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第12話:買い物デート①

 突然だが、今俺は凄くヤバい状況だ。


 どうしてかって?


 今、更衣室で絶賛下着姿の真白を押し倒してるからだ。


 どうしてこうなった……。


 どうしてこうなった!!!!!!


 ◇◆◇◆◇◆◇◆

「そういえば、翔。アンタ、オリエンテーションの時、パジャマはどうするの?」


 金曜日の朝食の席で母親から唐突に言われた。


「へ? パジャマ? 学校のジャージで良くない?」


「あんたねぇ……ジャージはハイキングで使うでしょ? そうしたら夜着るものが無いじゃない……」


 そう言われてみればそうだ、前世は適当なスウェット持って行ってたな……。


「うーん適当なスウェット持ってくよ」


「え゛? アンタまさか、あんな痛いスウェット持って行くの?」


「あ゛……あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!」


 母さんに言われ思い出す、何か英字のとか竜が書かれた小学校の裁縫箱のドラゴンみたいな柄のスウェットしかねぇ!!


「やばいやばいやばい……俺の高校生活が終わる……」


「それにあんた、歯ブラシセットとか持ってないじゃない……」


「忘れてた……」


 そうなるとオリエンテーションで、必要な物がとても多くなる。


「仕方ないわね……お金渡すから、土日のどっちかで行ってきなさい」


「わかった、ありがとう母さん……」


 少なくとも頼れる軍師《母さん》のお陰で、高校生活末までの恥をかかないで済みそうだ……。


「それじゃあ母さん行くわね。洗い物、水に浸けといて」


「はーい、いってらっしゃい」


 そうしていつも通りの時間に真白達との合流駅に向かい、朝あった事を話すと。


「それなら皆で日曜日に買い物行こうよ!」


 という檸檬の一声で、郊外にあるショッピングモールへ行く事になった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆

 そうして日曜日、妹の由愛を連れて(連れて行けとうるさかった)皆との合流地点へと向かった。


「おーい翔!」


「ヒュッ――――」


 集合場所へ一番に駆け寄って来たのは檸檬で、ぶかぶかのパーカーにミニのデニムスカート、足元はレギンスとスニーカーのカジュアルコーデだ。


「あれ? 檸檬だけ?」


「真白はトイレ行ってるよ」


「そ……そうか、まぁ先に挨拶しとこう。このガチガチに緊張してるのが妹の由愛だよ」


「しゃしゃしゃえき! ゆゆゆ由愛でしゅ!!」


 緊張しすぎてちょっと面白い。


「うん! 由愛ちゃんで良かったかな? 試合では何度か戦ったことあるけど、こうして一緒に遊ぶのは初めてだね! よろしく!!」


「カヒュッ――――」


 てをぐっと掴まれた由愛が固まる、大丈夫か、コイツ……。


「ほら、由愛。ちゃんと挨拶しないと失礼だぞ」


 由愛の頭をポンと叩いて、正気に戻す。


「はは、はいぃ! よろしくお願いします!!」


「ふーん……」


 ニヤニヤと笑う檸檬。


「ん? どうした?」


「いやぁ……しっかりお兄ちゃんしてるなぁって、思って」


「しっかりとは何だ、しっかりとは……」


「いやー、たまーに真白が見せる、なんちゃっておねーちゃん風とは違う感じのヤツ」


「なんだそれ……」


「まぁ良いじゃん、それより由愛ちゃん! 今度一緒に遊ばない!?」


「ふぇ!? そそそそそんな恐れ多い!!」


 そういって由愛を連れて行く檸檬、そしてその入れ替わりにやって来る真白達。


「ごめんなさい! トイレが混んでまして!」


 そういう真白はフリル多めの上下一体のじゃないタイプのワンピース、確かティアードワンピースだったかな?それにロングスカートからは白色のタイツが見える。もちろん寒くない様にニットのカーディガンを羽織っている。


「うん、檸檬から聞いた、仕方ないよ休日だもん」


「そ~だねぇ~女子は回転率が悪いからねぇ~」


 逆に蕾は珍しく髪を解いてTシャツにサロペットのシンプルな服装だ、足元がやたらゴツイ靴なのは何故だろう……


 回転率とか言うな、回転率とか。


「蕾さん……あまりそういう事、言わない様に……」


 弓場さんも呆れつつ、ツッコミを入れる。


 そんな弓場さんの服は白の紺色のロンTに白色のパンツだ、一番寒そうなんだけど大丈夫かな?


「それで、雨音は?」


「あぁ、雨音なら、今IC定期にお金入れてるわよ」


 そういうと雨音がこちらへ来た、雨音の服は……まぁいいか男だし。


「それじゃあ、一旦ウチの妹を紹介しよう。おーい檸檬、そろそろ由愛を返してくれ」


「え~仕方ないなぁ……」


 そういって由愛を連れて来る。


「それじゃあ、コイツが俺の妹の由愛、っていっても知らないのは真白と蕾くらいか」


 そう話してると弓場さんが前に出た、そう言えば何かあったらしいな。


「佐伯さん……お久しぶりですね……」


「あっ……弓場先輩……」


 そう言って少し気まずそうにする由愛。


「大丈夫です、特に怒ってたりはしません。あれも私の不注意で起きた事、気にする必要はありません」


「で、でも……」


「まぁ確かに恥ずかしかったですし、やらかしたのは悔しいですが。それはもう呑み込みました、ですので今度はお友達として一緒にやりましょう」


「はい、ありがとうございます」


「良かった良かった……」


「なぁ檸檬、何があったんだ?」


「あぁ、知らないんだね翔は、ほ、ほらテニスって下に履くじゃん……」


 檸檬が顔を赤くして答える。


「あぁ、なんとなくわかった……」


 そりゃ恥ずかしい訳だ……


作者です。


本日も読んでいただきありがとうございます!

もし良かったら☆やいいねをくれると嬉しいです!!

活力になるので!!

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