52
家に帰り、人工魔管について、ノートに書き出しながら頭の中を一度整理してみる。
・魔管の生成成分は血管と変わりがない
・血管は微量の魔力を含んだ血液が流れることで良い状態を保てる
・魔管は魔力量が少ないと詰まる→魔力がそれなりの量で流れていることで良い状態を保てる
・血管に魔力を流すと血管は壊れる
成分は変わらないはずなのになぜ血管と魔管で魔力に対する反応がこうも変わってくるのだろうか。
魔管を魔力の圧に負けない強さにするヒントがあるはずだ。
成分分析機械で検出されない何かが影響しているとしたら魔力そのものの可能性が高い。
もしかしたら魔管の生成には魔力が必要なのではないだろうか。
培養の最中に魔力を組み込めば人工血管と同じ方法で魔管を作れるのかもしれない。
培養液中に魔力を組み込む方法としては、培地を作る際に使用する血液を魔力の高い人のものを使ってみるのはどうだろう。
人工血管を作る時は牛の血液を利用した培地を利用していると言っていたので、そちらは魔力は全く含まれていないと考えられる。
ただ、体内のあらゆる臓器に多少なりとも魔力が含まれているという仮説は立ったが、どの程度の魔力量が血液に含まれているかはわからない。
魔力測定機はある程度の量の魔力しか拾えないし、量の測定もできないとのことだった。
ひたすら試すとしたら結構な作業になってしまう。
また、魔力量が多い人を探して協力を頼むまでも大変だろう。
とりあえずは私が培地用の血液に魔力を纏わせれば、人工魔管ができるかできないかだけは判別できるから、まずはそこから手をつけるしかない。
少し考えがまとまってきたので、私は明日からの決意を胸に、ミルヒさんへ提案する内容やこれからしなくてはならない事をノートに書き込んで鞄にしまった。
「はああぁ。今日も頑張ったよ。ミイちゃん癒してー!」
ベッドで身体を寛げていたミイちゃんに向かって勢いよく飛び込むと、ミイちゃんは尻尾を揺らしながら頬をペロリと舐めてくれた。
「お疲れ様、キヨコ。思う存分モフって良いわよ!」
ミイちゃんのお腹に頭を埋めてフガフガしているとどんどん疲れが癒やされていく。
マイナスイオンを感じる。
「ピュルルー」
アオもやってきて私の腕に頭を擦り付けてくる。
「アオも癒してくれるの?ありがとう〜」
うちの子たち天使すぎる。天使っていうか精霊だけど。
もう精霊最高すぎ。
ミイちゃんのお腹から顔を上げてアオを両手で抱きしめる。
「あれ、アオまたおっきくなってない?」
腕の中のアオがカラス位の大きさになっている。
色はますます薄くなりライトブルーに近い。
「ピュルルルルッ」
アオが得意そうに羽を広がる。
ますますでかいな。
「この間からちょくちょく湖に行ってるんだけど、そこも小さい精霊が多くて良い気の場所だからアオが成長しやすくなっちゃうのよね。」
「そうなんだ!アオすごいね!」
「ピュルッ!」
そのうちアオがシロになるのではないかとか、ダチョウくらいの大きさになったらどうしようとか多少の不安を感じながら、私は眠りについた。




