表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然異世界日記  作者: えつお
異世界のホームに戻ってきました
65/85

65

翌日、私は意気揚々と社長室のドアを叩いた。


「たのもー!」


「キヨコさん?気合い入れてどうしたのさ。」


「社長!これ見てください!」


私はナムルさんの作ったガラスのサイコロを社長の目の前に突き出した。


「お、おう。ちょっと俺老眼だから近すぎると見えないんだけど…」


社長が手に取ってしげしげとサイコロを眺めている横で私は熱く江戸切子への想いを語った。


「ナムルさんがここまで作ってくれたんです!これはもう製品化まっしぐらですよ!すごく綺麗に彫れていると思いませんか!?しかも、グラスだけじゃなくてインテリアとしてこういう形のものもありだと思うんですよ!」


「まあまあ、落ち着いて。

確かによく出来てるなぁ。あいつ器用だもんな。


前にも言ったと思うけど、技術とコストが問題なんだよ。技術はこのまま磨けばいい線行くだろうけどコストはどうする?

儲からない物は商品には出来ないのはわかるよな?」


「そ、それはわかりますけど…でも!こんな素敵な物世に出さないのはもはや罪ですよ!

高値設定にして、すんごいお金持ちな人相手の限定受注生産にしたらどうにかならないですかね?」


「その場合の問題はどうやってこの商品をそのすんごいお金持ちな人達に知ってもらうかになるけど…

うーん…注文来なきゃ作れないだろ?」


「なんか方法ないですかねぇ…?」


しばらく2人でウンウン唸っていると、「来年の品評会に出してみたらいいんじゃないですか?」とドアの方から声がした。振り向くと工場長のカランさんが静かに佇んでいる。


「カランさん、いつからそこに?」


「結構最初からいました。2人とも真剣に話し込んでいたので、声をかけるのもなと。」


「えぇ…」


カランさん、存在感が…


「品評会、いいかも知らんな。」


社長が顎をこすりながら手のひらの上でサイコロを転がした。


「確か品評会は来年の2月のはずですから、まだ申し込みは間に合うはずですよ。後5ヶ月でそれに見合うものが作れればですけど。」


「ちょっとナムルと相談してみるか…」


聞くと、品評会は王家主催の由緒正しい物で、芸術家達の登竜門と言われているのだとか。

絵画や彫刻など分野は問わず、そこで入賞すると新聞にも紹介されて一躍有名になるらしい。

カットグラスや陶器の会社が出展する部門もあるとのことで、そこに申し込んでみてはどうかとのことだった。


ナムルさんは彫刻を学んでいたと言っていたし、芸術に造詣が深そうだ。

これはもしかしたらもしかするかも、と期待が膨らんで爆発しそうだ。


「絶対!いいと思います!いける気がします!」


「だから落ち着けって。」


ナムルさん、こんな繊細な技術を持ってるんだ。

あの時の怪我の後遺症がなくて本当に良かった。

ハッシ先生がいてくれてよかったよ。

私は次の病院のお手伝いの時にはハッシ先生に差し入れを買って行こうと心に誓った。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ