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徒然異世界日記  作者: えつお
異世界のホームに戻ってきました
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番外編@品評会2

品評会、番外編と言いつつ少しだけ続きそうなので一度<完結済>を<連載>に戻します。すみません。

ナムルさんと私は2人並んで王都の街中を散策することにした。

私が王都に来るのは今回で3回目だが、1度目はそれなりに街を見て回る時間もあったものの、2度目は研究室に行って終わってしまったので、まだまだ知らないところは沢山ある。

ナムルさんは3年間王都の美術学校に通っていたそうなので、それなりにこの街には詳しいのだそうだ。


まずはナムルさんお勧めのケーキ屋さんに連れて行ってもらった。

壁や屋根など全体が薄い水色で統一された可愛らしいお店で、入り口を入ると砂糖とバターの焼けた甘くて香ばしい匂いがふんわりお店を漂っている。

もうこの匂いだけで幸せな気持ちになるのだから、ケーキ屋さんは偉大だなぁと感謝の気持ちを込めて心の中で手を合わせる。


「このお店はチョコレートを使ったお菓子が人気なんだ。」


ナムルさんにそう言われた私はショーケースの中をじっくり眺めて熟考に熟考を重ねた結果、ラズベリーソースが間に挟んであるチョコレートケーキを、ナムルさんはチーズフィリングが入ったボンボンチョコレートを注文して、店にある喫茶スペースで頂くことにした。


飲み物にコーヒーを頼もうとしたところで、メニューにショコラショーを見つけてしまった。

チョコレートケーキにチョコレートドリンクはくどくなっちゃうだろうか。

でもチョコレート屋さんのショコラショーって格別に美味しいし、イーサンでは見かけた事がないから飲んでみたい。

そう思いながら悩んでいると、ナムルさんが「頼んじゃいなよ。食べきれなかったら僕が食べてあげるから。」と言ってくれたので、思い切って注文した。

まあ、自分の食べかけを人様に押し付けるような真似をするつもりはないけど、後押しって大事だよね。


それほど待つこともなくケーキとショコラショーが運ばれてきた。

ケーキはラズベリーの酸味がチョコレートの甘さを良い具合に引き立てていて、濃厚な甘さなのに後を引かない。

最初はしっとりしたスポンジとチョコレートクリームの滑らかさが優しい甘さで舌の上に広がり、その後に少し酸味のあるラズベリーソースが顔を出してくる。

口の中からケーキが無くなると、鼻にフワッととラズベリーの香りが残りなんとも上品な味わいだ。


ショコラショーもケーキと一緒に食べる事を前提に作られているようで、ミルクがやや濃い目で甘さはほとんどない。甘くしたい時は自分で砂糖を足して調節するスタイルのようだ。

カップを口元に近付けると、チョコレートの香りの中にカルダモンやシナモンなどのスパイスの存在も感じられる。

くどく感じることなど全くなくペロリと平らげてしまった。


ナムルさんのボンボンショコラは3個セットになっていて、ひとつずつチーズフィリングの種類が違うそうだ。

店員さんの説明では、ヤギのチーズ、ブルーチーズ、カマンベールチーズのフィリングなのだとか。

ナムルさんはコーヒーを飲みながらゆっくりボンボンを口の中で転がしている。

思わずじっと見つめていると、ナムルさんが皿を差し出して「ひとつ食べる?」と聞いてきた。

そんなに物欲しそうに見てたかな。

私は慌てて手と首を振ってナムルさんの提案をお断りした。


「いえいえ。チーズのチョコレートも美味しそうだなとは思ってみてましたけど、そこまで意地汚くはないですよ。

お土産に買って帰るから大丈夫です!」


「そう?すごく美味しいから、僕も買って帰ろうかな。」


「ボンボンショコラなら少しは日持ちしそうですしね!もちろん私も食べますけど、みんなにも食べさせてあげたいです。」


「キヨコさんは美味しそうに食べるよねぇ。僕が作ったわけじゃないけど、なんか得意げな気分になっちゃった。」


「そう言うのわかりますよ。紹介したお店を気に入ってもらえると、どうだ!ってなりますよね。」


「そうそう。まさに、どうだ!って感じ!」


「今日の夜は私のおすすめのネモフィラ亭っていうところを紹介したいんですけど、大丈夫ですか?」


「もちろん!楽しみにしてるよ。」


「その時はきっと私が、どうだ!ってなりますから。」


「うわー。ますます楽しみだなー。」


私とナムルさんはひとしきり笑い合った後、お土産にチーズのボンボンショコラ3個セットを1ダースも買って店を出た。


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