そう言うと、不思議そうな顔をされた。


「へ? 俺も?」


「そりゃそうだ、俺だけ浴衣にさせるつもりか?」


「いやそれは無いけど、というか俺去年着た奴があるからなぁと思ったんだが……良いのか?」


「平気だよ、どうせ俺の分も用意するだろうから一人増えても変わんないって」


「そうか、それなら頼む」


「おう、任せろ」


そうして皆の姿を写真に収めて母さんへ送った。


「そうですか……翔さん、貴方が……」


◇◆◇◆◇◆◇◆

そして次の日曜日、俺達は母さんの事務所に併設されたスタジオに来ていた。


「わぁ……ここが……」


「【SAEKI】の事務所……」


真白と檸檬が唖然としている。


「そんなに大きくないだろ? ここはスタジオだから色々と機材があるから広いけどね」


カメラに証明。背景用のスクリーン等沢山の機材と、母さんが用意したとりどりの浴衣がある。


「皆さんいらっしゃーい」


スーツを着た母さんが降りて来る。


「「ほ、本日はよろしくお願いします!」」


「緊張しないで良いのよ~」


そうして母さんによる女性陣のショータイムが始まった。



◇◆◇◆◇◆◇◆

「という訳で、コーヒでも飲むか?」


「あぁ頼むわ」


今は皆が着替えるとの事で追い出されて事務所の方に居る、多分これから数時間はかかるんだろうなぁと思いつつコーヒーをすする。


「しかし、凄いなお前のお母さん、まだ20代に見るぞ」


「まぁな、でもアラフォーだからな」


「マジか……」


「ちなみにこれ父さんな」


スマホから家族写真を見せると、雨音が目を剥いて驚く。


「おまっ……これマジに20代と言われてもわかんねーぞ……」


「ホントそれな……入学式なんて、受付やってた上級生皆両親みてたぞ」


まぁお陰で俺は変に目立たずに済んだけどな。


「なんか、翔と由愛ちゃんがやたら美形なの理解したわ……そりゃそうだわ」


「しかしさ、この写真の翔。すげぇ厨二だな……」


「やめろ、それは言うな……」


指に鎖付きの指輪して手首にシルバーリング、まるでク〇ピカみたいだし。眼帯に黒のカラコン、左手に包帯巻いてるクソ痛い姿だった。


「そういえば翔のこの服……そうか……」


「ん? どうしたんだ?」


「いやね、どっかで見た事あるな~って思ったらさ。コレよコレ」


雨音があるアーティストの写真を見せてきた、これはパンクロックとV系か……。


「それでこれがどうしたんだ?」


「いやいや、よく見るんだこの服」


まじまじと見ると、俺が厨二時代に来てた服と同じ服がそこにあった。


「よくわかったな」


「まーねー好きなアーティストだし、まさか翔がその服の元だとは思いもしなかったがな」


「俺もびっくりだわ」


「そっか……翔がヴィス様と同じ服を……」


「ヴィス様って……その服着てる人か?」


「あぁ、ヴォーカルやってる人な、一時期その服めっちゃ好きみたいで今はデザイナーが作ってくれないとかで嘆いてたぞ」


リクライニングを少し倒して、ぐるぐる回る雨音。


「あーうん、まぁ俺が厨二を卒業したからだと思う」


そう言うと少し考え込む雨音。


「なぁ、翔さ――」


「やらないからな」


「やっぱ駄目か……」


「俺は戻らないけど、母さんに《《そういう服》》をデザインしてもらう事、少しは頼む事が出来るぞ」


「マジか……ありがとう!」


「ちょ! おまっ! 暑苦しいわ!!」


立ち上がり抱き付いてきた雨音を引き剥がそうと悪戦苦闘する、力強いな! もう!!


「良いじゃないか!! 感謝するぞ!!」


「やめい! こんなとこ誰かに見られたくない!」


「翔君、雨音君、おわっ……」


「どうしたのまし……」


「濃厚だねぇ~」


「うわっ……」


「仲良さそうで良いですね~」


そうして、雨音に全力で抱き付かれてる所を真白達に見られてドン引かれた……

作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

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