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家に帰ると、ミイちゃんもアオもまだ帰ってきていなかったので、晩御飯の準備に取り掛かる。
王都で美味しいものを食べていたせいで少し太った気がするから、ヘルシーメニューにしようかな。
大根と椎茸とピーマンがあるな。煮物…?サラダ…?
そういえば帰ってくる途中、隣のお家からお出汁の匂いがしていたな。めんつゆの匂いってそそられるよね〜。
蕎麦かうどんが食べたいかも。確か蕎麦の乾麺あったな。
蕎麦食べるなら天麩羅も欲しいよね。
てな感じで全然ヘルシーじゃなくなったし、蕎麦も天麩羅も出来立てじゃないと美味しくないので、めんつゆを作って大根をおろしたらすることが無くなった。
早く帰っておいで〜。
私の気持ちが通じたのか通じてないのか、1時間後くらいにミイちゃんとアオは揃って帰ってきた。
私は早速おろしぶっかけ蕎麦と天ぷらの盛り合わせを作ってテーブルに並べる。
天ぷらはさっき見つけたピーマンと椎茸、庭に生えてた大葉、あとは海老と蓮根。
手前味噌だけどなかなか良く出来ている。
蕎麦に天ぷら乗せたら天ぷら蕎麦だし、2人とも食べやすいしね。
蕎麦には日本酒って事で、吟醸も良いけどご飯のお供にはスッキリ純米酒を用意した。
私は大吟醸とかはそれだけで楽しみたい派。
ご飯のお供にするには味が華やかだから、勿体無い気がするのよ。
アオがビール好きって聞いてから、最近は色々試させるようにしている。
今のところビール以外のお気に入りは見つかっていなかったのだが、日本酒は美味しい!と飲みはじめた。
果物からより穀物からできたお酒がいいのかな?
今度焼酎も飲ませてみよう。
ミイちゃんはお酒全般苦手だそうで、今日は蕎麦茶を飲んでいる。
私が蕎麦の実を炒って作った蕎麦茶だ。
強めに炒ったやつが香ばしくて美味しいとミイちゃんのお気に入りなのだ。
私は蕎麦の実を炒っている時の香りが大好きなので、win-winだと思う。
ちなみに蕎麦打ちなんかは全く出来ません。
「今日のご飯もすごく美味しかったー。ごちそうさま。キヨコ料理上手になってる気がするわ。」
「お粗末さまでした。やっぱり食べてくれる人がいると丁寧に作ろうと思うしね。この世界に来てから美味しいもの色々食べてるのがヒントにもなるし。」
アオも頭をぐりぐり寄せて、「僕もキヨコの料理好きだよ〜!」と言ってくれた。
「ありがとう!そういえばミイちゃんとアオは2人でどっか行ってたの?ミイちゃん、マリさんとこに行くって言ってたのに、一緒に帰ってきたからびっくりしたよ。」
「昼過ぎにアオが帰ってきたのが見えたから、迎えにきてアオもマリのところに連れて行ったの。成長したから一応ご挨拶ね。」
「なんか新入社員が上司に挨拶しに行くみたいだね。マリさんは1番偉い精霊なの?」
私が聞くと、ミイちゃんはちょっと気まずそうな顔をした。
「マリはああ見えて女神なのよ…その辺のおばちゃんっぽいけど…ぽっちゃりしちゃってるし…
精霊のまとめ役でもあるから、精霊がある程度成長したら私達が見つけて一度は連れて行くわね。」
「そうなんだ。アオはちゃんと挨拶できた?」
「したー!羽根にキラキラ付けてもらったよー。」
「アオ!」
ミイちゃんがアオのお尻を尻尾でパンッと叩くと、アオは慌てて「なんでもないの!」と言って目を泳がせた。
なんか言ってはいけないことがあるっぽい。
無理矢理聞き出すほど野暮じゃないから安心して。
っていうか、聞かなくて良いことは聞かない方が幸せだと思うのよね。




